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【インタビュー】Sugar’s Campaign 理想のポップ・ソングプレイリスト

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Sugar's Campaign
毎回様々なアーティストや有名人の方々にお気に入りの楽曲を選んでもらうことで、その人の好みや楽曲の魅力、その曲との思い出を語ってもらうプレイリスト企画。今回は8月10日(水)にセカンド・アルバム『ママゴト』をリリースする、Sugar’s Campaignの登場です。 作品や楽曲ごとに世界観やコンセプトを話し合い、その雰囲気を古今東西の様々な音楽を通過した“ポップス”に仕上げていくSugar’s Campaign(以下、Sugar’s)。akioやmomo、IZUMIといったお馴染みの面々に加えて、注目のSSW・井上苑子もヴォーカル参加した今回の『ママゴト』では、家族が引き受ける「運命的な役割」をテーマにして、彼ら自身もポップスとしての役割を正面から受け止めた、よりカラフルなサウンドを手に入れています。 果たして彼らのポップ観を作った名曲の数々とは?今回は「理想のポップ・ソング」をテーマに、それぞれ5曲ずつプレイリストを作ってもらいました。

Interview:Sugar’s Campaign

interview160810_sugar's campaign_1 ――Avec AvecさんとSeihoさんはもともと音楽好きの家で育っていると思いますが、小さい頃、2人にとって音楽はどんな存在でしたか。 Seiho 音楽って中学ぐらいになると友達とのコミュニケーション・ツールになると思うんですけど、僕は親とのコミュニケーションのツールでしかなかったんですよ。高校に入るまでは、友達と音楽の話をする機会は全然なくて。 Avec Avec 僕も一緒ですね。僕の場合はひとりで親が持っている音楽をこっそり聴いているような感じだったんで、一人で楽しむことが多かったです。 ――プレイリストを作ったりするのは、小さい頃から好きでしたか? Avec Avec めちゃくちゃ好きでした。テープでマイベストを200とか、300とか作っていて、それが自分の趣味だったんです。当時電車に乗って隣町の塾に通っていたんですけど、その時に自分が聴くためのマイベストを自分で作っていたんですよ。 Seiho 僕は小学校2~3年生ぐらいの頃に初めてポータブルCDプレイヤーを買ってもらってプレイリストを作っていましたけど、どっちかというと「今日友達の家に行くときにアルバムを2枚持っていく」みたいな聴き方が好きでしたね。あと、うちは親父と弟と3人でCDショップに行って音楽を買うのが恒例行事になっていたんですけど、車で遠出をするときは僕が助手席でCDを入れ替えてました。その場でDJっぽく変えていく感じで。 ――プレイリストに好きな曲をどんどん入れていく人もいれば、全体の雰囲気を重視してバランスを取る人もいると思います。2人はどっちのタイプでしたか? Avec Avec どっちもですね。僕は変で、分析とかが好きだったんで、小学校の頃から「Pファンク」「ハードロック」みたいにジャンルで分けたり、普通に好きな「ベスト」というテーマで作ったり、そのときによって色々でした。テープで作っていたので、曲順を飛ばせない分、順番はとても大事で行き帰りの風景とマッチするかどうかを想像で考えたり、車で親と聴いた時に楽しんでもらえたり驚かせたりできるかとか、色々工夫してました。 Seiho 自分にとっては「親が聴いたことない」というのがめちゃくちゃ重要で。ただし、攻めればいいという話ではなくて、「ギリギリ興味を持ってくれるようなもので、内容もよくて、新しい」という、このバランスを重視してました。たとえば「この演奏陣は有名なフュージョン・プレイヤーだから親も好き。でも実は90年代に入ってからR&Bのバックバンドもやっていて、音は新しい」みたいな感じで(笑)。 ――2人が出会った大学時代、お互いに好きな音楽を交換することもありましたか。 Avec Avec ありましたね。これが唯一だと思うんですけど、Seihoから借りたジョン・ゾーンを僕が借りパクしました。 Seiho あれマジで返せって(笑)。大学に入りたての時期に、僕が『Naked City』を買ってから大学に向かったんです。そしたらTakuma(Avec Avec)に「貸して」って言われたんですけど、普通すぐに返ってくると思うじゃないですか? Avec Avec まだ返してないんですよ(笑)。 Seiho で、僕はまだ一回も聴いてないんです。 ――ははははは。最初はどんな音楽の興味が共通して仲良くなったんですか? Avec Avec スティーリー・ダンとか、スタッフ(アメリカのフュージョン・バンド)とかですね。僕はウエストコースト・ロックが好きで、Seihoはジャズが好きで、その中間としてその辺りの音楽が共通していたんです。Plus-Tech Squeeze Boxみたいな新しい渋谷系もそうでしたね。 次ページ:Sugar’s Campaign 理想のポップ・ソングプレイリスト公開!

【インタビュー】カジヒデキ×古川太一(KONCOS)が選ぶ、キャンプの行く道を盛り上げてくれるプレイリスト 後編

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koncos
8月20日(土)、21日(日)に開催されるカジヒデキさんも企画・運営にかかわる音楽フェス<PEANUTS CAMP>の開催を記念して、2回にわたってお届けするカジさん×KONCOSの古川さんのクロストーク。「キャンプの行く道を盛り上げるプレイリスト」をテーマにカジさんの選曲を教えてもらった前編に続いて、この後編では古川さんのプレイリストを発表してもらいます。 10年の“カジヒデキとRiddim Saunter”名義のコラボ作『TEENS FILM』で共演して以降、KONCOSがカジさんの作品に参加したり、ライブでバックバンドを務めたりと親密な関係を築いてきたカジさんと古川さん。今年は5月にカジさんがソロ20周年を迎えて最新作『THE BLUE BOY』(KONCOSも制作に参加)をリリースし、7月には古川さんが3人組のバンド体制となったKONCOSで最新作『Colors & Scale』をリリース。これらの楽曲を大自然の中で聴けることも、<PEANUTS CAMP>のポイントのひとつです。 そこでこの後編では、古川さんのプレイリストに加えて、2人にお互いの新作についても語ってもらいました。これを読めば、当日のライブもより楽しめるはずですよ!

Interview:カジヒデキ×古川太一(KONCOS)

Koncos ――前編で披露してもらったカジさんのプレイリストに続いて、今回は古川さんのプレイリストを見ていきましょう。テーマはカジさんと同様、「キャンプの行く道を盛り上げるプレイリスト」ですが、古川さんの1曲目は意外にもコモンの“The Light”なんですね? 古川 そうなんです。<PEANUTS CAMP>は夏じゃないですか。だから夏の夜に聴いてテンションを上げる曲と考えると、自分にとってはこの曲。キャンプっぽくないんですけど、オープンカーとかで、(窓に肘をかけるジェスチャーをしながら)こういう感じで会場に向かえたらいいなと思って(笑)。たとえば男の友達とかと夏に車を走らせる時には、やっぱりコモンかなと思ったんです。この曲は、ボビー・コールドウェルネタなんですよね。超メロウで夏の夜が始まった感がある。これで熱く盛り上がりたいです。 Common – “The Light” ――確かに、田舎に向かう途中、高速を走っている時などに合いそうですね。 古川 そうですね。アーバンでメロウな感じ。次のDJジャジー・ジェフ&ザ・フレッシュ・プリンスは、自分も夏にDJをする時によくかける曲なんです。「そろそろ自分のレコードバッグにも入れないとな」と思っていて。有名すぎる曲ですけど、最近はそこをあえてかけたりしているんです。高校生の頃に知った曲ですね。夜にヒップホップのお店の前とかでこの曲をガンガンかけながら、みんなでスケボーしたり、というのが日常だったんです。だから僕の夏のイメージはこういうものなんですよ。 DJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince– “サマータイム” ――TLCの“Diggin On You”はどうですか? この曲は94年の2作目『CrazySexyCool』の収録曲です。 古川 この曲はチルしながら盛り上がれますよね。TLCは他のアルバムも全体的にいいですけど、このアルバムは“Diggin On You”以外も最高です。僕はこれ以降も、基本的にチルしようという選曲ですね。次のビッグ・パンは、僕の一番好きなネタで、ブレンダ・ラッセルのピアノをずっと回しているんですけど、これは完全に僕ら世代の夏チューン。この曲も(オープンカーの窓に肘をかけるジェスチャーをしながら)これ系ですね(笑)。 TLC – “ディギン・オン・ユー” ビッグ・パン- “スティル・ノット・ア・プレイヤー” カジ ははははは。 古川 高速だけじゃなくて、海沿いもいいかもしれないです。 カジ じゃあ、<PEANUTS CAMP>にはもってこいですね。(会場の市原まで)アクアラインに乗ってもいいと思うし。 古川 湾岸でもいいですよね。それから、最後に選んだN.E.R.D.の“Tape You”は、「やっぱりいいな」と思って最近また聴いていたんですよ。この曲もオンコードの感じに浮遊感があって夏っぽい。この頃のファレルが手掛けた楽曲っていいですよね。 N.E.R.D. – “Tape You” カジ うんうん、確かに。 次ページ:<PEANUTS CAMP>のみどころは?

【インタビュー】ポップからインディまで、様々な人に愛されるのはなぜなのか?ティーガン&サラをインタビューから紐解く

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ティーガン&サラ
00年にニール・ヤング主宰の〈ヴェイパー・レコーズ〉から正式デビューすると、00年代のUSインディ・バンドたちとも手を取りながら、徐々にポップ・シーンの中心に踏み込んでいったカナダの双子姉妹デュオ、ティーガン&サラ。彼女たちは07年の5作目『ザ・コン』でカナダ国内でのブレイクを果たすと、名アンセム“Closer”を収録した13年の7作目『ハートスローブ』は全米チャートの3位を記録。胸の奥をぎゅっと掴まれるようなメロディでインディ・シーンの良心的な魅力を感じさせながらも、同時にテイラー・スウィフトを筆頭にしたポップ界の超人気アーティストにも愛されるという、独自の立ち位置を築いています。 そんな彼女たちが、7月末に国内盤がリリースされたばかりの通算8作目『ラヴ・ユー・トゥ・デス』を引っ提げて代官山ユニットで来日公演を敢行。冒頭の『ザ・コン』収録曲“Back In Your Head”からバンドセットならではの演奏につられて熱心なファンによる合唱が始まると、その後は7作目『ハートスローブ』と最新作『ラヴ・ユー・トゥ・デス』のポップできらびやかな楽曲を中心としたセットで会場はさらにヒートアップ。途中それぞれが曲ごとにギターを手に取るアコースティック・セットを挟んだり、『Pokémon GO』の話題を筆頭にしたMCで観客とコミュニケーションを取り合ったりと、ステージ上と観客との垣根を作らない親密な雰囲気は彼女たちならでは。本編ラストは新作のキラー・チューン“ボーイフレンド”から、彼女たちの代表曲とも言える“クローサー”で大団円。アンコールの最後に披露した04年の『ソー・ジェラス』収録曲“Where Does the Good Go”では会場に「歌える?」と訊いて、ふたたび観客に合唱をうながしつつライヴの幕を閉じました。 ティーガン&サラ

(C)カヤキヨシアキ

ティーガン&サラ

(C)カヤキヨシアキ

ティーガン&サラ

(C)カヤキヨシアキ

彼女たちがポップ・リスナーからインディ・リスナーまで、様々な人に愛されてしまうのはなぜなのか? ライヴ当日に行なわれた取材を通して、その理由を探ってみました。 次ページ:ニール・ヤングのツアーに同行したときに、彼自身の親切でプロフェッショナルな様子に感銘を受けた

【インタビュー】“アートを身近なものに――” 等身大のJay Shogoが辿り着いた現在地

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Jay Shogo
凱旋――。大げさに聞こえるかもしれないが、日本人アーティスト・Jay Shogo(ジェイ・ショウゴ)のこれまでの歩みは、その言葉に値するものだろう。 2009年に突如ロサンゼルスに渡り、独学でアーティスト活動をスタート。ニヒルな笑顔の“Ya-man(ヤーマン)”と名づけられたキャラクター、黒マジック一本で描かれる緻密かつ躍動感溢れるグラフィティ、そして“Love,Peace and Happiness”のメッセージは現地のアート通を魅了。ストリートアートの聖地「5POINTZ」(New York)を始め世界各地のアートプロジェクトに参加し、世界最大級のアートイベント「Art Basel Miami」には2012年から4年連続で招待されている。同時に日本でも「Red Bull」や「G-SHOCK」などのアートプロジェクトへの参加や、企業ロゴのデザインやブロンドプロデュースなど精力的に活動。しかし、あくまで拠点は海外だった。 そんなJay氏が去年から日本に活動の拠点を移し、そして7月25日〜31日の期間、Gallery Conceal Shibuyaで日本初となる個展<Jay Shogo“RAKUGAKI”Art District>を開催した。スケッチブックに描いた“RAKUGAKI”シリーズ130点あまりの原画の展示・販売に加え、“Plant Some Seeds”や“Bandana Series”などの代表作の展示や会場壁面へのスプレーアートなど、アーティスト・Jay Shogoの過去〜現在を体感出来る内容に。このタイミング、そして日本で個展を開催した理由、そしてそこに込められた想いとは? 今回は個展のレポートフォトと、会期終了後に行なったインタビューを交えてお届けする。

Interview:Jay Shogo

Jay Shogo ――まずは個展お疲れさまでした。 ありがとう。こうやってゆっくりするのもすごい久しぶりだよ。 ――そうなんですね。今は日本で生活してるんですか? そうだね。元々アメリカで生活しながらアート活動をしてたんだけど、日本でブランドもやってたから行ったり来たりしていた。日本に戻ってきた理由は、簡単に言えば……アメリカでの“地盤”が出来たから。それまでは自分で営業したりもしてたけど、仕事が入るタイミングで自分がいないこともあって。マイアミの知り合いには「ジェイ、もっと(マイアミに)いた方がいいよ」って言われていた。そういうのもあって、ある時からは日本の仕事は任せるようにして、マイアミに腰を据えて活動するようにしていた。 それでも日本に戻らなければいけないこともあったけど、その頃には「また仕事をしに来てくれ」って航空券やホテル代、ギャランティもそうだけど支払われるようになっていた。つまり日本にいても、向こうで仕事ができる状態になったんだ。それプラス、日本においてアートの仕事はまだそれほど多くなかったから、日本の仕事を増やそうと思ったのもある。去年から少しずつ種を蒔いたおかげで、今年の頭ぐらいから芽が出始めて、今はコンスタントに仕事が入ってくる状況になってきた。 ――今回の個展はいつぐらいから準備を始めたんですか? 今回の個展に関しては、企画が始まったのは2月末から3月頭ぐらい。特に個展をやるから新しく描いた絵はひとつもないんだ。でも普段から空いてる時間にスケッチブックに絵を描くようにしていて、それが自分の中での“RAKUGAKI”シリーズ。それが2014年ぐらいから描き始めてけっこう溜まったのと、以前から個展をやりませんかっていうオファーもあったから、このタイミングかなと思って日本で個展をやることを決めた。 ――場所に関して、渋谷でやろうと思ったキッカケはありますか? あそこは知り合いが働いてる場所。部屋が3つあるから空間を分けて展示したかったのと、天井の高さとか、壁にも描いてもいいっていう自由な発想、その辺がこれまで海外でやってきた考え方とマッチしてた。あとあの“雑居ビル”感。渋谷なんだけど、あの辺って上野っぽかったりもする。ああいうカオスな感じのエリアにギャラリーがあるのも気に入った。日本、海外でも場所によってはそうだけど、ギャラリーってコソコソ…って喋らなきゃいけない感じがあるでしょ? もちろんタバコも吸えなければ、コーヒー飲むのもどうかなっていう。 Jay Shogo ――あのカオスな雰囲気は形式張ってなくて、居心地が良かったです。今回、逸品弁当さんがケータリングを出していましたね。 今年の7月頭から「逸品弁当」という高級弁当を提供しているソラドという会社と、弁当箱のデザインでコラボしていて。そこの代表をやっているのが、地元の後輩なんだ。彼もいろいろな仕事をやってきて、失敗も経験していて。自分もたくさん失敗してきたから…ちょうどいいタイミングで再会したんだと思う。人間、やっぱり失敗してた方が、“人間力”があるよね。今は尊敬する後輩だし、頼むなら彼にお願いしたいと思った。あと今回の個展のDJも地元の知り合い。DJで有名な知り合いもいるけど、別に有名じゃなくてもいい。いっしょにいて楽しかったり、意見が言いやすかったりすることが重要だから。 Jay Shogo 次ページ:今思うのは、「アートを身近なものにしたい」ということ

【インタビュー】今年のサマソニにも出演!フェイ・ウォンの愛娘、リア・ドウに迫る

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リア・ドウ
中華圏屈指の歌姫フェイ・ウォンと、80~90年代の北京ロック・シーンを支えたドウ・ウェイという2人のミュージシャンを親に持ち、10代でアメリカに留学して音楽を学ぶと、高校生の頃には静岡の学校にも留学。様々な文化圏をまたにかけ、トリップホップやロック、ジャズ、フォークなどあらゆる要素を融合させた独自のポップ・ミュージックを鳴らすリア・ドウ。彼女のデビュー・アルバム『ストーン・カフェ』が、日本でもリリースされた。 本作に収録されているのは、彼女が16歳~17歳の間に書き溜めた楽曲の数々。トリップホップやジャズなどが巧みにブレンドされた“My Days”や“Bitter Sweet”、アコースティック・ギターが印象的な“May Rain”などを筆頭にした個性豊かなオリジナル曲から、かつてフェイ・ウォンがウォン・カーウァイ監督作品『恋する惑星』でカヴァーしたクランベリーズの“ドリームス”を大胆にアレンジしたカヴァー曲まで。全編には曲ごとに豊かな音楽的バックグラウンドが反映され、歌詞では社会に出たばかりの彼女の変化が綴られている。今回はそんなアルバムについて、そして東京1日目のガーデン・ステージに初出演を果たした<サマーソニック>(以下、サマソニ)でのライヴについて、<サマソニ>出演後の彼女に語ってもらった。 リア・ドウ (Leah Dou) - My Days(日本語字幕付) リア・ドウ (Leah Dou) - Brother まずは今回の日本滞在で観るのを楽しみにしていたという、<サマーソニック>でのレディオヘッドのライヴの話からどうぞ。

Interview:Leah dou

――以前「<サマーソニック>ではレディオヘッドが観たい」と話していましたね。今回の来日に際して、実際に観ることはできたんですか? イエス! (日本語で)スバラシイ……。まるで頭がぶっ飛ぶような最高の体験だったし、人生の中であんなに興奮したのは初めてだったんじゃないかな。息も激しくなったし、汗もかいたし、ジャンプもしたし。中でも一番興奮したのは、ビッグ・サプライズで“クリープ”を歌ってくれたことね。 ――特に『OKコンピューター』以降の、トリップホップ的な要素やエレクトロニックな音も加えた時期の彼らの音楽は、あなたの音楽にも大きな影響を与えていそうです。彼らにはどんな魅力を感じますか。 私がレディオヘッドを発見したのはティーンになってからで、他の人たちと比べると見つけるのは少し遅かったんだけれど、レディオヘッドはキャリアを通して音楽性をどんどん進化させてきた人たちだよね。でもそれと同時に、美しいメロディーはどの作品にもずっと共通していると思う。どんなジャンルの音楽を取り入れていても、それは失われていないというか。それは自分が一番目指していることね。だから、ジャンル的にはレディオヘッドを含めて色んなものに影響を受けているけれど、彼らのメロディー・センスに一番感銘を受けたんじゃないかな。あと、アルバムを重ねていくにつれて、トム・ヨークの声も進化しているよね。最初の何枚かは一般的な歌い方だったけれど、彼はそこから自分の歌のスウィートスポットのようなところを見つけることが出来たんだと思う。 ――他に<サマーソニック>でライヴを観られたアーティストはいましたか? 残念ながら他には全然見れなくて……。同じステージに出演したハイエイタス・カイヨーテも観たかったけれど他にやらなければいけないことがあったしね。でも、彼らと同じステージに立てたのは嬉しかった。あとはMETAFIVEも観たかったけれど、彼らのライヴは以前にも観たことがあったから、ステージ・スタイルがどんなものかは知っているわ。 ――自分自身のライヴはどうでしたか。高校の頃に静岡の学校に留学していたことがあったり、初ライヴが日本だったりと、日本はあなたにとって思い出深い場所のひとつです。 自分にとってのキーとなるステージになったんじゃないかと思う。こんなに早く<サマーソニック>のステージに立てるとは思っていなかったから、すごく光栄で興奮した。それに、ミュージシャンやスタッフの人たちのプロフェッショナルな仕事ぶりにも感銘を受けた。それぞれが仕事に誇りを持っていて、的確に仕事をするのが素晴らしかった。自分自身も演奏していてすごく楽しかったし、みんなとの一体感もすごくよかったと思う。あと、ライヴのためのリハーサルもすごく楽しかったな。1日目から日本のミュージシャンとも一緒に演奏したんだけど、自分は英語を話せるから何となくコミュニケーションすることはできるものの、キーボードのメンバーは中国語しか話せなくて。それなのに、全員が何となく一緒に何かを作り上げていくという雰囲気があったのが、何よりも楽しかった。 ――今回はアルバム『ストーン・カフェ』を引っ提げての来日となりました。この作品はトリップホップもオルタナもジャズもフォークもエレクトロニック・ミュージックも含めて様々な要素がブレンドされていて、あなたがリスナーとして豊かな耳を持っていることを感じさせてくれるようでした。今回の作品に影響を与えた音楽やアーティストというと? それを選ぶのはすごく難しいな(笑)。私の場合、明確にこのバンドに影響を受けたというものが特にないし、毎日のようにSpotifyのようなストリーミングサイトやアプリで新しい音楽を聴いて、そのすべてが自分の中に自然に浸透しているから、制作のためにスタジオ入りするときにも、そうやって日常的に聴いてきたものから無意識のうちにアイディアが出てくるの。だから自分では、どこに何が影響したのかが全然分からないの(笑)。 リア・ドウ

『ストーン・カフェ』

次ページ:“エクスプロージョンズ”は、一日で出来たとまでは言わないけれど、すごく短時間で出来た曲

【インタビュー】Awesome City Clubのルーツがわかるプレイリスト

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アーティストや著名人の方々にお気に入りの楽曲を選んでもらうことで、その楽曲にまつわる思い出や当時のエピソードを語ってもらうプレイリスト企画。今回は「架空の街のサウンドトラック」をテーマに洒脱なポップ・ワールドを展開する5人組、Awesome City Club(以下、ACC)から、フロントメンバーのatagiさんとPORINさんの登場です。 今年6月にリリースされた3作目『Awesome City Tracks 3』では、atagiさんとPORINさんのツインヴォーカリスト体制をより強調するなど楽曲におけるメンバーの役割や音像を突き詰めて、よりカラフルでバラエティ豊かな音楽性を手にしたACC。リード曲“Don’t ,Think,Feel”はもちろん、スムースな“Into The Sound”や“Moonlight”、80’sニューウェイヴ風シンセがキラキラ夜を彩る“Vampire”、スロウな“エンドロール”や“Around The World”を筆頭に、全編にはより魅力を増した不思議な街の風景が広がっています。 今回は「Awesome City Clubのルーツがわかる楽曲」を選んでもらうことで、 2人の音楽体験を振り返ってもらいました。

Interview:Awesome City Club

awesome city club

PORIN“「これがやりたかったんだ」って気づいたのがその時ですね。”

――atagiさんとPORINさんは小さい頃、プレイリストを作るのは好きでしたか? PORIN:中学生の頃とかにオススメのバンドをMDに入れて友達と交換することはありましたね。もらったものは覚えていて、エミネムとか2パックとか、そういうものが多かった気がする。私はたぶん、GO!GO!7188みたいな、当時のガールズ・バンドを入れてましたね。 atagi:僕もちょうど中学から高校になるときにMDになって、聴く音楽の幅が広がったんです。ブルースの名盤やファンクを聴いていて、音楽好きの友達に教えてもらったヘビメタやグラインドコアも聴いてました。人に教えてもらって音楽を好きになることも多いですよね。 PORIN:みんな本気で選んでくれるしね。以前、スタイリストの人にミックスCDをもらったんですけど、1曲ずつ「この人のファッションはこうで~」という解説を付けてくれたんですよ。 ――へええ、楽しそうですね。ACCはメンバー間でも好きな音楽を共有しますか? PORIN:最近だと、モリシーが(スミス・ウエスタンズとアンノウン・モータル・オーケストラの元メンバーが集まって結成した)ホイットニーを教えてくれたりとか。 atagi:楽曲制作時に、制作チームのディレクターに「ACCのこんな音楽を聴いてみたい」というリストをもらうこともあるんです。それで「キンブラいいなぁ」って思ったりして。でも、マッツン(マツザカタクミ)はメロウ過ぎるものは聴かないし、音楽って人柄が表われますよね。音楽を共有する中で、人のパーソナルな部分を知れるというか。 ――さて、今回は「自分のルーツが分かる楽曲」というテーマで5曲ずつ選んでもらいました。曲を知ったきっかけや思い出など、曲との個人的な体験をそれぞれ教えてください。 PORIN:じゃあ、まずは私から! 今回選んだのは小~中学校時代の、音楽体験自体のルーツです。私は小さい頃ピアノを習っていて、1曲目のリチャード・クレイダーマンは、その時に弾いていた曲です。私は人にピアノを習うのは好きじゃなかったんですけど……この曲は今でも唯一弾けますね。初めて行ったコンサートもこの人で、終演後に花束を渡して手の甲にキスしてもらいました。それから、当時は母親も一緒にピアノを習っていて、母が好きだったのが次のチューリップの“青春の影”です。母に連れられて、バンドもののコンサートで初めて行ったのもチューリップでした。幼稚園の頃ですね。次のレベッカは叔母の影響。当時バンドでヴォーカリストをしていた叔母がカラオケで歌っていて、私自身、一番好きなヴォーカリストもNOKKOさんです。あんなに体全部を使って歌うような人っていないと思うんですよ。 リチャード・クレイダーマン– “渚のアデリーヌ” チューリップ– “青春の影” レベッカ– “フレンズ” ――そして次が、LUNA SEAですか? PORIN:中性的な雰囲気がお父さんに似ているのか、私、河村隆一さんが好きなんです(笑)。それで小さい頃はこの曲を流しつつリカちゃん人形で遊んだり、リカちゃんと彼氏役の男の子の人形でベッドシーンを作って、“Unlikelihood”の《天使と悪魔がKISをした》という歌詞でキスさせたりしてました(笑)。最後のチャットモンチーの“サラバ青春”は、中学の頃に初めてバンドを組んで演奏した曲。軽音部でもなく陸上部だったのに、器械体操部の子とソフトバレー部の子と一緒に先輩の送別会で全校生徒の前で演奏したんです。 LUNA SEA– “storm” チャットモンチー “サラバ青春” ――だいぶ緊張したんじゃないですか? PORIN:むしろ、「これがやりたかったんだ」って気づいたのがその時ですね。目立ちたがり屋だったんで、「自分かっこいい!」みたいな感覚でした。 ――そしてこの曲は、何と言っても『Awesome City Tracks 3』にも作詞で参加した(元チャットモンチーの)高橋久美子さんの歌詞が素晴らしいです。 PORIN:高橋さんの歌詞って、人間性が出ているんですよね。この間高橋さんのラジオに出させてもらった時に、さっきのエピソードや、私がたまにやっている(ソロでの)ライブの時にもチャットモンチーの曲をやっていることを伝えました。 ――こうして見てみると、PORINさんのリストは誰かとの思い出があるような曲が多い気がしますね。自分ひとりで音楽を聴く、という感じではないというか。 PORIN:ああ、確かに。私はそういう聴き方はあまりしないかもしれないです。

atagiさんのプレイリスト公開!

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RELEASE INFORMATION

Awesome City Tracks 3

2016.06.22 Awesome City Club [amazonjs asin="B01DSSH4CW" locale="JP" title="Awesome City Tracks 3"] 詳細はこちら

EVENT INFORMATION

Awesome Talks -Vol.5

2016.11.17(土) OPEN 18:00/START 19:00 大阪・umeda AKASO ADV ¥3,500

Awesome Talks -Vol.6

2016.11.24(土) OPEN 18:00/START 19:00 東京・TSUTAYA O-EAST ADV ¥3,500 詳細はこちら

photo by Mayuko Yamaguchi

【インタビュー】downyの青木ロビンに聞く!前作からの3年間で必然的に生まれた『第六作品集』へ至る道程

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downy
3年前の『第五作品集』での復活によって、いかにdownyにシンパシーを寄せているバンド、アーティストが多いかが顕在化した感があった。が、それもそのはず00年代初期にすでに変拍子や複雑な構成を人力のみで構築し、しかも日本語でありながら何事も取れる発語で歌うボーカル、しかもライブは照明ではなく、演奏とシンクロする映像が用いられるなど、今でこそ認知された表現を行っていたのだから、今、その後、日本のオルタナティヴやポストロックを牽引する存在となったバンドマンも当時はまだティーンエイジャーだったはずだ。 復活後のdownyはむしろ活動休止前以上に様々なバンドやシーンからラブコールを受け、2014年には初の<FUJIROCK FESTIVAL>出演、クラムボンのトリビュートアルバムへの参加、そして同世代であり近い価値観で活動してきたenvy、MONOとともにキュレーションを行うイベント<SYNCHRONICITY ’16 –After Hours>も成功裡に終えた。 そんな彼らのニューアルバム『第六作品集』は、さらに生身の人間の演奏を研ぎ澄まし、パワフルさを増した仕上がりに。青木ロビンのボーカルも繊細さに加え、エモーショナルで時にインディR&Bなどと呼応するようなニュアンスも散見できる。細切れのトレンドではなく、時代や人間の深層心理とシンクロするもっとディープな部分で「新しい」と感じる具体的なプロダクツなのだ。生活の拠点である沖縄と音楽活動のギアを入れるための東京での生活を往来しながら得た感覚を反映した最新作について、そして<After Hours>で起こそうとしている少なからぬ変革について、穏やかさも柔らかなユーモアも蓄えた今の青木ロビンに聞いた。 第六作品集 『無題』 trailer movie

Interview:青木ロビン(downy[Vo&Gt])

——9年ぶりとなった前作当時のリアクションって、若い音楽リスナーからのものが多かった印象があるのですが、今振り返ってみていかがですか? 毎回言っていたんだけど、「なんであの時(活動休止前)言ってくれなかったんだろう」って感じですね。言ってくれたたらもうちょっと頑張ったかも(笑)。ま、当時、リスナーが高校生だったとか大学生だったとかなんでしょうね。 ——当時リスナーだった人たちが今バンドをやっているんだなという実感はありますか? そうですね。僕の好きな子たちも言ってくれるんで、「そうなんだ」って感じになるし、愛を感じます。「あの時代にこんなことやっていたんだ」「びっくりしましたよ」とか。 ——具体的にはロビンさんがプロデュースも担当したTHE NOVEMBERSとか……。 上の年代も下の年代もライブに誘ってくれたりだとか。 ——新作の『第六作品集「無題」』までの間に大きな出来事がいくつかあったと思うんです。例えば2014年の<フジロック>出演や、envyとMONOと共同主催した<SYNCHRONICITY ’16-After Hours>だったり、クラムボンのトリビュートアルバムへの参加となどいろいろありましたね。 どれも初めての話だったので、粛々とやるって感じでした。<フジロック>に関してはシンプルに楽しかった。僕はあんまりライブに行くこともなかったんで、「やっぱ見なきゃだめだな」と強く思いましたし、足運ばなきゃなと思わせてくれるきっかけになりました。クラムボンのもミトとは元々仲が良かったんですが、ちゃんと続けている彼等が思ってくれてるんだなっていうのが嬉しかった。<After Hours>の本チャンは来年なんですけど、その中での出会いでenvyの皆さんとか、MONOの後藤さんは元々仲が良かったんですが、「俺らの世代が暴れないと、ちょっとみんないい子すぎるよね。」みたいな話から「暴れようぜ」ってことで始まったんですね。新たな気づきもいっぱいありましたし、ミュージシャンとして濃い3年でしたね。 ——その中で必然的に今回のアルバムにつながっていったと。 ずっと音楽のこと考えて生きていましたし。メンバー全員が各々の音楽人生の中での次作のアイデアも溜まって来ていた事もあると思います。で、まぁさっきの話でも出た出会いもありましたし、その中でさらに肉を削いで行こう、やっぱりそれが求められていることな気がして。それはライブを重ねつつなんです。というのも前作を作った時ってライブしてないんですよ。でも今回は新曲も昔の曲も含めてライブで育てて行って、「ああ、今、僕らができること、もっとこれがあるな、あれがあるな。」っていう発見があって割と必然的な3年だったような気がします。 downy

第六作品集『無題』

次ページ:魂の1曲を聴かせて欲しいですよね。

【インタビュー】DAOKOのルーツがわかるプレイリスト

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DAOKO
様々なアーティストにテーマに沿ったお気に入りの楽曲を選んでもらうことで、その人のルーツや音楽との思い出を紐解いていくプレイリスト企画。今回は9月14日(水)にトリプルA面シングル『もしも僕らがGAMEの主役で/ダイスキ with TeddyLoid/BANG!』をリリースするインターネット/SNS世代の女性ラップシンガー、DAOKOさんの登場です。 顔出しを解禁してリリースされた昨年10月の“ShibuyaK/さみしいかみさま”に続く2ndシングルとなる今回は、ORESAMAの小島英也、TeddyLoid、岩崎太整といった注目のクリエイターが参加したトラックに、メジャー・デビュー以降芽生えた「観客とのコミュニケーション」を重視した、新たなDAOKOワールドを広げています。今回はそんなDAOKOさんに、「自分のルーツになった楽曲」を10曲選んでもらいました。 DAOKO–“BANG!"

Interview:DAOKO

“高校1年生の時にインディー・レーベルに入ってから、より能動的に音楽を聴くようになったんです”

DAOKO ――DAOKOさんの小さい頃の音楽との思い出というと、どんなことを覚えていますか? 父が音楽好きで、小さい頃車でどこかに行くときに色んな音楽がかかっていたのを覚えています。私が最も尊敬するアーティストである椎名林檎さんも、幼稚園の頃チャイルドシートに乗りながら聴いていたのが最初でした。小学校の頃はJ-POPのヒット・チャートに入っているものを聴くような子供で、中学校に入った頃にニコニコ動画に触れてから自分もラップを始めるようになって、 HIPHOPに出会って。高校1年生の時にインディー・レーベルに入ってから、より能動的に音楽を聴くようになったんです。 ――学生時代、プレイリストを友達と交換することもありましたか? 中学生の時に友達がiTunesでプレイリストを作ってくれたり、私もCD-Rを焼いて渡したりしたことはありました。友達はJ-POPの選曲だったり、アヴリル・ラヴィーンだったり、あとは邦楽ロックの選曲も多かったです。エレファントカシマシが入っていたように記憶しています。 ――今回は「DAOKOさんのルーツが分かるもの」というテーマでプレイリストを選んでもらいました。1曲目は椎名林檎さんの“ここでキスして。”。DAOKOさんと椎名林檎さんは同じではないにしても、やっぱりすごく似ている部分があると思います。 実際、憧れの存在なので意識したんです。最初は。でも、わかっていたことだけどやっぱり椎名林檎さんにはなれなくて。だから、私は私でいいと思うんです。椎名林檎さんの曲はDNAに組み込まれていると思うんです。この曲は当時のインタビューで「瞬間を切り取った曲です」とお話しされていて、本当にそうで。節々のワードから情景や人物像が想像できる歌詞になっているんです。次のシュガー・ベイブも、知ったのは父の影響でした。父はカルチャーに熱心で、博識だし、趣味も近いフィールドなので、父の存在は大きいですね。シュガー・ベイブは今聴いても古く感じないのがすごいと思うんです。晴れの日にも雨の日にも合うし、「この普遍性って、一体何なんだろう?」って思います。 椎名林檎 – “ここでキスして” シュガー・ベイブ – “今日はなんだか” ――次のCAPSULEの“東京喫茶”は、今のエレクトロニックな音楽性ではない時期の曲です。ピチカートファイヴの“東京は夜の7時”へのオマージュが感じられる曲ですね。 これも中田ヤスタカさんが好きな父に教えて貰って。渋谷系に近いことをやっていた時期ですよね。今回は中田さんの曲の中でもあえてこの曲を選んでみました。CAPSULEもこういう曲をやっていたことって、知らない人も多いと思って。次の星野源さんはファーストの曲で、自分から能動的に知った曲ですね。私は初期の頃から「シンプルだけど鋭利に心に刺さる歌詞を書く方だな」と思いつつ好きで聴いていたんです。最新アルバム『YELLOW DANCER』も最高に好きです。ブラック・ミュージックの要素が沢山詰まっていて音楽的にも高度なテクニックが満載なのに、チャートの1位を飾って、同じ音楽をやっている私にとって希望の光なんです。 CAPSULE – “東京喫茶” 星野源– “湯気” ――フィッシュマンズの“いかれたBaby”はどうですか? 知った当時は「チルな雰囲気で落ち着くな」と思っていたけれど、ダブを知った上で聴くとまた違った魅力が感じられ知れば知る程奥深い曲です。私は青が好きでイメージカラーにしていますけど、“ナイトクルージング”しかり、フィッシュマンズさんも青のイメージがあると思うんです。UAさんの“ミルクティー”は、好きだった人がカラオケで歌っていて知った曲。それが頭から離れなくて、帰って調べたんです。この曲も、ダブやレゲエが血として組み込まれていますよね。それに曲自体はループ・ミュージックなのに飽きずにずっと聴ける音楽は、自分の曲でも発明したいと思ってます。 Fishmans – “いかれたBaby” UA – “ミルクティー” ――なるほど。次のDNCEは急に15年~16年の海外のヒット曲になっていますね。 急に新しくなりました(笑)。自分のルーツも更新されてきているので、最近の音楽も入れてみようと思いました。今流行りの音色も取り入れながら、リフはファンキーで、バンド・サウンドに打ち込みの要素も入っていて、新しい最高にポップなダンスチューンの発明だ!と、最初に聴いた時は衝撃を受けました。最近、ポップスが巧妙かつ一番高度なテクニックが詰まっている濃密な音楽だと気付いて、USヒット・チャートもよくチェックしているんです。自分自身もJ-POPがやりたいと思うようになりましたし、聴く音楽も変わってきていますね。フィフス・ハーモニーの“Work from Home”は、(トラップの要素が入っているのに)何億回も再生されていてすごいですよね。この曲はトーンも好き。冷たい雰囲気でありつつも、爽やかに抜け切るような感覚が新しいPOPSの形を体現していると思います。 DNCE – “Cake By The Ocean” Fifth Harmony – “ワーク・フロム・ホーム feat. タイ・ダラー・サイン”

その他、DAOKOの意外なルーツがわかる楽曲とは!?

DAOKO 続きをmysoundで読む!

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もしも僕らがGAMEの主役で /ダイスキ with TeddyLoid/BANG!

2016.06.22 2016.09.14(水) [amazonjs asin="B01JOLRXDW" locale="JP" title="【Amazon.co.jp限定】もしも僕らがGAMEの主役で/ダイスキ with TeddyLoid/BANG! (初回限定盤A)(CD+DVD)(オリジナルA5クリアファイル)"] [amazonjs asin="B01IGPNNTA" locale="JP" title="もしも僕らがGAMEの主役で/ダイスキ with TeddyLoid/BANG! (初回限定盤A)(CD+DVD)"] [amazonjs asin="B01IGQ1ZVC" locale="JP" title="もしも僕らがGAMEの主役で/ダイスキ with TeddyLoid/BANG! (初回限定盤B)(CD+DVD)"] 詳細はこちら

EVENT INFORMATION

DAOKO 2016 <“青色主義” TOUR>

2016.09.22(木) OPEN 16:00/START 17:00 赤坂BLITZ DOOR ¥3,800 2016.10.01(土) OPEN 18:30/START 19:00 West Bridge Live Hall(韓国ソウルマポ区ワウサンロ 25 ギル 6) DOOR 55000won 2016.10.02(日) OPEN 16:00/START 17:00 West Bridge Live Hall(韓国ソウルマポ区ワウサンロ 25 ギル 6) DOOR 55000won 詳細はこちら

photo by Mayuko Yamaguchi


【インタビュー】ビースティー・ボーイズ、ジャック・ジョンソンのプロデューサー?マリオ・カルダート Jr.とは?

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マリオ カルダート
ビースティー・ボーイズ、ジャック・ジョンソンのプロデューサーとして知られるマリオ・カルダート Jr.(Mario Caldato Jr.)にメールインタビューを行い、アルバムの制作秘話、プロデュースの手法、ジャック・ジョンソンとの出会いなどを伺いました。 また、マッシヴ・アタックのレーベル〈Melankolic〉より、2000年に『Ordinary Man』で鳴りもの入りでデビューを果たしたフェリム・バーンとマシュー・ハードウィッジの2人によるユニット、デイ・ワン。3枚目のアルバムプロデュース秘話も語ってくれています。

Interview:マリオ・カルダート Jr.

――出身地やルーツ(家系)などよろしければ教えてください。素晴らしい家族(奥様や子供等)のことも差し支えなければお聞かせください。 僕の父親がイタリア出身なんだけど、1950年代にブラジルに引っ越して、ブラジル人の母と結婚したんだ。二人はサンパウロで出会って、僕はサンパウロで生まれたんだ。僕が2歳半の時に、姉も一緒にアメリカに引っ越して。僕の妹は、アメリカで生まれた。僕は結婚していて、15歳と12歳の娘がいるよ。数年前から家族と一緒にブラジルに住んでいるけど、今もロサンゼルスが拠点だね。 ――幼少時代や学生時代どんな環境で過ごしましたか? 音楽との出会いはいつだったのでしょうか? 父親がエレクトリック・オルガンを4歳の時に買ってくれたんだ。一緒にお店に行って、楽器のデモンストレーションを見て、買うことになったんだ。家で演奏したり、何回か無料でレッスンを受けたりしたね。僕が9歳から10歳のときに家族がピアノも買って、それから僕はピアノのレッスンを受けるようになった。12歳か13歳の時に、友達がザ・ビートルズを好きで、カバーバンドをやるようになった。当時の僕はパーカッションとキーボードを担当していたね。そのあとは15歳のときにスクールバンドに入って、別の学校に転校してからもバンドをやっていたよ。 しばらくしてから、音楽を演奏するよりもレコーディングすることに興味を持つようになって。友達のマーク・ニシタ(マニー・マーク)と出会って、彼が4トラックのTEACの「リール・トゥ・ルール・レコーダー」を持っていたんだ。彼は自宅でデモを録音するためにそのレコーダーを使っていたんだけど、彼の家は狭くて。僕の家の裏に離れがあったから、そこに機材を入れて、マークが演奏、僕がレコーディングを担当して、そうやって僕はレコーディングやプロデュースの技術を学んだんだ。 ――あなたは世界的に有名なプロデューサーで、技術や知識だけでなくアーティスティックで、様々なアーティストの個性やアイデアを引き出す「魔法使い」として知られています。アーティストから最高のパフォーマンスを引き出す秘訣は何でしょうか? アーティストに良い演奏をしてもらうには、彼らのアイデアを尊重して、まずは自由に表現してもらうことが大事なんだ。彼らから出てきたものを出発点にして、そこに僕のアイデアを提案して、彼らのアイデアを補う。プロデューサーとしてオープンな姿勢を持って、相手のアイデアを聞くことが大事だよね。それが秘訣だね。そうすることで、ユニークなものが作れるんだ。 マリオ カルダート ――〈Delicious Vinyl〉の時代のアーティスト・プロデュースの秘話やヒップホップに傾倒していた頃の話を聞かせてください! 「Power Tools」というクラブでDJをしていたマット・ダイク(注:マット・ダイクはダスト・ブラザーズの初期メンバーでもあり、〈Delicious Vinyl〉の創始者の一人)に偶然出会ったんだ。そのクラブに、マークの兄のマイク・ニシタと遊びに行って、その時にライブを見たんだ。3人のラッパーとDJがステージにいて、彼らがパフォーマンスする時に、DJが最初のレコードをプレイして、爆音のTR-808の低音が鳴って、サウンドシステムが壊れてしまった(笑)。音が全て消えてしまって、僕は観客としてその場にいたんだけど、そのグループは演奏できなくて残念がっていたんだ。そこで、僕はサウンドエンジニアを探したんだけど、見当たらなくて、僕はセキュリティの人に、「クラブのオーナーは誰?」と尋ねると、ある人に指をさして、「あの人がジョン・サイデルだよ」と言ったんだ。彼に「サウンドエンジニアはいますか?」と尋ねると、「サウンドエンジニアはいないけど、君は音響関係に詳しいの?」と聞かれたんだ。僕はすでにPAやサウンドシステムの経験が数年前からあったから、「僕はサウンドエンジニアをやっています」と言うと、彼はクラブの機材を見せてくれたんだよ。機材の状態がひどくて、アンプもとても小さかった。808の音が大きすぎて、アンプが飛んでしまったんだね。数分後に音が戻ったけど、バンドは既に帰ってしまったんだ。 そういうことがあって、そのクラブでDJをしているマット・ダイクと出会ったんだ。僕もそのクラブで働くようになって、次の週からサウンドシステムのセッティングをしたんだ。マットは素晴らしいDJで、様々な音楽をミックスして、パーティーを盛り上げていたね。彼を通して、シュガーヒルとか、Enjoy、ビジー・ビーなどのクラシックスを知ったんだ。彼はレーベルを立ち上げて、プロデューサーをやるようになって、それが〈Delicious Vinyl〉になったんだ。僕は、彼のアパートにスタジオを作ることを手伝って、そこでトーン・ロークなどがレコーディングされたんだよ。 ――ビースティー・ボーイズとの出会いや『Paul's Boutique』(1989)、『Check Your Head(1992)の作品のエピソードなど教えてください。 先ほど話したマイク・ダイクがビースティー・ボーイズに出会うきっかけになったんだけど。トーン・ロークとヤングMCは、〈Delicious Vinyl〉からリリースされた最初の二人のMCだったけど、それが驚くほど成功して。ビースティー・ボーイズは新しいサウンドとプロデューサーを求めているという噂をマットが聞きつけて、マットはプロデューサーとして、彼らに新たな方向性を提示できると確信していたんだ。 ちなみに、マットは、のちにダスト・ブラザーズとして知られるプロデューサーチームとトラックを作っていたんだけど、彼らは当時イージー・マイクとキング・ギズモと名乗っていた。実は、マットを含めて、3人がダスト・ブラザーズになったんだ。僕らはこのメンバーと一緒に、トーン・ローク、ヤングMC、デフ・ジェフなどのプロジェクトを制作した経験があったんだ。 そして、ビースティー・ボーイズたちにデモ・トラックを送ったら、彼らはすごく気に入って会いに来てくれたんだ。ビースティー・ボーイズを含めて、みんなでマットのハリウッドにあるアパートに集まったんだけど、そこがデリシャス・ヴァイニルのスタジオでもあった。 彼らはこのトラックの上でラップをして、〈Capitol Records〉と新しい契約を結んだんだ。 『Paul’s Boutique』は素晴らしい作品だったけど、サンプルのライブラリーを作るのに時間がかかってしまって、制作に9ヶ月間かかったんだ。ビースティー・ボーイズのメンバーはニューヨークとLAを行き来して、レコーディングしていて、彼らはLAで家や車をレンタルして生活していたんだ。とても自由でオープンな制作プロセスだったし、サンプルで色々な実験ができた作品だった。ダスト・ブラザーズのプロダクションも素晴らしかったし、ビースティー・ボーイズと僕らの息も合っていた。ビースティー・ボーイズがレンタルしていた家でみんなすごく楽しく過ごした思い出があるよ。 Beastie Boys - Hey Ladies
アルバムがリリースされた時、僕らはとても興奮していたけど、〈Capitol Records〉内で色々な変動があって、社長も解雇されて、レーベル側はあのアルバムをどうやって売り出せばいいか分かってなかった。だから、あのアルバムはしばらくお蔵入りになってしまったんだ。ビースティー・ボーイズはこのアルバムのツアーをしたがらなかったから、すぐに次のアルバム『Check Your Head』の制作に没頭することになった。 高価なスタジオに入ってレコーディングするより、自分達でスタジオを作ることにして、ビースティー・ボーイズのマイク・Dが住んでいたLAのアットウォーター・ヴィレッジというエリアにスタジオのスペースを見つけて、マークがG-Sonスタジオの建設を手伝ってくれたんだ。そこはクラブハウスのような雰囲気で、広々としたスタジオだったから、その中にバスケット・コートを作ったり、アダム・ヤウクがスケートランプをその中にたてたりしたね。とても自由な空間で、音楽的な実験がしやすかったよ。2インチの24トラックのコンソール、サンプラー、レコードなどの機材をスタジオに持ち込んで、誰にも邪魔されずに、自由に制作できた。だから、『Check Your Head』という素晴らしい作品が生まれたんだ。その次の『Ill Communication』の一部も、そこで制作されたんだ。だから特別な時代だったし、素晴らしい場所だったよ。『グランド・ロイヤル・マガジン』も、同じくG-Sonスタジオで作っていたんだ。 Beastie Boys - Pass the Mic
――ジャック・ジョンソン(アメリカ合衆国ハワイ州オアフ島出身の男性ミュージシャン・シンガーソングライター、また、サーファー、映画監督、実業家、プロデューサーとしても活動)のアルバムでもプロデュースを手掛けていますよね。あなたの〈Brushfire Records〉やジャックとの出会いなど教えて頂けますか? ジャック・ジョンソンのマネージャーのエメット・マロイから連絡があって、ある映画のサントラのために、ジャックの曲のリミックスをしないかというオファーをもらって。ジャックはビースティー・ボーイズ、ア・トライブ・コールド・クエストなどのヒップホップが大好きで、僕にリミックスの依頼が舞い込んだんだ。 ライブ演奏の素材を渡されたんだけど、リミックスしづらそうだったから、その曲をレコーディングし直そうと提案すると、ジャックとバンドはその提案を気に入ってくれて、僕のホームスタジオに来てもらうことになって。そこで、同じ曲の別バージョンをレコーディングしたんだ。 ジャックは、家でレコーディングできることに驚いていたよ。ドラムがリビングにセッティングしてあって、ギターとボーカルマイクなどはベッドルームにセッティングあるから、とても快適な空間だね。ジャックは家でここまでレコーディングできることに驚いて、ハワイで買った家でのスタジオ建設を手伝ってほしいと相談されたんだ。ちょうど家族と同時期にオアフへの旅行を計画していたから、彼のノースショアにある家を見に行ったんだ。 彼の家を見て、建設関係の仕事をしている彼の兄と会って、車庫がちょうどスタジオに使うのに適していたから、そこにコントロール・ルーム、レコーディング・ルーム、アイソレーション・ブースの建設する計画を提案したんだ。 半年か8ヶ月後くらいにジャックから電話があって、「次のアルバムをレコーディングしよう」と言われたんだ。僕のエンジニアのロバート・コランダにハワイに来てもらって、ジャックのセカンド・アルバム『On And On』を21日間でレコーディングしたんだ。 Jack Johnson - The Horizon Has Been Defeated
そこからまた新たな関係が生まれて、サードアルバム『In Between Dreams』もレコーディングした。『From Here To Now To You』もハワイで一緒にレコーディングしたね。ジャックのスタジオは本当に楽しくレコーディングできる場所だし、アットホームな雰囲気があるんだよ。 ――ここ数年間はどんなアーティストをプロデュースしてきましたか? 過去2年間はブラジルでの仕事が多かったね。もちろんデイ・ワンと仕事をしたし、何年も前から一緒に仕事をしているセウ・ジョルジ(Seu Jorge)という素晴らしいブラジルのアーティストの作品も手がけた。彼の前作『Musica para Churrasco Vol. 2』をレコーディングしたね。 サンフランシスコのコンブリオ(Con Brio)というエクレクティックなバンドとも仕事をした。ブラジルのアイモレーコ(Aymoreco)という9月にリリースされるおもしろいプロジェクトも手がけた。サンパウロのフィンガーフィンガー(FingerFingerr)というバンドとも仕事をした。サンティアゴ・クルーズ(Santiago Cruz)というアーティストを、僕のパートナーのカシン(Kassin)と共同プロデュースをした。サンティアゴ・クルーズはコロンビア出身のシンガーなんだけど、もう少しでリリースされる。ブラジルのアルヴィーノ・ランセロッチ(Alvinho Lancelotti)というリオのアーティストの新作のミックスを手がけていて、ドメニコ+2(Domenico + 2)で知られるドメニコ・ランセロッチ(Domenico Lancelotti)と兄弟なんだ。タミー・マセド(Tamy Macedo)というブラジル出身で、ウルグアイに住んでいる女性アーティストとも仕事をしている。ジェズトン(Jesuton)というイギリスのシンガーとも仕事をしたし。デヴィ・ノヴァ(Devi Nova)というシンガーとは現在レコーディング中なんだ。アルゼンチンのバンダ・ディ・トゥリスタス(Banda de Turistas)とも仕事をしたよ。 Seu Jorge - Motoboy (Lyric Video)
次ページ:デイ・ワンのプロデュース秘話とは?

【インタビュー】Tempalayの夏に聴きたくなる楽曲プレイリスト

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Tempalay mysound
イメージはサイケデリック、歌はソウル、音数は限りなく少なく、魅力的な余白を残す。リスナーはそこに自分の記憶や体験を勝手にリンクさせ、楽曲を補完することができる。彼らほどイマジネーション豊かなポップソングを書く若いバンドを、私は他に知りません。個人的に、演奏がもう数段階タイトになりさえすれば、彼はアメリカのウェストサイドと東京のローカルを華麗にサーフする最強のバンドになると思っています。 今年2月にデビュー盤『from JAPAN』、8月には同アルバムのLPをリリースした彼らは、感覚的にすべてを選びとっているように見えて、ロジカルかつ戦略的に楽曲を構築しています。それは、このタイミングで、日本ではスルーされがちだったアンノウン・モータル・オーケストラのミニマムソウルを引用したセンスからして明白。そこにどんなバックボーンが眠っているのか。改めて、メンバーそれぞれが「夏に聴きたい曲」というテーマの元に挙げてくれたプレイリストを紐解きながら聞いてみました。 Tempalay / made in Japan (Official Video)

Interview:Tempalay

Tempalay mysound

小原“生きてきた中で見てきた景色とか、そういう記憶が自然と楽曲にリンクしていく”

――曲を書いているのは綾斗さんですよね。ソングライティングの具体的なプロセスについて教えてください。 小原 最初から曲の全体を思い浮かべることはなくて、フレーズから作っていくことが多いですね。イメージについては、曲を作るためにロケハンをするわけではなく、これまで生きてきた中で見てきた景色とか、そういう記憶が自然と楽曲にリンクしていく感覚です。 ――綾斗さんからラフがあがってきて、竹内さんと藤本さんがそれを楽曲の形にしていくとき、どんなフィーリング、ムードを重視しましたか? 竹内 Tempalayだからこれ、というのはなくて、楽曲ごとにざっくりしたイメージを綾斗に確かめます。森か街か海か、昼か夜か、みたいな感じで。 小原 そういえば、“Have A Nice Day Club”は大阪万博みたいなイメージって言ってたよね。要するに表面上の“万博”じゃなくて、もっと奥底にある雰囲気。でも、全然伝わらなかった(笑)。 竹内 最初は四つ打ちにしようと思ったら、「全然違う」と(笑)。 ――『from JAPAN』でのTempalayはアンノウン・モータル・オーケストラからあからさまに影響を受けていますが、そもそも彼らの音楽と出合ったきっかけは? 小原 まだTempalayの前のバンドをやっていた時に、サイケな雰囲気で、綺麗なメロディがちゃんとあって、リズムがヒップホップっぽいものを3人でやっている奴らはいなんかなと思っていたら、“Funny Friends”っていう彼らの代表曲をYouTubeで見つけて、「うわ、これや!」と。 藤本 この話しまくってたら、彼らが来日する時に前座とかできないかな(笑)? ――それでは、プレイリストに話を移しましょう。まずは小原さんから。“Open”は2010年代を代表するライの名曲ですが、これは静謐でミニマムなムードに惹かれたということでしょうか? 小原 僕の中で夏の曲といえば、一人で静かに聴くもの。“Open”に関しては、僕の地元がまさしくこの曲のビデオに出てくるような田舎で、路面電車と汽車しかないんです。それで、夕方やったかな、車窓から外を眺めている時にiPodからこの曲が流れてきて、普段の景色がガラッと変わって見えたんです。 Rhye – “open” ――レオン・ブリッジズは、今年の<FUJIROCK FESTIVAL>(以下、フジロック)でも観たと言っていましたよね。 小原 ライブが予想以上にミニマムで、めっちゃ格好良かったですね。 Leon Bridges – “Lisa sawyer” ――久石譲“One Summer's Day”は『千と千尋の神隠し』のオープンニング曲です。この曲以外の久石譲の作品も普段から聴きますか? 小原 聴きますね。特に、これにするかどうかも迷ったくらい、『千と千尋の神隠し』の曲って全部良いんですよ。この曲に出合った頃は友達がいなくて、家で一人で遊んでいたんですけど・・・(笑)。自分の部屋の窓を開けると田んぼがバーっと広がっていて、そのむこうに線路が通っているんです。その光景を思い出しますね。 久石譲– “one summer's day” ――キリンジ“エイリアンズ”、発売当時はいまいちヒットしませんでしたが、その後ハナレグミなど多くのミュージシャンにカバーされています。この曲を知ったきっかけは? 小原 キリンジがずっと盲点で、僕はこの曲から入ったんです。ユーモアのある歌詞と美しいメロディのギャップが僕の中では理想的だった。この人たち、天才なんやと思いますね。 キリンジ – “エイリアンズ” ――RIP SLYME“楽園ベイべー”はイントロのギター、フロウ、コーラス、MV……すべてがパーフェクトすぎる大名曲ですが、ここで綾斗さんのこの曲に対する愛を語り尽くしてください。 小原 こんなに夏を感じる曲、あります?(笑)“楽園ベイベー”っていう曲名を知らなくても、リスナーがその曲名を勝手につけそうじゃないですか。童貞っぽい歌詞とか、イキってる感じとか、すごくユーモアがあって……音楽ってユーモアですよね。 RIP SLYME – “楽園ベイべー” ――井上陽水“少年時代”。あえてこの曲のすごさを説明するとすれば? 小原 もう、23年間くらい好きな曲ですね。この曲の歌詞、何言ってるかわからないんですけど、何言ってるかわかるじゃないですか。風あざみとか宵かがりとか、造語やから意味はないんですよ。でも、音楽とバチッとハマっているから、言葉になっている。 井上陽水– “少年時代” ――お次は竹内さんの番です。シールズ&クロフツが1972年にリリースした“Summer Breeze”のアイズリー・ブラザーズによるカヴァーは、ソフトロックのスウィートなメロディがサイケデリックの中に息づいています。 竹内 僕はこの曲の元ネタを知らなくて。この前原曲を聴いたらカヴァーと違ってすごく爽やかだったから、“Make Me Feel Fine”のリリックがやっと自分の中でマッチしました。シールズ&クロフツは都会の初夏で、アイズリーがジャングルの熱帯夜な感じですよね。 The Isley Brothers – “サマー・ブリーズ” ――ステファン・ステインブリンク“Now You See Everything“、こちらも現代のソフトロックです。 竹内 一番聴いていた曲ですね。声質がずば抜けている。 Stephen Steinbrink – “Now You See Everything ――冨田ラボ“ペドロ~消防士と潜水夫~feat.佐野元春”はリアルタイムで聴いていましたか? 竹内 リアルタイムですね。ファーストとセカンドは本当によく聴いていました。これは記憶の底にずっと眠っている曲で、今回のテーマを聞いた時に思い出しました。リフが夏っぽくて、冨田さんの声が涼しげだから。 富田ラボ – “ペドロ~消防士と潜水夫~feat.佐野元春” ――アンダーワールド“Scribble”、僕はこの曲を完全に聴き逃していました。改めて聴くと、コーラスにすこし古めのリーナ感があって、めちゃくちゃアガりますね。 竹内 このアルバムが出た時にちょうどイギリスのエレクトロをよく聴いていて、自分の気分とリンクしたんです。アンダーワールドがドラムンベースをやった! っていう。あと、打ち込みなのに血が通っているというか、バンドっぽいのも良かった。 Underworld – “Scribble” ――最後、サブライム“Santeria”って、みんな一度は通りますよね。 竹内 実は、『テラスハウス』にこの曲が使われていることを知らなくて……ちょっとショックだった(笑)。歌詞が全然わからないんですが、すごく夏っぽい(実際は「自分の愛する女を奪いとった男をぶち殺してやる」というなかなか物騒な内容)。 Sublime – “Santeria”

その他、Tempalayの意外なルーツがわかる楽曲とは!?

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RELEASE INFORMATION

from JAPAN

2016.01.06(水) Tempalay [amazonjs asin="B017O7TAX4" locale="JP" title="from JAPAN"] 詳細はこちら

EVENT INFORMATION

BEACH TOMATO NOODLE

2016.10.01(土) OPEN 11:30/START 12:00 千葉 白浜フラワーパーク ADV ¥3,500/DOOR ¥4,000

りんご音楽祭

2016.09.24(土) START 9:30/CLOSE 21:00 長野県松本市アルプス公園 2日間通し券 ¥12,000 / 2日間通し券+キャンプ券 ¥27,000

CLAPPERCLAPPER 10th ANNIVERSARY

2016.10.03(月) OPEN 18:00/START 18:30 大阪・アメリカ村CLAPPER ADV ¥2,500/DOOR ¥2,500

WASEDA MUSIC SHOWCASE Vol.2

2016.10.15(土) OPEN 13:00/START 13:30 渋谷 WOMB ADV ¥2,500/DOOR ¥3,000

TAMTAM "NEWPOESY" Release Tour 東京公演

2016.11.04(金) OPEN 19:00/START 19:30 渋谷 TSUTAYA O-NEST ADV ¥2,800/DOOR ¥3,300 詳細はこちら

photo by Kohichi Ogasahara

【インタビュー】OKAMOTO’Sいちのビートルズ好きに訊いた!ビートルズ『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』の聴きどころとは?

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OKAMOTO'S
凝縮された音のエネルギーはザ・ビートルズ(以下、ビートルズ)に勝るとも劣らない。全員が岡本太郎好きで、ラモーンズのように全員苗字はオカモト。だからOKAMOTO'S。ちょっと人を食ったような遊び心もまたビートルズ流なのだろうか。映画『にがくてあまい』の主題歌“Burning Love”を発表したばかりのOKAMOTO'Sの4人の中で、最もビートルズのことが好きなオカモトコウキ(ギター)に、ビートルズのライヴ・ドキュメンタリー映画の関連作品として発売される『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』の聴きどころについて訊いた。

Interview:OKAMOTO'S(オカモトコウキ[Gt])

――まず、聴き終えていかがでしたか? ハリウッド・ボウルのライヴは、当時出たレコードも聴いていましたが、今回は音質や音の分離がとても良くなり、リアリティがすごく増していますね。歓声も、もともと3トラック録音だったというので作業は苦労したと思いますが、大きさも含めていい落としどころになっていると思います。 ビートルズがライヴでどんなふうに演奏していたのか、どんな熱量を持っていたのか、それがひとつにまとまって伝わりやすくなったなと。“Roll Over Beethoven”など、1回途中で演奏を下げ、また上げて盛り上げる演出や、音量差のある演奏はダイナミクスがあります。小さいライヴハウスで活動していた強みというか、生音の強みを感じました。それにしても、ドラムの前にアンプがあって、モニターの返しがないという劣悪な環境なのに、よくあそこまで息を合せられるなと。コーラスも含めて。ビートルズは、場数を踏んだうまいバンドだったということですね。 ――それぞれの楽器についての印象は? 第一印象としてはリンゴのドラムが強力でした。音も迫力があり、すごくスウィングしているというか、単なる8ビートではなく微妙にシャッフルしている彼ならではのドラムが味わえる。ドラムだけでグルーヴしている。リンゴは普通のプレイでも半ハットのシャッフルで叩きますが、あれをできる人はなかなかいませんね。ギターも今と違って歪んでいるわけではないのですが、塊になってダーンとくる感じが凄い。 ヴォーカルはジョンが特に強力ですね。“Twist And Shout”は、声が出ていてすごくやる気もあったんだなと。ポールは普通の発声で声を出すからライヴをやればやるほど声が出るけど、ジョンはだんだん声がかすれていってしまったりするので、善し悪しがはっきり出る。でもこの時はコンディションが良く、ジョンの一番いい時期のヴォーカリストとしての魅力が伝わってきます。 Twist and Shout: Live At The Hollywood Bowl
ビートルズ

photo by The Music Center Archives/Otto Rothschild Collection

――当時出たハリウッド・ボウルのライヴ盤はいつごろ聴いたんですか? 高校生の時です。叔父の家にビートルズのLPがたくさんあり、ハンブルクのスター・クラブのライヴ盤もそのころに聴きました。あれはデビュー直後の乱暴でパンキッシュな勢いのあった時期の演奏ですが、ハリウッド・ボウルのライヴ盤は、デビュー後のいちばんいい時期の演奏だと思います。66年になるとだんだんやる気がなくなってくるので(笑)。“Help!”や“Ticket To Ride”のようなライヴ後のレパートリーも入ってきて、64、65年はバランスもいいですね。 次ページ:オカモトコウキが語るビートルズの魅力とは?

【インタビュー】カラスは真っ白 シミズコウヘイのso good!なプレイリスト

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カラスは真っ白 mysound
テーマに沿って作成してもらったプレイリストを軸に、アーティストを掘り下げていくプレイリスト企画。9月21日(水)にフルアルバム『バックトゥザフューチャー』をリリースしたカラスは真っ白からシミズコウヘイさん(Gt. MC. Rap.)が登場です。“ポップスの現在過去未来”をテーマに、バンドの集大成ともいえる作品に仕上がったという最新アルバムは、これまでの作品とは決定的に違う制作過程を踏んだことで、バンドのカラーが色濃く出た“今”の音を納めることができたそう。カラスは真っ白“らしさ”に加え、これまでにない表情を垣間見せるものとなっています。今回は、「so good!」なプレイリストから、アルバム『バックトゥザフューチャー』にも織り込まれたシミズさんの“今の気分”をレコメンドしていただきました。

Interview:シミズコウヘイ(カラスは真っ白[MC.Gt.Rap.])

カラスは真っ白 mysound ——今作『バックトゥザフューチャー』は、フルアルバムとしては3年ぶり。過去の作品とは異なる手法で製作されたそうですね。 今までは、作品ごとにコンセプトや世界観ありきの作り方をしていたんですけど、今回は単純に今メンバー個々がカッコいいと思うものをやろうということで、メンバー全員が作詞作曲をしています。一聴すると統一感がないかもしれないけど、バンドの“らしさ”は色濃い作品になったんじゃないかな、と。 ——確かに、曲ごとに表情がガラリと変わる刺激的なアルバムだと感じました。でも、ちゃんと“らしさ”もあって。 どんな曲でもヤギヌマカナ(ヴォーカル)のフィルターを通して歌うことで、カラスは真っ白“らしく”なるんだって、このアルバムを作ったことで改めて気づけましたね。今一番やりたいことを情熱的にやれたからこそ、フルアルバムとしてリリースできました。 ——また、桐谷健太さんの楽曲プロデュース/アレンジ参加や映画『何者』への菅田将暉さんへのギター指導やライブシーン監修参加など、バンドの枠を出た活動も注目すべきところですね。そこで得たものは、きっとバンドへも還元されているのだろうと思います。そして、10月14日(金)からはアルバムリリースツアーも始まります。 フルアルバムのツアーは久しぶりだし、1stアルバムのときはお客さん5人くらいだったんで(笑)。今回はワンマンなので楽しみでしょうがないです。観にきてくれる以上は、「今年観た中で一番良かった」って言わせないとやる意味がないと思っています! ——では、本題のプレイリストのお話へ。今回は「シミズコウヘイのso good!なプレイリスト」ということですが、セレクトの基準は? 単純に僕が最近好きな曲です(笑)。ぜひ聴いてみて! ってオススメしたい曲を選んでみました。 ——ちなみに、これまでミックスCDなどを作ったご経験は? ありますね。中学生の頃とかに歌謡曲が好きだったので、MDで年代別に作っていました。 ——では、1曲目。“La La La” Naughty Boy -ft. Sam Smith。世界的にヒットした2013年リリースの1曲です。一度聴いたら忘れられない強烈な一曲ですね。 もうね、呪われちゃったんですよ、この曲に。“La La La”の呪い(笑)。MVも怖いんですよね。気持ち悪いのに見ちゃうっていう感じです。もともとSam Smithが好きっていうのもあるんですけど、個人的にこうして誰かと一緒にやったときのほうがアクが出ていいなって思います。ぜひ聴いて、みんな呪われてほしいです。 Naughty Boy -ft. Sam Smith – “La La La” ——お次は、commonの“Be”。カニエ・ウエストとJ Dillaをプロデューサーに迎えたアルバム『BE』の1曲目です。 とにかくイントロのベースが印象的で、メンバーみんなが好きな定番曲なんです。フレーズが好きすぎてライブとかでも隠れて弾いているので、注意して聴いてみてください。気づいた人はツウですね(笑)。この曲を初めて聴いたのは、あるバンドのSEで流れてて「めちゃくちゃかっこいい!」って思って聴くようになりました。グルーヴもかっこいいけど、フレーズがかっこいいんですよね。 common – “Be” ——次は、フラー・イーストの“sax”。プレイリストの中で唯一の女性シンガーの曲ですね。 彼女の歌自体もすごいんですけど、ギターのリフにやられちゃいましたね。2015年のナンバーワンリフ! すごくシンプルで誰でも弾けるのに、こんなにキレッキレのギターリフなかなかないぞ、と。タイトル“sax”ですけど、これ“guitar”じゃないのかって(笑)。 Fleur East – “sax”” ——続いて、Chicの“La ferak”。言わずと知れたファンク・アンセムです。 できればリアルタイムでこの時代の音楽を聴きたかったな……っていう憧れの曲です。ナイル・ロジャースのカッティングって、すごくカッコいいんですけど、この人にしか出せない謎のグルーヴがあって、もう意味わかんない(笑)。ワンフレーズでずっと聴かせてくれるって、すごいことですよね。この曲に出会ったのは20代前半なんですけど、家族でたまにChicをかけながらドライブしていた思い出もあります。 Chic – “La ferak” ——次は、KIRINJI“The Great Journey feat. RHYMESTER”。アルバム『ネオ』収録のシティポップにバキバキのライムをトッピングした曲です。 この曲はリアルタイムで聴けて良かった! 今年、自分が作った曲以外でナンバーワンです。ほんとに最高! 細部にまでこだわった曲作りをされているのが感じられるし、すごい化学反応が起きている。いいなあ、さすがだなって思いますね。今の僕らの気分もこの曲に近いテンションですね。“浮気ディスコ”っていう曲にもそれが表れていると思うんです。特にドラムのタイヘイはこういうことがやりたいんじゃないかな。 KIRINJ – “The Great Journey feat. RHYMESTER” 続きをmysoundで読む!

RELEASE INFORMATION

バックトゥザフューチャー

2016.09.21(水) カラスは真っ白 [amazonjs asin="B01J2AGM14" locale="JP" title="バックトゥザフューチャー"] 詳細はこちら

EVENT INFORMATION

『バックトゥザフューチャー』レコ発ワンマンツアー

大阪 Shangri-La 2016.10.14(金) OPEN 18:30/START 19:00 ADV ¥3,200/DOOR ¥3,700 福岡 Queblick 2016年10月16日(日) OPEN 17:30/START 18:00 ADV ¥3,200/DOOR ¥3,700 名古屋 CLUB UPSET 2016年10月18日(火) OPEN 18:30/START 19:00 ADV ¥3,200/DOOR ¥3,700 東京 恵比寿LIQUID ROOM 2016年10月20日(木) OPEN 18:00/START 19:00 ADV ¥3,200/DOOR ¥3,700 札幌:Sound Lab mole 2016年11月3日(木) OPEN 17:30/START 18:000 ADV ¥3,200/DOOR ¥3,700 詳細はこちら
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【インタビュー】Azumi × 中島トニー『函館珈琲』への思いや制作背景とは

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函館珈琲
黄川田将也さん演じる主人公・桧山英二が辿りついた函館のアパートメント、翡翠館。そこで出会ったのは、それぞれに悩みを抱えつつも夢を追い続ける人々と、彼が住んでいた東京とはまったく違う、優しくゆったりと流れる函館特有の時間だった――。今年で21回目を迎える<函館港イルミナシオン映画祭>が発起人となり、函館の街を舞台にしたオリジナルシナリオからの映画創りを目指す「シナリオ大賞映画化プロジェクト」。その第一弾となる『函館珈琲』は、同映画祭で2013年度函館市長賞を受賞したいとう菜のはさんのシナリオを完全映画化。函館を知り尽くしたスタッフと、豪華キャストによって、北海道の港町・函館ならではの魅力をスクリーンいっぱいに詰め込んだ作品になっています。 函館珈琲 函館珈琲

函館が舞台の心まる物語/映画『函館珈琲』予告編

公開に先立って行われたプレミア試写会&舞台挨拶には、主演の黄川田将也さん、片岡礼子さん、Azumiさん、中島トニーさん、あがた森魚さん、夏樹陽子さん、西尾孔志監督が登壇。函館出身のあがた森魚さんから「シナリオ大賞映画化プロジェクト」への思いが語られたり、いとう菜のはさんや撮影担当の上野彰吾さんの紹介も交えたりしながら、制作チームの函館への思いや、映画への思いが語られました。 函館が舞台の心まる物語/映画『函館珈琲』予告編 函館が舞台の心まる物語/映画『函館珈琲』予告編 今回話を聞くことが出来たのは、今回映画初主演にしてヒロイン役の藤村佐和を演じ、同時に主題歌も担当したAzumiさんと、NHK朝の連続テレビ小説『マッサン』への出演でも注目された新鋭にして、ドイツと日本のハーフでもある中島トニーさん。静かな時間とコーヒーの香りに乗せて、函館の街と夢に向かって歩む人々の葛藤が描かれるこの映画の制作背景について、2人に語ってもらいました。

Interview:Azumi × 中島トニー

――さきほど舞台挨拶を観させてもらいましたが、キャスト/スタッフのみなさんの本当に仲がよさそうな雰囲気がとても印象的でした。 中島トニー でも、それは割と隠していたよね? Azumi うん、私たちとしては隠していたんです(笑)。 ――和気あいあいとしたムードがすごく伝わってきましたよ(笑)。『函館珈琲』は函館港イルミナシオン映画祭による「シナリオ大賞映画化プロジェクト」の第一弾作品となりますが、最初にシナリオを読んだとき、どんな魅力を感じましたか? Azumi まず最初に、(実際の台本ではなく)いとう菜のはさんが書かれたシナリオそのものを読んで、そのときに「絶対にやりたい」と思ったのを覚えていますね。「佐和という役でどうですか?」と話をいただいて、2秒後には「やります!」って返事をしました(笑)。「みんな悩みを持ちながらも、それを隠すわけではなく『抱えながら生きていく』」というストーリーだったので、そこに共感を覚えたんです。私は初めてのお芝居だったので緊張はありましたけど、「これはきっと素晴らしい映画になるんじゃないか」と思えるぐらいシナリオに魅力を感じましたね。 中島トニー 僕はもともと函館に住んでいたこともあって、親戚も函館にいるので、絶対にやりたいという気持ちがありましたね。それにキャラクターが特殊で、その風変わりなひとりひとりが完璧に描かれていて、それぞれの繋がりもあって、そこが面白いと思いました。映画の中で刺激的なことはあまり起きていないけど、なぜか魅力的で、柔らかい空気が流れていて。 函館が舞台の心まる物語/映画『函館珈琲』予告編 ――小さいことの積み重ねが、いつしか大きな物語を生んでいくという雰囲気ですね。 中島トニー そうですね。だから、まったく関係のない4人が「これからどんな風に絡んでいくんだろう?」ということがすごく楽しみでした。 ――ただ、それぞれのキャラクターが立っているだけに、役作りは大変だったんじゃないですか? まず、Azumiさん演じる佐和さんはピンホール写真家で対人恐怖症とあって、表情や佇まいで演技をしなければいけない場面も多かったと思います。 Azumi 私の佐和という役は、みなさんに言われますけど、普段の私とは正反対の性格で(笑)。 中島トニー 真逆だよね(笑)。 Azumi でも、人には二面性があるし、私も創作をするうえではそういう面も持っていたりするんです。ある意味、誰もが自分の中に持っている要素だと思うんですよ。私自身、小学校まではすごく内向的な子だったし、佐和ちゃんの気持ちは私もよくわかるし。今回初めて演技をやらせていただいたので、役作りというほど偉そうなことはできていないと思いますけど、監督とすり合わせながら、彼女が対人恐怖症になった背景を考えていきました。それから、「佐和の癖ってなんだろう?」と考えて、それを沢山書き出していきましたね。 函館が舞台の心まる物語/映画『函館珈琲』予告編 ――ああ、なるほど。その癖の中で、実際に映画に反映されたものはあったのですか? Azumi もしかしたらあったかもしれないです。でも、撮影中はとにかく必死だったので、自分ではあまりよく分かっていないんですよ(笑)。私は映画界ではどこの馬の骨とも分からない人間なので、シンガーとしての私は捨てて現場に入ろうと思ったんです。だから、自分が出ていないシーンでも、勉強をさせてもらおうと思って観させていただいたりして、それがすごく嬉しかったです。あとは、佐和と同じ状況を作ろうと思って、(劇中の佐和と同じように)2階の階段のところで体育座りをして、みんなが撮影している音を聞いていましたね。対人恐怖症の佐和は、ずっとそうやってみんなの音を聞いて生きてきたと思うんですよ。あとは、知り合いのカメラマンさんにお願いして、実際に(写真を現像するための)暗室を見せてもらったりもしましたね。 ――中島さんは、Azumiさんのそういった役作りをどんな風に観ていたんですか? 中島トニー でも僕から見ると、最初は役になりきっているのか、もともとそういう性格の人なのか分からなかったんですよ。「Azumiさんはこの役にピッタリだ」と思っていて。だから、撮影が終わって本当のAzumiさんがどんな性格か知ったときに、「えっ、Azumiさんってこんな人だったの?!」って驚きました。楽屋でも本当のAzumiさんが100%出ているわけではなかったので、クランクアップのときに「本当はこんな感じの人だったんだ?」って(笑)。きっと役に入り込んでいたんでしょうね。 Azumi そういえば、クランクアップの後に羽田空港で友人たちが迎えに来てくれたんですけど、その時に「Azumiの顔じゃない」「えっ、誰?」って言われたのも覚えていますね。ただ、私は初めての映画撮影の現場だったので緊張していましたよ。ずっと震えていました。 中島トニー (笑)。でも、いい緊張感だったよね。映画に必要な緊張感というか。 函館が舞台の心まる物語/映画『函館珈琲』予告編 ――中島さんは、どんな風に役作りしていったんですか? 中島さん演じる相沢幸太郎はテディベア作家で、少し風変わりでクセの強い性格の人物ですね。 中島トニー シナリオの段階では、相沢は東南アジア系の東洋人だったんです。そこから、僕がやることになってドイツ人という設定が加わって。「僕の中のジャーマンの感じをそのまま出していいのかな?」というのが最初に考えたことでした。ただ、今回の相沢はテディベア職人です。普段の僕は性格的に、「エネルギッシュ」「鈍感」という感じがあると思っているし、裁縫もしたことがないし……。だから、最初はむしろ相沢が大嫌いだったんですよ(笑)。 Azumi へええ、そうだったの? 中島トニー 自分と真逆過ぎて(笑)。でも、役作りをしていくなかででテディベア職人の先生に出会って、テディベアの世界に吸い込まれていくうちに、自然と手が器用になったりもして……。 ――役作りの過程でその楽しさが分かってきたんですね。 Azumi (劇中で相沢が大切にしているテディベアとして登場する)タロウも、実際にトニーくんが自分で作ったテディベアだもんね。初めて会った衣装合わせのときにタロウも連れてきていて、しかもそれを自分で作ったと聞いて「えーー?!」と思いました。自分で作ったものだから、その時点で既に離れられないくらいの存在になっていて。それに、今話を聞いていてビックリしたんですけど、足踏みミシンの使い方も完璧だったじゃん。すごいよ。 中島トニー それも、最初はまさか俺に出来るとは思っていなかったというか(笑)。テディベア職人の方に3週間ぐらい来ていただいて色々と教えてもらったんですけど、相沢に彼女のキャラクターが移った部分もあったと思いますね。相沢の変わった動きやオネエっぽいところは、コントロールをしているわけではなかったんですが、それが染みついちゃったところもあるんです。あとで自分の演技を見て「こんなにオネエっぽかったんだ!」って思いましたよ。 函館が舞台の心まる物語/映画『函館珈琲』予告編 ――役作りの中に、そういった要素が自然に反映されていったんですね。 中島トニー そうですね。役を一生懸命作るというよりも、その役がいる環境に入るというか。テディベア職人の方と一緒にご飯を食べて、一緒に時間を過ごして、自分に染み込んだものを出していくという感覚でしたね。 ――和気あいあいとした現場が想像できるので伺いたかったのですが、現場で作品やそれぞれの役について、みなさんで話し合ったりすることも多かったんですか? Azumi ああ、まさにそんな雰囲気だったと思います。現場でひとつひとつのシーンに対して話し合いましたし、自分たちが考えていたよりも濃いシーンになって、「じゃあ次はどうしよう?」と話し合うこともありました。たとえば黄川田さんも、監督さんやスタッフさんとよく話していたし、私たちでも色々と話し合ったり。 中島トニー 何て言うか……やさしい現場でしたね。厳しい雰囲気とはまた違うけれど、クリエイティヴにいいものを作れるような環境だったというか。 Azumi 私は「みんなすごくプロだなぁ」と感じました。すごく映画愛に溢れていたし、最高のものを目指そうという熱がすごくて、そこにみんなで向かっていく感覚は、普段はなかなか味わえないものでしたね。たとえばシンガーとしての私の場合、制作中は基本的にはひとりだし、ライブではもちろんバンドもいるけれど、「私が倒れたら終わり」というところなので、みんなで頂点を目指すというのは本当に素晴らしい体験で。 次ページ:制作中、最も印象に残っていることは?

【インタビュー】カート・ヴァイル初来日直前!ベックからの影響、最新作の背景、個性的な弟の話も!

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カートヴァイル
<朝霧JAM>2日目、10月9日(日)への出演を皮切りに10月11日(火)東京・恵比寿LIQUIDROOM、10月12日(水)梅田Club QUATTROと初来日公演を行うカート・ヴァイル(Kurt Vile)。 昨年リリースされた最新作『b'lieve i'm goin down...』の制作背景、冨田勲からの影響、アリエル・ピンクの“Jell-O”のMVにも出演する弟の話などを語ってくれています。カート・ヴァイルのライブに行く前にインタビューをチェックすると、よりライブを楽しむことができるかも!

Interview:Kurt Vile

music160930_kurtvile_1 ——こんにちは。今日は宜しくお願いします。お元気ですか? 元気だよ。今はロンドンにいるんだけど、昨日の夜ついて、ホテルから一歩も外に出ていないんだ。ずっと映画を見てる(笑) ——そうなんですね(笑)では、時間が押してしまっているので、いきなりですがインタビューを始めさせて下さい。 オーケー。 ——KindnessことAdam Bainbridgeが来日した時に会って話したんですが、彼がフィラデルフィアに留学中に録音したライブ・アルバムに、あなたが演奏で参加していますよね? ちなみにAdamとは「見た目もちょっと似てる」という話になったのですが、当時のことは覚えていますか? アダム? ——そう。Adam Bainbridge。Kindnessです。 俺、知らないな……名前は聞いたことあるけど、個人的には知らない。The War on DrugsのAdamなら一緒にプレイしたことはあるけどね。 ——情報が間違ってるんですかね? それか、あまりに前のことすぎて俺が覚えていないか。名前は聞いたことあるんだよな。でも、情報も少し違うんだと思う。 ——わかりました。では次の質問へ。新作『b'lieve i'm goin down...』ですが、まずはジャケット写真を撮影したのが70年代のウェスト・コースト・ロック作品で有名なHenry Diltzだということに驚きました。どうやって彼に撮影してもらえることになったのでしょう? Neil Youngの作品のジャケットを長年手掛けているGary Burdenっていうアーティストがいるんだけど、彼と出会う機会があって、Garyが昔Henryと一緒に作業していたからHenryと知り合いだったんだ。で、アルバム・カバーの撮影が迫っていた時に、彼が写真を撮ってくれたんだよ。最高だったね。
カートヴァイル
『b'lieve i'm goin down...
——彼がジャケットを撮影した作品で、特に好きなものはありますか? どれかな……ちょっと考えさせて。Crosby, Stills, Nash & Youngとか、(The Doorsの)『Morrison Hotel』のカバーはクールだと思う。あともう一つ、黒人のコメディアンの写真で好きなのがあるんだけど……今起きたばっかりだから、名前が思い出せないな(笑)、頭の動きが鈍いんだ(笑)。 ——アルバムをジョシュア・ツリーにあるスタジオRancho de la Lunaでレコーディングすることになったきっかけは、そこでレコーディングしていたマリのバンドTinariwenのセッションに誘われたからだそうですが、その時の録音が世に出る予定はないんでしょうか? セッションの感想はいかがでしたか? 俺は2、3曲一緒にプレイしたんだけど、そのうち少なくとも一曲は良い音を提供出来たと思う。彼らのニューアルバムがリリースされることになったら、そこに入っていると嬉しいね。彼らとのセッションは楽しかった。話す言語は全然違うし、向こうの人数がすごいから少し怖かったけど(笑)。それもあって、最初、俺はすごくシャイだったんだ。でも次の日までには打ち解けていたよ(笑)。 ——彼らとセッションすることになったきっかけは? 正直、彼らのマネージャーのアイディアだったんだ。彼がずっと俺にオファーをくれてて。だから、バンドのことはあまり知らなかったんだけど、セッションをしながら彼らのことを知っていった。先にジョシュア・ツリーのスタジオに入って1週間くらい一人でレコーディングして、そのあとセッションする前に彼らと2、3日時間を過ごした。まずに時間を一緒に過ごしながら、段々と俺がどんな人間かと俺の実力を知ってもらって証明して、演奏する時までにはお互い友達になってたんだ。 ——彼らから何か学びましたか? もちろん。名前は忘れてしまったけど、メンバーの中の一人がギターの技を教えてくれて、“Wheelhouse”はその後に書いた曲なんだけど、彼らのおかげで、自分のお気に入りの曲を書く事が出来たんだ。 Kurt Vile - "Wheelhouse" (Live at WFUV)
——“Wheelhouse”の歌詞にはTinariwenについて言及している部分があるとのことですが、それはどこですか? 全体だね。彼らにインスパイアされて書いた曲だし、全体的に彼らのことを歌っている。一日何百回もプレイするメンバーがいたから、それについてとかね。 ——前作に続いてWarpaintのStellaとBeachwood SparksのFarmer Daveが参加していますが、特に彼ら2人をもう一度レコーディングに誘ったのは何故ですか? 彼らのことが大好きだからさ。彼らは本当にユニークなミュージシャン達でもあるし、良い友達でもある。彼らの性格って本当に暖かくて個性的なんだ。演奏の仕方も唯一無二だし、参加してもらわない理由がないくらいなんだよ。 ——Rancho de la Lunaでレコーディングされたという“Lost My Head There”にはあなたの実の弟のPaul Vileもコーラスで参加していますが、彼はわざわざカリフォルニアまでついてきたのでしょうか? もちろん。彼は活動家だからね(笑)。あいつ、そういうのが好きなんだよ(笑)。 次ページ:実の弟Paul Vileとは何者か?

【Age Factory×五味岳久(LOSTAGE)座談会】奈良から音楽を発信する4人が最新作『LOVE』を語る!

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Agefactory LOSTAGE 五味
Age FactoryLOSTAGE。世代は違えど、共にオルタナ性を有し、楽曲に独特の緊張感とダイナミズムを擁した3ピース・ロックバンドだ。 加え、同じ奈良在住でもある彼ら。片やLOSTAGEは地元にどっしりと居を構え、常にそこを拠点に発信や発動、また地元の音楽の活性化や音楽がそこに集まる図式を構築。片やAge Factoryは、出自奈良のアイデンティティと自負を以って自身の音楽性を作品やライブを通し全国に流布。2者共にFrom奈良を背負って立つ活動を行っている。 そんな両者であるが、Age Factoryの初となるフルアルバム『LOVE』が、そのLOSTAGEのボーカル&ベースにして楽曲制作の中枢を担う五味岳久のプロデュースにより発表された。 あえて互いの地元奈良にて、LOSTAGEの作品の音作りにも深く関与しているエンジニアも交え制作された同作品は、より歌を中心に、その各表情や側面、力強さや、その反面にある細かいデリケートさがより引き出され、且つ、これまで伺えなかった彼らの新しい引き出しまでもが、惜しみなくあけられたものとなった。 そんなAge Factoryのニューアルバムにまつわる今回の両者の懇話。奈良という土地柄のイメージに、これまでまったくなかったオルタナの手触りとダイナミズムを感じたと同時に、地方に居ながらの音楽発信の今後の在り方や道標にも気づかされたところもあった座談でもあった。

座談会:Age Factory×五味岳久

Agefactory LOSTAGE 五味 ——そもそもAge Factoryにとっての、地元奈良でのLOSTAGEや五味さんの存在とは、どのようなものでしたか? 清水エイスケ(以下、清水) 恐怖の存在でした(笑)。優しいだけでなくキチンと厳しさを持っている方というか。 西口直人(以下、西口) いわゆる畏怖(畏敬)の存在ですね。 増子央人(以下、増子) そうそう。それらも含めリスペクトしている地元が誇る大先輩です。音楽人としても、いち人間としても。 五味岳久(以下、五味) ほんまにリスペクトとかしてくれてるの(笑)? 一緒にいても全然感じたことないなぁ……(笑)。 清水 バリバリしてますよ。ホント近くにいるだけで、常に背筋がピンとなってますから。それこそ僕たちが音楽活動を始めた頃には、既にLOSTAGEは奈良を本拠地に活動をしっかりやっていましたからね。いつかは関わりたい地元の大先輩だと常に思っていました。 ——そんな同じ地元ながら世代の違う両者が交わるキッカケはなんだったんですか? 清水 五味さんが奈良でやってらっしゃるTHROAT RECORDSに自分たちの音源を持っていたのが最初でした。 五味 地元で、ジャンル的にも近く、しかも若いバンドって、そんなに数いるわけじゃないので、それまでも彼らの存在だけは知ってました。その後、清水君が僕の店によく来るようになって。そこで初めて音を聴いて、気になりだしたのが最初かな。ライブより持ってきてもらった音源を聴いたり、話したりした方が先だったよね。 ——で、その後、実際に五味さんもライブを観られたと。 五味 正直、観るまでは多少舐めていたところがありました。音源なんていくらでも作りようがあるし、加工も出来る。で、ライブを観て、「おっ、これはいいな……」、「この歳で、こんな音楽をやるヤツらがいるんだ!?」と感じたんです。ある程度、しっかりと完成されていたところもあったんで、自分がその年齢の時、ここまで出来ていたかを比べちゃいました(笑)。 清水 僕ら的には、出会ってもしばらくは五味さんをライブに誘わなかったんです。今はまだ観てもらえるレベルじゃないだろうって。で、自分たち的に、「これで五味さんに観てもらえる水準になれた!!」と自負できた時点で、お誘いしたんです。それこそ今回のアルバムに入っている曲の幾つかを新曲として演り出した頃ですね。新曲たちにも自信があったし。 Agefactory LOSTAGE 五味 五味 ドラムの増子君も安定して、ちょうどいい状況のライブが観れましたからね。「うわっ、こいつらキチンとしたライブバンドだったんだな!!」と。演奏のスキルも高いし、作品以上に伝わってくるところもあったんで、キャリア的にも10年以上離れているんですが、一緒にやっても遜色ないライブだなって。そこからAge Factoryの企画とかで共演するようにもなったんです。 ——Age Factoryが今回五味さんにプロデュースをお願いした一番のポイントは、どこだったんですか? 清水 元々、何か選択肢があった場合、自分たち以外にも、もう一人ジャッジ出来る方が欲しくて。あと、海外って、わりと好きなアーティストに気軽にプロデュースを依頼してるじゃないですか。それを自分でもやりたかったし。絶対にその方が作品的にも楽曲的にも良くなるだろうとの確信があったんで。昔からLOSTAGEも大好きでしたし。何かその好きなバンドからエッセンスみたいなものを注入してもらえたらなと依頼しました。 五味 で、周りからの反対は無かったの。「えーっ、アイツ?」とか(笑)。 西口・増子 いやいやいやいや、ないですよ! もちろん(笑)。 Agefactory LOSTAGE 五味 清水 勝手に水面下では色々と五味さんにも相談していましたけど、メンバーには、ある時いきなり告げましたから。「今回、五味さんにプロデュースをお願いしたい。」って。 西口 完全なる事後報告でしたから。知らん間に決まっていたんで、「ああそうなんや」って(笑)。 清水 完全なる独断でした(笑)。 五味 逆にそういうのって、「バンドとしてどうなの?」って疑っちゃうよ(笑)。 清水 そう言いますけど、新曲のデモが上がる度にTHROAT RECORDSに持って行って、聴いてもらって、アドバイスや感想をもらっていたんで、もうその段階で、プロデューサーは五味さんしかいないだろうと決めてましたから。 五味 でもそういった地元のアーティストが気軽にTHROAT RECORDSに来て、色々な話をしたり、アドバイスが出来たことで、自分的にも嬉しいところがあって。そういった場になれることや、アーティスト同士の情報交換が出来るスペースになれることも、あの店の理想でしたから。THROAT RECORDSを経て、更に色々な人への出会いや繋がりへと結びついたところも多々あるので、そこでAge Factoryとの交流が生まれてことは、とても嬉しかったですね。 ——五味さんの若手へのプロデュースは、caroline rocks以来ですか? 五味 ですね。だけど、未だにプロデューサーってどんな役割の人なのか、いまいち理解できてなくて。どちらかといったら自分の場合、曲作りから一緒に立ち合って、アーでもない、コーでもないと、話しながら一緒になって考えて作品化していくタイプですからね。 Agefactory LOSTAGE 五味 ——プロデューサーって、いわゆるアーティストの数あるマテリアルを整理して、客観視も交え、より作品として具現化してあげる役割ですから。それはそれでありかなと。 清水 プロセスを整理してキチンと作品に落とし込んでくれた。そういった意味では確実にプロデューサー的な役割をして下さったと思います。自分たちの作りたかった音をキチンと作って下さったし。ホント、理想通りの作品になりましたからね。 五味 いやー、その言葉を聞けて安心した(笑)。 ——聞くところによると、今回はレコーディングもあえて奈良で行われたとか。 清水 ですね。その辺り今回ひとつのこだわりがあって。あと、LOSTAGEをずっと録っているエンジニアのKC(岩谷啓士郎)さんも奈良に在住なので、あえて奈良で録りました。 五味 自分たちもやってもらっているKCのセンスがAge Factoryにも合うんじゃないかと。実際、レコーディング前には、彼にもAge Factoryのライブを観てもらったり、(KCがエンジニアで参加した)僕らのレコーディングをAge Factoryにも観に来てもらったり。 増子 それもあって今回は、KCさんと意思の疎通もムチャクチャしやすかったですね。 Agefactory LOSTAGE 五味 五味 遠くに離れていない分、色々なこともラインやメールじゃなく直接色々と伝えられたしね。 次ページ:プロデューサー五味岳久の狙いとは?

【インタビュー・並河一則】 熊本からライブハウスまで。 並河一則がアートでむすぶ人と人。

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並河一則
インディーズブランド立ち上げ、ファッションブランドからヘッドハンティング、アートデザイナーとして独立、さまざまなブランドとコラボレーション……。並河一則というアートデザイナーを、その“経歴”だけで見ると、どこか近寄りがたい存在のように思えてくる。 ただ一度でも会うことがあれば、その印象はいい意味で裏切られることになるだろう。並河氏はいま、熊本復興支援「むすぶ」に尽力している。2016年4月に熊本、大分で発生した大地震。その被害に遭った一軒のパン屋と、その店を愛する一人のサッカー選手、そして並河一則。 ある女性につながれた3つの異なる才能と意志が、小さいながらも動き始めている。9月末、多忙な並河氏のスケジュールの合間を縫ってインタビューを敢行するため、東京・四谷へ向かった。 並河一則

Interview:並河一則

ありがとう。こうやって自分から動いてみて思ったのは、行動すればいろいろな人とつながっていくということ。本来は誰でもいろいろな人とつながってはいる、だけどそれってしっかり引っ張り合わないと共鳴しないんですよね。それがいまのデジタルの時代の付き合い方の特徴なのかもしれない。 これまでもFacebookを見てくれて、「いろんな活動してるよね」とか「いろいろ飛び回ってるよね」とか言ってくれることは多かった。FacebookとかInstagramとかSNSはたくさんあるけど、それだけでは人と人とはつながれない。Messengerでメッセージを送ったり、一番いいのは会って会話した時に初めて“温度”が生まれる。 実際、電話じゃないと連絡が付かない人とか、現地に行って打ち合わせをしないとダメな人はいて。いまの時代はアナログとデジタルがものすごく両極端に存在しているように感じます。 ――そのあたりの時代の変化は、気づいている人は気づいているようにも思います。「たかがSNS、されどSNS」ではないですが、付き合い方、発信の仕方をわかっているかどうか、人によって顕著に現れているような気がします。 やっぱり……何をもって自分を表現しているのかが明確な人は、SNSで更新する内容とかも、心に響くようにつくられている。自分がやっていることを無作為にUPするのは僕も得意ではないので、できるだけ仕事とプライベートのちょうどいいバランスを取りたいとは思っています。 ただ、いま取り組んでいる「むすぶ」の活動に関してはFacebookを使って告知をしているんですが、それはそれで思った以上の反響はあって。いまの時代はこういう発信の仕方もできるんだなと実感しました。 ――「むすぶ」はどういうキッカケで始まったんですか。 上田まりえさんっていう元アナウンサーで、いまはタレントとして活動している方がいるんですが、たまたま紹介で彼女と知り合って名刺とかグッズをつくるお話をいただき、打ち合わせをしたんです。そこで上田さんが熊本で復興支援の活動をしていることを知りました。 上田さんはある時、同じく復興支援をしているサッカー選手の巻誠一郎さん(熊本県出身、現J2ロアッソ熊本所属)に会って、巻さんからの地元のパン屋の話を聞いたそうなんです。「古木家」さんっていうパン屋なんですが、そこは添加物を入れないでつくるパンで有名で、巻さんはお子さんがアレルギー持ちらしいのですが、そこのお店で初めてパンを食べられるようになったと。 そこから巻さんと古木家さんとの関わりが深くなって、アスリートの体調をケアするコラボパンを開発したんですが、その発売のタイミングで震災があったそうです。 並河一則 ――今年の4月ですね。お店の被害はどれほどだったのでしょうか。 古木家さんは阿蘇大橋の近くの西原村にあるパン屋なんですが、震源地に近かったので店もかなりのダメージを受けました。そんな時にも古木屋さんはなりふり構わず、つくれる材料でつくれるパンをつくって、被災者に配ったそうです。実際に店主の古木さんにお会いした時にそういう話を聞き、その後も会話を重ねていく中で、リニューアルオープンのタイミングでお店の壁に絵を描いて欲しいという依頼をいただきました。 そして復興のシンボルとして、巻さんを描いてほしいと――。僕ができることで何か貢献できるのであればと思い、即決して熊本へ向かいました。実際に巻さんに会って絵のモチーフを決めたんですが、巻さんの熱い想いや不器用でも突き進む姿勢、復興に向けて闘う姿を見て、「侍」の姿が浮かびました。あとあえて派手なダウンを着せることで、世の中の目をわざと自分に向けさせる、という意味も込めています。 並河一則 並河一則 並河一則 次ページ:絵をTシャツとして販売しようと思ったのはなぜか?

【インタビュー】三者三様!tricotが最近刺激を受けたアーティストとは

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Tricot
様々なアーティストや著名人にお気に入りの楽曲をセレクトしてもらうことで、その人の音楽観や楽曲との思い出を紐解くプレイリスト企画。今回は海外での精力的なツアーなどでも鍛え上げた変拍子満載の演奏でライブにも定評がある実力派バンド、tricotの登場です。 16年4月にはオーディションで選んだ4人のドラマーと『KABUKU EP』を完成させたtricot。彼女たちは11月2日(水)に初のライブ映像作品『KABUKU TOUR 2016 FINAL at AKASAKA BLITZ』をリリースします。中嶋イッキュウ(Vo,G)はソロ活動も始動。ますます活躍の舞台を広げる3人に、「最近刺激を受けた楽曲」を3曲ずつ選んでもらいました。

Interview:tricot

tricot
左から:中嶋イッキュウ(Vo, G)、キダモティフォ(G,Cho)、ヒロミ・ヒロヒロ(B,Cho)

中嶋“『KABUKU EP』は初期衝動が戻ってきたような感覚”

——『KABUKU TOUR 2016 FINAL at AKASAKA BLITZ』には、今年リリースした『KABUKU EP』のツアーの様子が収められていますね。このEPではオーディションで選んだ4人のドラマーと制作していますが、これまでとどんな違いを感じましたか? 中嶋 14年にドラマーのkomaki♂が脱退してからサポートを入れて活動してきて、15年の『A N D』は一緒にやりたい憧れの人たちにお願いをしたんですけど、『KABUKU EP』は逆に「tricotでドラムを叩きたい」という思いを持った人たちと作る事が出来ました。それもあって、『A N D』での胸を借りているような気持ちとは間逆でしたね。4人のドラマーに引っ張られて、こっちも演奏がパワフルになって。初期衝動が戻ってきたような感覚でした。そこに、tricotの持ち味であるコーラスワークを生かした、(3人だけで制作したドラムレスの)“Nichijo_Seikatsu”がポンッ! とあったら、EP全体のストーリーも見えると思ったんですよ。 ——その“Nichijo Seikatsu”を、今回のDVDではなんとドラマー5人と一緒に披露していますが、これはどんなアイディアだったんでしょう? 中嶋 ツアーファイナルのセットリストを決める時に(“Nichijo_Seikatsu”の直前に演奏した)“庭”を「5人でやろう」という話になって、その流れだったと思いますね。初めて合わせた時は、とにかく「うるさ!」って感じでした(笑)。でも、美代さん(サポートの山口美代子)が仕切ってくれて、そこにみんなが合わせてくれてまとまっていきました。 ——tricotの場合、ツアーの移動中などに音楽を教え合うことはありますか? ヒロミ たまに誰かがいいと思った曲があったら聴かせてもらうくらいですね。 中嶋 いいと思う確率はそんなに高くないけど、思ったら絶対言いますね。 ——(笑)。学生時代だとどうですか? 中嶋 それこそ、tricotを始めるか始めないかぐらいの時に先輩(キダ)にMASS OF THE FERMENTING DREGSのCDを借りて聴いてましたね。ミドリは一緒にライブに行かせてもらったりもして。 キダ 高校時代は軽音楽部で、基本はコピー・バンドだったんで、どんな曲がやりたいか持ち寄って聴いてました。あとは、先輩がやっているのを見て新しいバンドを知ったり、イーグルスをコピーする機会があったり。当時はアース・ウィンド&ファイアもコピーしてましたね。 ヒロミ 私も軽音楽部で先輩が弾いてるものを「いいなぁ」と思ったりしていて。高校の時はメロコアやパンク、インキュバス、レッチリ辺りを聴いていて、他にもBLINK-182をやってる人がいたりしました。その後、大学に入っ

いよいよプレイリスト公開!

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EVENT INFORMATION

MOROHA Ⅲ RELEASE TOUR

2016.10.26(水) OPEN 18:30/START 19:00 高松TOONICE ADV ¥3,000 2016.10.28(金) OPEN 18:30/START 19:00 松山Double-U Studio ADV ¥3,800

えびすロックフェスティバル vol.2

2016.10.29(土) OPEN 18:30/START 19:00 兵庫・西宮市民会館アミティホール ADV ¥3,800

Exploding!!!

2016.11.03(木) OPEN 13:30/START 14:00 東京ビジュアルアーツ 2号館 B2F メディアホール ADV ¥2,500/DOOR ¥3,000

爆祭-BAKUSAI-vol.11

2016.11.06(日) OPEN 17:00/START 18:00 恵比寿LIQUIDROOM ADV ¥3,000/DOOR ¥3,500

女MATSURI 2016〜札幌vs仙台 仙台編〜

2016.11.13(日) OPEN 18:30/START 19:00 仙台PARK SQUARE ADV ¥3,000/DOOR ¥3,500

女MATSURI 2016〜札幌vs仙台 札幌編〜

2016.12.04(日) OPEN 17:30/START 18:00 札幌 SPIRITUAL LOUNGE ADV ¥3,000/DOOR ¥3,500

術ノ穴presents『ササクレフェス2016』

2016.11.19(土) START 14:00/END 21:00 渋谷WOMB ADV ¥3,500/DOOR ¥4,000

LEGO BIG MORL 10th anniversary tour 「Lovers, Best, Music」

2016.11.30(水) OPEN 18:00/START 18:30 京都磔磔 ADV ¥3,500

LEGO BIG MORL 10th anniversary tour 「Lovers, Best, Music」

2016.12.02(金) OPEN 18:30/START 19:00 神戸太陽と虎 ADV ¥3,500

the lost boys presents INTO IT. OVER IT. JAPAN 2016

2016.12.14(水) START 18:00/START 19:00 名古屋 TIGHT ROPE ADV ¥3,500/DOOR ¥3,500

jizue 10th Anniversary「What’s Your Story」

2016年12月23日(金) START 17:15/START 18:00 大阪 UMEDA AKASO ADV ¥3.800/DOOR ¥4,500 詳細はこちら

RELEASE INFORMATION

KABUKU EP

2016.04.27(水) tricot ¥1,404(tax incl.) BAKURETSU RECORDS [amazonjs asin="B01CKCNEF8" locale="JP" title="KABUKU EP"] 詳細はこちら
オフィシャルサイト

photo by Mayuko Yamaguchi

世界に広がる“シェアリングエコノミー”で渋谷はどう変わる!?観光協会理事長・金山淳吾氏にインタビュー!

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金山淳吾
渋谷駅周辺の大規模な再開発や、スクランブル交差点の大型ビジョンにZeebra氏のメッセージが映し出されて始まった風営法の規制緩和を追い風に、渋谷の街が今、大きく変わりつつあります。そのキーマンのひとりと言えるのが、今年の4月から渋谷区観光協会の理事長に就任した金山淳吾さん。 「PLAY! DIVERSITY SHIBUYA」をスローガンに様々な施策を展開する金山さんが語るのは、ビジターとローカルが垣根を越えることで生まれる新たな観光の可能性。そもそも、渋谷は観光地なのか?という疑問や、「シェアリングエコノミーのセレクトショップ」というアイディア、東京オリンピックでは新たな観光資源として「土管」が登場!?などなど、金山さんならではのユニークな発想と視点でみる、「渋谷の観光におけるシェアリングエコノミーの可能性」や、「シェアサービスが変える未来」についてお話しいただきました。

“人”と“体験”が生む新しい渋谷の遊びかた「PLAY! DIVERSITY SHIBUYA」とは?渋谷区観光協会理事長・金山淳吾さんにインタビュー

金山淳吾 ――金山さんは今年4月の理事長就任後、「PLAY! DIVERSITY SHIBUYA」をスローガンに様々な試みをされています。観光面から見ると、渋谷はどんな特徴のある街だと感じていますか? 4月に渋谷区観光協会に入った際に、僕自身改めて渋谷を知ることから始めたのですが、まずは「そもそも渋谷は観光地なのか?」ということを考えましたね。一般的な観光地は「気持ちのいい温泉がある」「山、川、海の観光資源がある」というイメージですが、渋谷にそれらがあるわけではないですから。でも一方で、渋谷区は新しいカルチャーの発信地です。渋谷駅前や原宿、表参道、代官山とそれぞれに特色があり、人が沢山いて、独自のポップ・カルチャーやファッションが生まれ、カラオケボックスや雑貨屋、クラブ、ライヴハウス、そして深夜まで営業している飲食店も沢山あります。そう考えた時、「渋谷の観光資源は場所や歴史だけでなく、この街にいる人と、人々が作り出す遊び方やトレンドなんじゃないか」と思い当たったんです。そこから「PLAY! DIVERSITY SHIBUYA」(=渋谷の多様性を遊ぼう!)が生まれました。近年では、渋谷や日本発のアイディアが海外に受け入れられることも増えていますよね。たとえばリオオリンピックでもよく見られた、写真を撮る際に手でハートを作ったり、顔を小さく見せたりするようなポーズも、恐らくは日本のティーンエイジャーが生み出した文化です。「100万通りの遊びが生み出せる、今でも多様な遊び方を生み出している街」だからこそ、“体験”“人”に焦点を当てようと思ったんですよ。
金山淳吾
▲「PLAY! DIVERSITY SHIBUYA」の公式ホームページ
――渋谷区観光協会のHPでは、スクランブル交差点の様子がリアルタイム配信されていますね。これも“人”というキーワードに繋がっていそうです。 スクランブル交差点は世界的にも有名な場所ですが、24時間ずっと人が往来していて、そこには渋谷に帰ってきた人と、来た人が混在しています。そこで、その人たちが「何をして帰ってきたんだろう?」「何をしに来たんだろう?」という、“映っている風景の外側にあるもの”までを感じてもらいたいと思って用意しました。これからハロウィンシーズンなどには、面白い景色が見られるかもしれません。4月のイベント用にスタートさせた「PLAY! DIVERSITY SHIBUYA」のスマホアプリでも、通常の検索や参照では得られない情報と、いかに出会えるかを大切にしています。街中にパブリックビーコンを置いて、街に来た人にプッシュ通知で情報が送信される仕組みを使うことで、「○メートル先でお祭りをやっているよ」「○メートル先に新しいクレープ屋さんが出来たよ」という情報に出会えたら、もともとは目指していなかったものにも興味を広げてもらえると思ったんですよ。
金山淳吾
▲9月にリニューアルされたばかりの、渋谷マークシティにある『クリエーションスクエア しぶや』
金山淳吾
▲10分から利用できる時間貸しスペース『coin space』も併設

★「シェア」の視点から見る渋谷区の未来と可能性とは

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【インタビュー】モデル高山都が教えるアウトレットフェス<TOKYO OUTLET WEEK>を楽しみ尽くす5つのポイントとは?

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国内外50以上の有名ブランドが集う国内最大規模のアウトレットイベント<TOKYO OUTLET WEEK 2016 Autumn/Winter(以下、TOKYO OUTLET WEEK)>が、10月28日(金)から10月30日(日)までの3日間にわたって東京・TOC五反田メッセで開催されます! 3万点以上のアイテムが50%から90%のアウトレット価格で購入することができる<TOKYO OUTLET WEEK>。50以上のブランド、3万以上のアイテム! と聞くとその数の膨大さに驚かれるかと思います。でも、「一体どのようなブランドが出店していて、自分の好みにあったブランドはあるのか?」ということは意外とわかりにくいですよね? そこで! 今回は『InRed』や『Hanako』などのファッション誌のモデル、女優としても活躍。最近ではInstagramでの投稿が人気の高山都さんが<TOKYO OUTLET WEEK>参加ブランドを「大人トレンド系」、「ゆる甘いカジュアル系」、「ギャル・お姉・モード系」の3つのカテゴリーにジャンル分け! さらに、狙い目のアイテムから、どんな服装で参加すれば良いかというところまで教えてもらいました!

Interview:高山都

TOKYO OUTLET WEEK 高山都 ——<TOKYO OUTLET WEEK>の魅力は何でしょうか? アウトレットのアイテムは郊外のアウトレットモールまで行かないと買えないことが多いので、近くで買えるチャンスがあるというのは魅力ですね! アウトレットで購入する場合の方が、セールで購入する場合よりもお得なことが多いので、是非行ってみたいイベントです! ——今回、出店しているブランドで特に気になるものを教えてください。 そうですね……。CLANEは、周囲の方が好きと言っているのをよく聞く耳にします。去年から始まった新しいブランドなので、古いアイテムではなくて比較的新しいアイテムがあると思うので期待しています! わたしが展示会によく行くブランドはAMIW、Banner Barrettですね。ADAM ET ROPE'とFRAY I.Dにはよく買い物へ行きます。普段から注目しているブランドのアウトレットアイテムを近くで、手にとって見られるのは嬉しいです!
普段は郊外のアウトレットモールなどに行かなければ購入できないようなアウトレットアイテムを都心で購入できるというが<TOKYO OUTLET WEEK>の魅力の1つですね! 高山さんが気になっているブランドとしてCLANE、AMIW、Banner Barrettなどを挙げていただきましたが、<TOKYO OUTLET WEEK>ではこの他にも50以上の出店ブランド、3万点を超えるアイテムがあります。 そんな多くのアイテムの中から、お気に入りの一着を見つけられるように高山さんに出店ブランドを3つのカテゴリー「大人トレンド系」、「ゆる甘カジュアル系」、「ギャル・お姉・モード系」に分類してもらいました! 次ページ:いよいよ高山都さんが出店ブランドをカテゴリー分け!

【インタビュー】アデル、エイミー・ワインハウスと比較される才能。クインシー・ジョーンズも絶賛する歌姫グレイスの魅力とは?

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クインシー・ジョーンズが、その才能に惚れ込みプロデュースを務め、ラッパーのG-Easyをフィーチャーしたデビューシングル“You Don't Own Me”が世界各国でヒット中! 大ヒットを記録している映画『スーサイド・スクワッド』で楽曲がサントラに収録され、予告編でもフィーチャーされた、今注目の女性シンガー「グレイス」(本名:グレイス・スーウェル)。 10月19日(水)には日本盤デビューアルバム『FMA』がリリースとなり、日本でもグレイスの歌声が響き渡っています。 今回は、ソウルフル&スモーキーな歌声で世界中の音楽ファンを虜にし、メディアからも絶賛! オーストラリア出身の弱冠19歳の新星グレイスの「ここがすごい!」という5つのポイントをご紹介します。 さらに、クインシー・ジョーンズとの制作秘話、自らの音楽のルーツ、日本への印象などを語ってくれた必読のインタビューも掲載! 是非チェックしてみてください!

グレイスの「ここがすごい!」

まずは、弱冠19歳にして世界的なブレイクを果たしたグレイスの「ここがすごい!」というポイントを5つ、ご紹介したいと思います!

1. 超大物プロデューサー、クインシー・ジョーンズがプロデュース!

クインシー・ジョーンズは1950年代から活躍し、世界で最も権威がある音楽賞の1つグラミー賞を数多く受賞している、伝説的な作曲家・プロデューサーです。 「史上最も売れたアルバム」として、ギネス世界記録に認定されているマイケル・ジャクソンの『Thriller』をプロデュースしたことでも知られています。 そんな、伝説的プロデューサーのクインシー・ジョーンズがグレイスの才能に惚れ込みデビューシングル“You Don’t Own Me”のプロデュースを務めました! “You Don’t Own Me”は、クインシー・ジョーンズが「グレイスの歌声にぴったりだ。」と提案したカバー曲。元々は1963年に、当時17歳のレスリー・ゴアが歌い、今回と同じくクインシー・ジョーンズがプロデュースを担当した大ヒット曲です。 公開されているクインシー・ジョーンズのコメント動画では、自身が1963年に手がけた名曲を「完璧に自分のものにしているね。」とグレイスを絶賛しています!

クインシー・ジョーンズが絶賛する19歳新星グレイスが日本デビュー!

2. 世界中のメディアが大絶賛!

世界中のメディアから絶賛されているグレイス。WWDからは「オーストラリアからアデルへの回答」と、最大級の賛辞を送られています。 さらに、Rolling Stoneは「2016年新人ベスト10」に選出し、グレイスの音楽を「もしアデルにオーストラリア出身の妹がいたらという感じのサウンド」と絶賛! その他のメディアも、エイミー・ワインハウス、アデル、同郷のシーアを引き合いに出してグレイスを高く評価しています。
@wwd Twitterより

3. デビューアルバムでいきなり全豪1位、全英4位。15カ国のShazamで1位

今回、日本盤が発売となったデビューアルバム『FMA』は各国の音楽チャートを席巻! オーストラリアで1位、イギリスで4位を獲得しました! そして、音楽を聴かせると曲名を教えてくれるアプリ「Shazam」の検索数チャートでは15カ国で1位を獲得。つまり、カフェや街中で聞こえてきたグレイスの歌声に魅了され、曲名を知るために検索した方が多くいたということです! 最新のライブセッション動画でも、グレイスの力強く伸びやかな歌声を聴くことができます!

Grace - You Don't Own Me (Live from All Saints)

Grace - How to Love Me (Live from All Saints)

4. 映画『スーサイド・スクワッド』サントラに収録! 予告編でもフィーチャー!

映画『スーサイド・スクワッド』の予告編で“You Don’t Own Me”がフィーチャーされ、映画のサウンドトラックにも収録!

映画『スーサイド・スクワッド』日本版予告編3

5. 世界最大級の音楽フェス<グラストンベリー>に出演!

世界最大級の音楽フェス<グラストンベリー・フェスティバル(以下、グラントンベリー)>に早くも出演を果たしたグレイス。 <グラストンベリー>でグレイスのパフォーマンスをステージ脇から観ていたのは、あのナイル・ロジャース! ナイル・ロジャースはマドンナ、デビッド・ボウイ、ミック・ジャガーなどのプロデュースを手掛ける人物です。最近では、ダフト・パンクの2013年発売のアルバム『Random Access Memories』に“Get Lucky”を含む3曲に参加しています。 そんなナイル・ロジャースとグレイスが<グラストンベリー>のステージ上でハグを交わすシーンがグレイスのInstagramに投稿されています!

ナイル・ロジャースとグレイスが<グラストンベリー>で熱いハグ!

@iamgrace Instagramより
世界各国の音楽ファンやメディアから、さらにはクインシー・ジョーンズやナイル・ロジャースといった音楽界の大物に至るまでが絶賛する若き才能グレイス。今後の活躍に注目です! そんな注目の歌姫グレイスが、超大物クインシー・ジョーンズとのレコーディングの様子、「オーストラリアからのアデルへの回答」と賞賛されることへの感想、レトロなソウルミュージックの魅力などを語っているインタビューを是非チェックしてみてください。 次ページ:クインシーとのエピソードから、日本への印象までが語られた必読インタビュー!
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