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【インタビュー】Superendroller濱田真和と熊谷弥香が語る新しい演劇のかたちと最新作『tane&tiny』

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Superendroller
俳優/脚本・演出家の濱田真和をはじめ、いのうえあい(シンガーソングライター)、光根恭平(役者/モデル)、熊谷弥香(役者/モデル)の4人で構成されるSuperendrollerによる舞台『Superendroller LIVE+ing #1「tane&tiny(たね&タイニー)」』が7月29日(金)〜8月2日(火)渋谷ES gallery(elephantSTUDIO)にて上演される。 Superendroller

Superendroller

The SALOVERS古舘佑太郎をはじめ、音楽家の宮内優里、照明作家の渡辺敬之など、さまざまなアーティストを迎えコラボレーションした舞台『blue,blew,bloom』に続く今作は、渋谷elephant STUDIOという、“場所”とコラボレーションをし「LIVE+ing(リビング)」と名づけられた新しい試みで、“リビングの様な小さな空間で、今、わたしたちだから出来る事を。”をテーマに、メンバー4人のみで製作・出演するというミニマムかつ実験的なもの。さらに脚本を書くうえでは、「震災復興に繋がるプロジェクトに関わることで感じたものを通して、これまで扱わなかったテーマに向き合った」と濱田は語る。 Superendroller

『tane&tiny』

今回は、脚本・演出・出演の濱田真和と、今作の主演で、女性ファッション雑誌「mina」の専属モデル、その他多くの誌面を飾り、女優としても映画『S-最後の警官-』やドラマ『花咲舞が黙ってない』など、数多くの映像作品や舞台でヒロインを務め注目を浴びる熊谷弥香の2人に、最新作『tane&tiny』と「LIVE+ing」という新しいアプローチ越しに見えてくるSuperendrollerのこれからのヴィジョンについて聞いた。

Interview:濱田真和、熊谷弥香

Superendroller ——まずは、前作『blue,blew,bloom』の公演終了後から今作『tane&tiny』に着手するまでの経緯を聞かせてもらえますか? 濱田真和(以下、濱田)  『blue,blew,bloom』とその前にやった『sea,she,see』というプロデュース2作品を通して、“おもしろいことができたな”という感触がすごくありました。ただ、これは人の力を借りてできたことだという意識もあって。もちろん、いろんな人を巻き込んで外へ向けて発信していくことは僕がやりたかったことなんですけど、今後もっと大きなものを巻き込んでいきたいと考えたときに、このタイミングで自力・地力を見つめ直す必要があると思ったんです。なので、いろんなアーティストと一緒に作る「LIVE “scene〜”」とは別に、Superendrollerの4人で作品を作る「LIVE+ing(リビング)」というラインを立ち上げることにしました。意味は、「ここにいる」、とか、「リビングの様な小さな空間」とかを掛け合わせたイメージで、弥香が考えました。 Superendroller ——製作に関わる人数の変化は、さまざまな面に影響しそうですね。脚本にとりかかったのは、「LIVE+ing」立ち上げ後ですか? 濱田 立ち上げ後ですけど、イメージ自体はそれ以前からあって。福島・いわきで有機栽培したコットンを商品にする“ふくしまオーガニックコットン”というプロジェクトがあって、5月にも4人で畑仕事を手伝いに行ってきたんですけど、『tane&tiny』はそこでの活動からインスピレーションを受けて書いたんです。オーガニックコットンの種って、繰り返し植えられるんですよ。普通のコットンの種は1回きりしか使えないみたいなんですけどね。それを知ったときに、オーガニックコットンの種と、人の人生とがすごくリンクしているなって。 ——輪廻とも通じるものを感じますね。 濱田 福島で震災の被害にも負けずに立ち上がって自分たちでなにかできないかとコットンの栽培をはじめた人たちがいて、そんな土地で何度も繰り返し芽を出し、実がなり、綿をつくる種がある。まるで、人も種も、“ここにいる”って叫んでいるみたいで。彼らと出会ってから2年近く経つんですけど、自分の中の変化や、つくる作品の変化を、自分自身すごく感じているので、その影響をはじめてストレートに出したのが今作です。 Superendroller ——その変化が一番現れているのは、どういったところでしょう? 濱田 ……口で言うと本当に恥ずかしいんですけど、愛ってことですかね。今まで作品を作るうえで、愛っていうものから逃げてた気がするんですけど。改めて言ってしまうと恥ずかしいし、信じきれない部分もあって。だけど今回、繰り返しの物語を書くにあたって、その根底にある愛を、やっぱりすごく感じたんです。種にしろ人にしろ、愛っていうものが確かにそこにある。対・人っていうものである以上は、すべてに愛があるんだなって。それに加えて、東日本や熊本で震災があって、そこで生きている人たちと出会ったことで、暗い話を書いてる場合じゃないと思ったし、せっかく届けるんだから、希望が見える作品を作りたいっていう思いを込めました。 ——あらすじとしては、どういったものになっていますか? 濱田 ちっぽけな女の子(tiny)の半生を描いた物語です。オーガニックコットンの種(tane)が繰り返し植えられ、芽を出し、綿をつくるように、母親から子供が生まれて、名前がつけられて、その女の子が憧れやコンプレックスの中で、迷子になりながら、成長して、“ここにいる!”、っていう、どんどん繰り返し続いていく物語を、“ふくしまオーガニックコットン”の活動を通して得た自身の体験とリンクさせて描きたいなと。今まで自分を投影した作品ばかりだったんですけど、今回は初めて女性を主役にするっていうこともあって、主演の弥香を主に投影しながら脚本を書きました。 熊谷 いろいろ質問されましたね。私自身の小さい頃の話とか、私のお母さんの話とか。実際、できあがった脚本を読むと自分の実体験がいくつも反映されてたりして。人の人生を演じるってことでいえば、『sea,she,see』でもそういう役どころだったので、今回はそれ以上いけばいいわけで。今回、劇中に一人何役かやるなかでお母さんになる場面があるんですけど、実生活では経験のないことを演じるのもおもしろいですね。 濱田 自分の母親にも出産したときの気持ちとか聞いたりしました。永遠のテーマなんですけど、女性ってほんとわかんないんで(笑)。 Superendroller Superendroller 次ページ:4人それぞれが自立しているからこそ、こういうことができるというか。

【インタビュー】謎のLED覆面ユニット・CTS。彼らが紡ぎ出す“3つの独特の歌詞世界”に迫る

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CTS
未来からやってきた○(ヴォーカル)、△(シンセサイザー)、□(DJ)からなる3人の正式メンバーを中心にして、海外のクラブ・ミュージックとも共振するトラックと、J-POPならではの歌詞を融合させたアンセミックなエレクトロニック・ミュージックを生み出す謎多き集団・CTS。彼らが通算2作目となるアルバム『WAVINESS』を完成させた。 前作リリース以降、テイラー・スウィフトの前座などを経て完成させた今回の作品では、映画『HK/変態仮面 アブノーマルクライシス』の主題歌“WAVINESS”で南波志帆を迎えた他、初音ミクを迎えて黒うさPによる彼女の代表曲のひとつ“千本桜”をカヴァー。生のギターやピアノ、ストリングスなども交えながら新しい可能性を追究している。 中でも焦点を当ててみたいのは、“唯我独尊 ONLY ONE”“全世界NEVER GAME OVER”といった曲名からも窺える、作詞家のAgsai氏を迎えた独特の歌詞の世界観。今回はAgsai氏同席のもと、CTSのユニークな歌詞の世界から、最新作の内容までを語ってもらった。ちなみに、○は作品やステージ以外では声を発することが不能。△、□の2人がヴォコーダー・ヴォイスで回答してくれた。って、すごい……。さすが未来人……! 3人の未来人とAgsai氏が最高のポップ・アンセムを作るために遊び心を発揮していくCTSの歌詞の制作風景とは、一体どんなものなのだろう? 4人に訊いた。

Interview:CTS[○(V)、△(Syn)、□(DJ)]

――CTSというグループは「海外にあるクラブ・ミュージックのアンセムはなぜ日本にないんだろう?」ということから音楽性が定まっていったと思うのですが、クラブ・アンセムには歌がないタイプのものも存在します。そもそも、なぜJ-POP的な歌詞を乗せようと思ったんでしょう?  メンバーみんなが共通して、デジタルなクラブ・ミュージックも好きですし、J-POPも好きだったんです。J-POPとして聴ける、みんなに受け入れられるクラブ・ミュージックがないのはなぜなのか、と考えた時にJ-POPってみんな「歌詞を聴く文化」じゃないですか? 一方、海外のクラブ・ミュージックの歌詞は内容がすごく偏っていて、極端な話、「パーティー」「ドラッグ」「女」という、だいたいこの3つで成り立っているというか(笑)。  (○は音楽作品以外では言葉を発することができないため、無言で頷く) ――確かにそうですね(笑)。  そういうところもあるのかな、と思って。だから、歌のメロディーも含めよりJ-POPに特化したものをやったら面白いし、何より「オンリー・ワンなのかな」と思ったんです。ジャパン・オリジナルのオンリー・ワンなものをやりたい、という気持ちから始まったんですよ。 CTS CTS ――それで現在のような制作体制になっていったということですね。最初にAgsaiさんと作業をはじめたきっかけはどんなものだったんですか?  我々が現代に来まして、「どうしても日本語で歌いたい」と思った事が始まりですね。  J-POPをやるためには、日本語をちゃんとものにしなきゃいけないということで、僕らにとっての国語の先生になってくれる人を探しまして、その中でようやく見つけたんです。 Agsai はい、そうですね(笑)。 ――Agsaiさんとの制作作業は、具体的にはどんな風に進んでいくんでしょう?  Agsai まずは音が先ですね。トラックが出来て、メロディーが出来て、詞はあくまでもその後に書くというのが、ほぼすべての曲で言えることです。  曲と一緒に、まずはテーマや「こんなことを言いたい」というアイディアをみんなで話し合って、それを先生に投げさせていただいて。「こういう言い回しの方がかっこいいんじゃないか」と色々アドバイスをいただいて、さらにそこからより言葉がよく聞こえるように、メロディーやトラックを直していきます。 ――徐々に徐々に、様々な作業の中で詞や曲が出来上がっていくんですね。  ○さんも、最初の案で歌ってみてフィット感のようなものを確かめてから、改めて提案をしたりするので、本当にみんなでブラッシュアップして作り上げていく形ですね。トラックのイメージをもとに仮題としてつけたものがそのままテーマになる時があったり、逆に歌詞がない状態で○さんが歌ったものを参考にする時もあったり。 ――デモ段階では、○さんがなんちゃって英語で歌ったりするそうですね。  そうです。そうやって歌った言葉をもじったり、それを生かしたり、そこから曲のテーマが生まれたりすることもありますもんね?  (無言で頷く) Agsai それが一番、グルーヴ感が出る方法ですしね。○さんの仮歌は、「I just~」とか、そういうものが多いんです。結構絶妙なところで「just」が入ってくるんですよ。だから、それに似た譜割りで日々ストックを増やしていかないと、そのうち「just」切れしてしまうんじゃないかな、と思っていて(笑)。  「きみのjust」とかが多いよね(笑)。  多いね(笑)。 Agsai あとは、もともとトラック自体も哀愁系だったり、爽やかだったりと表情豊かで、言わんとしていることが既に曲に込められている部分があるので、そこから言葉をフィットさせていくというか。言葉のパズルワークと言いますか、楽曲と歌詞の親和性を大事にしつつ、そこで遊ばせたりもしていますね。 次ページ:日本語と英語が混ざり合った独特の言語感覚について

プリンスも賞賛。ソウル&ジャズの新歌姫キャンディス・スプリングスが語る“本当の自分”

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キャンディス・スプリングス
今年惜しまれつつ亡くなったプリンスをして「A voice that could melt snow=雪さえも溶かすほどの(温かい)声」と言わしめた、ナッシュヴィル出身のソウル&ジャズ・シンガー、キャンディス・スプリングス。彼女は幼い頃、父親にもらったノラ・ジョーンズのデビュー作『カム・アウェイ・ウィズ・ミー』を聴いたことをひとつのきっかけに、現在に連なるミュージシャンの道を目指すことを決意。その後『カム・アウェイ・ウィズ・ミー』のリリース元でもあるジャズ界の名門〈ブルーノート〉と契約すると、14年にEP『Kandace Springs』を発表。今回『ソウル・アイズ』で、ついにアルバム・デビューを果たす。 リアーナ、ニッキー・ミナージュ、ミゲルなどの作品を手掛けるポップ&オークを迎えてヒップホップ/モダンR&B的なサウンドを前面に押し出したEP『Kandace Springs』に対して、ジョニ・ミッチェルやハービー・ハンコックとの仕事でグラミー賞も受賞した名プロデューサー、ラリー・クラインを迎えた『ソウル・アイズ』の楽曲は、どれもがよりオーガニックな質感を獲得。そんな作品の雰囲気を反映させるように、アルバムの発売を前に行なわれた関係者向けのコンベンション・ライブでも、ピアノの弾き語りスタイルで、アルバム収録曲からプリンスが彼女を知るきっかけとなったサム・スミスのカヴァー“ステイ・ウィズ・ミー”までを披露。彼女の声そのものの魅力を存分に生かしたライブで参加者を魅了した。 キャンディス・スプリングス キャンディス・スプリングス 今回のアルバムでの方向性には、自身の父親やプリンスからのアドバイス、そしてナッシュヴィルで音楽を始めた頃の記憶にふたたび触れたことで気が付いた、彼女が思う「本当の自分」が反映されている。その制作過程について、今回の日本滞在について、本人に訊いた。 Kandace Springs – Thought It Would Be Easier 次ページ:キャンディス・スプリングスにインタビュー!

ノーベル賞コンサートへも出演!ノルウェーの新星・ハイアズアカイト新作を語る

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ハイアズアカイト
6月に新作『キャンプ・エコ』をリリースした北欧、ノルウェー出身の男女5人組バンド、ハイアズアカイト(Highasakite)。 2014年には、ノルウェー版グラミー賞でポップ・グループ賞を受賞。さらに、作曲を手がけるイングリッド・ヘレネ・ホヴィックは作曲家賞も受賞した。各地のフェスにも引っ張りだこで、ボン・イヴェールのジャスティン・バーノンも絶賛。他のアーティストからも高い評価を得ている。2016年は世界最大規模のフェス<グラストンベリー>にも出演を果たし、来る12月には、過去にポール・マッカートニーなどのビックネームが出演した<ノーベル平和賞コンサート>への出演も決定している。 今回、ハイアズアカイトで作曲を手がけるイングリッド・ヘレネ・ホヴィック(Vo.)にインタビューを行った。世界で起こっている「紛争」がメインテーマの1つとなっている新作『キャンプ・エコ』の製作背景を中心に、アートワークへのこだわりや、日本からの影響や体験についてなど、幅広い話題について語ってくれた。

text by Qetic・Ryosuke Suzuki

Interview:Ingrid Helene Håvik[Highasakite(Vo)]

——新作『キャンプ・エコ』、バンドとしての飛躍を感じさせる傑作だと思います。18ヵ月間におよぶ体験記が元になっている作品だとお聞きしましたが、モノクロであしらわれたアートワークを含め、アルバム全編に通底するコンセプトのようなものがあれば教えてください。 イングリッド・ヘレネ・ホヴィック(以下、イングリッド) このアルバムの大部分は、9.11事件や当時のブッシュ大統領によるイラクについての演説からインスピレーションを受けているの。私たちがいま生きている世界の状況について、特にそういった(イラクなどの)紛争がどう発展していったか、ということがテーマの中心になっている。それだけではなくて、他の色々なこともテーマになっているけれど。 ——3作連続でモノクロのアートワークですが、モノクロにこだわり続ける理由は? イングリッド モノクロなのは単純に趣味の問題で、ただモノクロの写真が好きだからってだけの理由。 ハイアズアカイト

『キャンプ・エコ』ジャケット

——『キャンプ・エコ』というタイトルもそうですが、デビュー作『オール・ザット・フローツ・ウィル・レイン』にはイラクとアフガニスタンから帰還した兵士にインスパイアされた“Whatever That Means”という曲がありましたし、前作にも“Iran”というナンバーがありました。あなたにとって、中近東で起きている紛争や問題は無視できないということなのでしょうか? イングリッド 確かにこれまでの2作品でもこういったテーマを扱っているし、ずっと私自身の心の中を占めている問題でそのことについて考え続けてきている。ただ前のアルバムではそれをどちらかというと人間同士の関係性やそこで生じる摩擦という視点から扱っていたのに対して、このアルバムではその同じテーマを世界の見方という側面から考えているの。だからこういったインスピレーションを中近東だけの問題としてではなく、私たちがいま生きている世界について考察する材料として見ている。中東の他にも色々な事件が起きていて、2011年7月22日にノルウェーで起きた極右主義のノルウェー人によるテロ事件も私にとってより身近な事件として大きな影響があったし、そういった幾つもの出来事が私の心を捉えていて、そういうことについて扱いたいと思った。 ——“God Don t Leave Me”のようにセンチメンタルな曲もありますが、全体的には電子音がより効果的に使われていてすごくダンサブルな印象です(個人的にはRöyksoppを連想させました)。リリックはすべてあなたが手がけていますが、サウンドメイキングはメンバーそれぞれがアイディアを出しながら進めていったのでしょうか? イングリッド 曲は私が自分で書いたあとコンピューターでLogicを使って録音するんだけど、今回はその段階でシンセサイザーをかなり使ったの。私たちのバンドにはシンセのプレイヤーが2人いるし、デモの段階でシンセを使うことで、バンドのメンバーたちにとっても私の目指しているものが伝わりやすくなったと思う。そうやってスケッチ段階の曲を持って行って、バンド全体でアレンジをしていったの。曲によって最初の段階からどんなサウンドにしたいかはっきりしていたものもあったし、逆に私ひとりの時点では自信のないものもあった。後者の場合はメンバーそれぞれが助けてくれてサウンドを作っていったの。 Highasakite - God Don't Leave Me - Behind the Scenes
次ページ:プロデューサー、コーレ・クリストフェル・ヴェルトゥルハイムについて

音楽好き芸人ハライチ、今年はふたりでフジロックへ行こう!?お気に入りのロックTシャツ対決も!

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ハライチ
2016年7月22日(金)、23日(土)、24日(日)の三日間、新潟県 湯沢町 苗場スキー場で今年も開催される国内最大級のロックフェスティバル<FUJI ROCK FESTIVAL '16(フジロック・フェスティバル '16)>。もう間も無く開催と迫ってきておりますが、フェスグッズやTシャツなど準備は万端でしょうか? オフィシャルショップ「岩盤」によるウェブメディア「富士祭電子瓦版」ではハライチのお二方が登場し、お互い自慢のロックTシャツを見せ合いながら<フジロック>について語っています。

text by Qetic・Daiki Hayashi

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<フジロック>を愛する芸人代表として今年は3度にわたりこの富士祭電子瓦版にご登場いただいたハライチ・澤部佑さん。今回はコンビを組む相方の岩井勇気さんに登場いただき、コンビ揃って<フジロック>へ行くのか行かないのか、お互い自慢のロックTシャツを見せ合いながら問答していただきます。 一方、<フジロック>の過酷なアウトドア環境をオフィシャル・スポンサーとしてサポートするアウトドアブランド「コロンビア」が、今年も<フジロック>とのコラボTシャツを発売!悪天候必至ななかで役立つポンチョや高機能Tシャツを武器に、岩井さんを<フジロック>へ連れて行こう作戦、始まります。

Interview:ハライチ

ハライチ ーー今回は、ついに今年の澤部さんシリーズの最終回です(笑)。岩井さんも澤部さん同様に音楽が……。 岩井 好き、ですね。基本的に僕は邦楽ばかりですが。 澤部 僕が聴くのは洋楽メインなので、ふたりで音楽の情報交換をするようなこともなかなかないんですが。岩井はスピッツの大ファンで、僕が『花鳥風月』というアルバムだけは持っていて。 岩井 数あるスピッツのアルバムの中でも『花鳥風月』を持ってるって結構ツウだな、と思ってるんですよ。 澤部 ……って認めてくれるんですね(笑)。なので、ふたりの間の音楽の話題っていうと、もうそこだけで繋がっている感じですね。 ハライチ ーー(笑)。フェスに関しては一緒に行かれることはあるんですか? 澤部 今までには無いんですよね……。去年、岩井が仲良くさせてもらっているthe telephonesが<フジロック>に出るっていうんで、一瞬岩井も「行こうかな」なんて言ってたんですけどね。当日も「来てるんじゃないか?」「もしかしたらこの辺りにいるのでは?」なんて岩井を頭に思い浮かべながら会場を歩いている時間がありましたよ、僕は。 岩井 僕は基本的に“在宅系”なんですよ。在宅で音楽たのしむ派。<フジロック>だったら電気グルーヴさんとかは観てみたいですが。いざちゃんと観ようとなると大体どうしてもワンマンライブに行ってしまいがちで……。 ーー是非、澤部さんから岩井さんを<フジロック>に誘ってみてくださいよ。 澤部 そうだなあ、でも岩井は基本的に外でないもんなあ。大自然っていうのがさあ、いいんだよ!! 岩井 ……(無反応)。僕はね、野球場がもうダメなんです。みんなはっちゃけてて、派手な人がたくさんいるっていう……。そういう野球場みたいな空気感が<フジロック>にはある気がする。 ハライチ 澤部 なんだよ、野球場の空気って(笑)! 岩井 野外だからみんなちょっと気が大きくなってるような、ね。いろんなバンドが一堂に会しているとありません?勝った・負けた、みたいな空気が。 澤部 好きなアーティストのTシャツを着てそこにいる感じもね。だから、球場行く人がテンション上げるためにユニフォーム着ていってるのと同じだよ!ってことですよね。身も心もそのアーティスト・フェスに注いでいるという意味で。 ーー岩井さんはロックTシャツとかフェスTシャツはあまり持っていないですか? 岩井 スピッツのTシャツは着ますが、フェスTはロックインジャパンのものを数枚持っているだけかもしれないです。あ、スピッツ主催フェス(<ロックロックこんにちは!>等)のTシャツはたくさん持ってますけども。 澤部 テレビに出る時の衣装としても本当によくスピッツのTシャツは着てるよね。彼(岩井さん)の着るTシャツといえば、ほぼスピッツですよ? 岩井 僕、Tシャツ自体あんまり私服で持っていないから“Tシャツを着る”ってなるとスピッツになっちゃうんです。 ハライチ 澤部 スピッツさんもお前のことを話してくれてるんだよね? 岩井 そう……。ファンクラブの会報が届いて読んでいたらその中で「ハライチの岩井くんが僕らの曲聴いてくれてるみたいで」と話してもらっていたり。それこそファンクラブのイベントに行ったらMCのなかで“映画版スピッツ”をつくるとなったらキャスティング誰がいいかという話題になって、芸人さんでキャストかためるのもいいよね、なんて話になったら、草野さんが「じゃあ僕ハライチの岩井くんがいいな」とか言ってくれたりして。僕はそのステージからほんの5メートルくらいの場所で普通にファンとして見ているのに! うわーってなりますよね。

★ふたりの思い出のフェスTは?!

インタビュー続きはこちら TALKING ABOUT FUJIROCK:ハライチ

Interview by Asami Shishido text by Emiri Suzuki photo by 横山マサト

【インタビュー】ブラーと比較されるイケメンSSWオスカー、自らのルーツを語る。“音楽自体も完全無欠であるべきじゃない”

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オスカー
デビューアルバム『カット・アンド・ペースト』の日本盤が6月29日に発売となった、西ロンドン出身のシンガーソングライター、オスカー(Oscar)。 親がザ・リージェンツというバンドを結成していたこともあり、幼い頃から音楽に囲まれて育ってきたオスカー。R&B、ヒップホップ、パンク、ダブ、レゲエ、ポップ、クラシック音楽など幅広いジャンルの音楽に影響を受けている。2015年にはザ・クリブス、ブロック・パーティ、ヤー・ヤー・ヤーズなどを輩出した名門レーベル〈Wichita Recordings〉と契約。各地のフェスなどに出演を重ね2016年は世界最大の音楽フェス<グラストンベリー>への出演を果たした。 そんなオスカーが影響を受けてきた音楽、ライブ経験、セントマーチンスでファインアートを専攻していた事、はたまたセルフィーについてなど、ジャンルに捕われない多岐にわたる話題について語ってくれ、彼のルーツを辿れる興味深いインタビューとなった。

text by Qetic・Ryosuke Suzuki

Interview:Oscar

――まず最初にアルバムを通して聴いたときに気づいたのは、使われているビートの多様性でした。これにはミュージシャンのご両親のもとで色々な音楽を聴いて育ったことも影響しているのだろうと思ったのですが。 Oscar(以下、オスカー) うん、僕の父は90年代に色々なダンスミュージックをプロデュースしていたし、姉はR&BやUKガレージ、ドラムンベースなどをよく聴いていて、僕も10代になるとR&Bにはまって、今はヒップホップもすごく好きだよ。僕はビート中心の音楽やサンプリングにとてもインスパイアされているし、僕の脳は落ち着きがなくてあっちこっちへ興味が飛び移るから、ひとつのジャンルに固定することができないんだ。父はアシッド・ハウスやシカゴ系のテック・ハウスをプロデュースしていて、その前には両親とも一緒にパンクやポスト・パンクのバンドをやっていたから、親も同じように色々な音楽に興味が移るタイプなんだよ。 オスカー

『カット・アンド・ペースト』ジャケット

――その後は自分でも色々な音楽への興味を発見していったと思うんですが、ご自身の音楽的な興味としては、先ほども挙げていたR&Bやヒップホップが一番大きな影響を与えていると言えますか? オスカー 僕自身の音楽の趣味はすごく多岐にわたっていて、何でも聴くタイプだったから、これというひとつのジャンルに絞るのは難しいけど、ビートの面で一番大きく影響を与えたのはヒップホップで、あとはクラシック音楽やポップ・チャート音楽も大きいよ。50年代から00年代までの良いポップ・ミュージックが好きで、古典的なソングライティングやメロディーが何よりも好きなんだ。それにレゲエやダブ、ディスコも大好きだから、かなり色々なものがミックスされているね。 ――あなたは西ロンドン育ちで、今でこそロンドンの音楽シーンは東部が中心になっていますが、あなたが育った当時は西ロンドンが音楽やカルチャーの中心だったんですよね。 オスカー うん、西ロンドンはとてもクールだったよ。今ではすっかり開発が進んで高級化しすぎてしまったけど、当時は新しいものが次々と出てきてエキサイティングだった。ロンドンではすごく若いうちから色々なライブやパーティーに行って音楽を聴く機会があって、別に悪いことやルールを破ったりしなくても、色々なライブや演劇など出かけるところが尽きないんだ。10代の頃は全年齢入場可のライブがすごくたくさんあって、グライムやインディー・ディスコが盛り上がっていたし、ザ・リバティーンズなんかが大人気だった。でも僕はあんまりそういうインディー音楽は聴いていなくて、その頃はアリーヤやミッシー・エリオットを聴いていて、ギターミュージックを聴き始めたのはもっと後になってからだった。僕は女性ヴォーカルがとても好きだから、R&Bは定番だったね。 ――女性ヴォーカルといえば、今回のアルバムでも2曲ゲストヴォーカルで女性がフィーチャーされていますね。 オスカー うん、1人はパンクとかパンク・ポップ系のヴォーカリストで、もう1人はフォーク……かな。彼女はとても特別なシンガーで、ひとつのジャンルに留まらないから、フォークと呼ぶのは語弊があるけど。女性ヴォーカルと男性ヴォーカルが合わさったときの響きがとても好きなんだ。曲に男性ヴォーカルにはできない独特の温かみを与えてくれるからさ。 ――それはアルバム中でも効果的に表れていると思います。あなた自身の背景の話に戻ると、元々ずっと音楽だけをやっていたのではなく、音楽活動を始めた当時はセントマーチンスでアートを学んでいたと聞きました。そこではどんなアートを学んでいたんですか? オスカー セントマーチンスではファインアートを専攻していたんだ。だからインスタレーションでも彫刻でも絵画でも写真でも、なんでも自分のやりたいものをやることができた分、同時にそこが難しくもあった。かなりの自律性がないといけないからさ。最初は学校ではあまり上手くいかなかったんだ、僕は何かしらの枠組みを必要としていたから。そしてその枠組みは、学校での制作じゃなくて自分で音楽をやることで生まれていったんだ。だんだん家に帰って音楽を作ることが楽しみになっていって、やがてそれが僕自身の主要なフォーカスになっていった。僕は6歳の頃から音楽を習っていて、それ以降も度々音楽に戻っていたし、学校へ行ってもやっぱりまた音楽に戻ってきたよ。 Oscar - Good Things
次ページ:「ローファイとハイファイの中間地点のものを作りたいって強く思ったんだ。」

【インタビュー】広末涼子が語る「こどもフジロック」。子供たちが教えてくれた自然と音楽の贅沢な時間

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広末涼子
2016年7月22日(金)、23日(土)、24日(日)の三日間、新潟県 湯沢町 苗場スキー場で今年も開催される国内最大級のロックフェスティバル<FUJI ROCK FESTIVAL '16(フジロック・フェスティバル '16)>。 オフィシャルショップ「岩盤」によるウェブメディア「富士祭電子瓦版」では子連れでフジロックに参加するパパ・ママを応援する新企画【こどもフジロック】がスタート! 今回は今回は、長きに渡り女優として活躍し、現在は3児の母である広末涼子さんが登場し、母親ならではの<フジロック>エピソードを語っています。

text by Qetic・Daiki Hayashi

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今年で20回目の開催となる<フジロック>は、中学生以下が無料! 親子で<フジロック>に参加したいと思っているパパ・ママには嬉しいニュースがありました。だけどやっぱり大自然のなかで過ごす3日間、小さい子供を連れて参加って大丈夫かな? と不安をもっているパパ・ママも多いはず。 今年から富士祭電子瓦版では<フジロック>に親子で参加するパパ・ママを応援する企画『こどもフジロック』をローンチ。<フジロック>の魅力を語り尽くすコーナー「TALKING ABOUT FUJIROCK」と連動企画で、インタビューを公開しています。 今回は、長きに渡り女優として活躍し、現在は3児の母である広末涼子さんに登場していただきました。<フジロック>を親子でもっと楽しめるようにと、『こどもフジロック』の企画テーマに賛同いただき、広末さんが体験したママ目線での<フジロック>についてたっぷりと語ってくれています。親子で参加したい皆さま、そしてこれからパパ・ママになる人たちにも必読のインタビューです。今までにない<フジロック>の魅力が見つかるかもしれません。

INTERVIEW:広末涼子

広末涼子 ーー広末さんは<フジロック>にはいつ頃からいらっしゃっているのですか? 私は6年前に行ったのが初めてなんです。ちょうど2010年の夏でしたね。 ーー6年前からだったんですね。それまでは<フジロック>に行く機会というか、なかなか行くことができなかった感じですか? そうですね。ずっと興味はあったんですけど、やっぱり繋がりとか知り合いがいないと、飛び込む勇気がなかったですね。ライブとかコンサートにはよく行ってましたけど、フェス自体には行った事がなくて。仕事柄、人が多い所にはなかなか行けないっていうのがあって…それも参加できないでいた理由でした。それからジュンさん(Candle JUNEさん)と知り合って、初めて行くことができました。その時がちょうど(ジュンさんがプロデュースする)ピラミッド・ガーデンが始まった頃で、居心地の良い拠点もできて。他のステージと比べてあそこは、のんびりとしたイメージなのでその開放感しかり、自分の中でフジロックというイメージが広がった気がしましたね。それこそ去年私は行けなかったんですけど、うちの次男は皆勤賞です! 5歳ですが毎年行っています。今年で6回目ですよ(笑)。 ーーえー、そうなんですね! 息子さんもフジロックが気に入っちゃったんですね。 そうみたいです。音楽と自然と夏休みとが一緒にあるっていうのが本当に最高の自然体験だと思うし、私も長男と初めていったときに、ピラミッド・ガーデンにいる子供たちと沢山お友達になったんです。その子たちの親御さんが色んなエリアでお店を出している方々も多くて、なのでその子たちは小さい頃からフジロックに来ている子たちで。小学校の高学年から中学生の女の子たちとすごく仲良くなって。フリスビーしたり、一緒にドラゴンドラに乗ったりしました。私が初めてだからその子たちが<フジロック>について教えてくれて、色んな場所を回ってくれました。逆に子供たちに勉強させてもらったというか、<フジロック>体験をさせてもらったんです(笑)。 ーー大人のベテラン勢がレクチャーするパターンが通常ですが、子供たちに教わる<フジロック>っていうのはかなりレアなケースですね(笑)。 ベテランの子供たちに連れて行ってもらっているけど、他の親御さんたちから見ると、一応大人が付いていっているので「保護者」という役割にはなっていたんです。<フジロック>初心者の保護者ですけどね(笑)。一年目にそういう機会があってほんとに満喫させてもらったんです。 ーー初めの年から、ドラゴンドラに乗ってデイ・ドリーミングまで行くってすごいですね。では広末さんの中で行く前と行った後の<フジロック>のイメージは大きく変わりました? かなり変わりました! デイ・ドリーミングまで登ってそこでシャボン玉したり。すごく穏やかな時間でした。やっぱり最初は、<フジロック>もレッド・マーキーとかのギュウギュウで飛び跳ねる“ライブ”っていうイメージだけだったので。でも、ピラミッド・ガーデンのように開放感がある場所から“ライブ”のエリアに行くとまたそのバランスがとっても心地よくて。 ーー自然があって音楽を思いきり楽しめる空間もあるのがまさにフジロックの醍醐味ではありますよね。 そう思いましたね。天候も結構変わりやすいからステージ前が泥だらけだったりとか。飛び跳ねて長靴がぐっちゃぐちゃだったりするのも、それだけを体験するって考えるとしんどいことだと思うんです。だけどそれだけじゃない、色んなバランスで体験できる対比っていうのもある。そういう気持ちの余裕があると泥だらけになろうが何だろうが、自然を受け入れられちゃうし、みんなとお友達になれちゃう感じがして、そういうのをすごく楽しませてもらいました。 広末涼子

★子供たちから“名言”誕生?!

インタビュー続きはこちら TALKING ABOUT FUJIROCK:広末涼子

Text & Interviewed by Asami Shishido Photo by ヨコヤママサト Supported by 「こどもフジロック」ドラミ

【インタビュー】テーマは“08年の夏の思い出”?! メトロノミーのジョセフが新作を語る

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メトロノミー
06年の『ピップ・ペイン(ペイ・ザ・5000ポンド・ユー・オウ)』でデビューすると、音楽シーンを席巻したインディ×エレクトロのクロスオーヴァ―勢の活躍に連なりながらも、同時にクラブに馴染めない男の一夜を描いた08年の2作目『ナイツ・アウト』で一躍人気を獲得したUKの4人組、メトロノミー。彼らの最大の魅力は、エレクトロニック・ミュージックの常識からするっとはみ出していくような、もしくはクスッと笑いを誘うような、その独特のユーモア感覚にある。4人はその後も作品ごとに様々なテーマに挑戦。イギリス南東部の海岸地帯を70年代のアメリカ西海岸に見立てて空想を広げた11年の『イングリッシュ・リヴィエラ』を経て、往年のサイケ・ポップに連なる雰囲気でオーソドックスな歌の魅力を追究した14年の『ラヴ・レターズ』では、ついに全英チャートのトップ10を記録した。 最新作『Summer 08/サマー・オー・エイト』は、そんな彼らが完成させた不思議なサマー・レコード。ここではゲストとしてビースティ・ボーイズの専属DJとしても名をはせたミックスマスター・マイクや、北欧スウェーデンのポップ・スター、ロビンを招集。珍しく全編に夏の息吹を詰め込みつつも、同時にどこかメランコリックな質感も感じさせる、いかにも彼ららしいひねくれた夏のポップ・チューンを手に入れている。 メトロノミー

『Summer 08/サマー・オー・エイト』

果たして、愛すべきひねくれものたちはこの作品にどんな真意を込めたのだろう? 中心人物のジョセフ・マウントがメール・インタビューで応えてくれたところによると、どうやら今回の肝は「“メタ・ノスタルジー”の要素を加えた 08年の夏」。いやはや、メトロノミーらしいというか何というか。一筋縄ではいかない、彼ら流の夏の風景をお楽しみあれ!

Interview:Joseph Mount(Metronomy)

――前作『ラヴ・レターズ』はサイケデリックでメランコリックな楽曲が多い作品でしたね。今振り返ると、あのアルバムはあなたたちにとってどんな作品だったと思っていますか? Metronomy - Love Letters

*14年作『ラヴ・レターズ』に収録。

今でも素晴らしいと思っているよ。僕にはこれまでリリースした作品それぞれに対して細かい「繋がり」がある。それぞれ、僕の人生の中の明確なひとときを描いているものだからね。だから過去のアルバムを聴きはじめると、当時関わりのあった場所や時間へと連れ戻されるんだ。『ラヴ・レターズ』を聴くと、父親になり、初めて家族のために休日を取ったりしたことを思い出すよ。それぞれの曲から思い出す記憶は全て僕にとって特別なものだから、レコード自体も少し並外れて聴こえるんだよね。 ―― 一方、最新作『サマー・オー・エイト』はあなたたちにとってのサマー・アルバムになっています。この変化には何かきっかけがあったんですか? Metronomy - Old Skool
Metronomy - Back Together
実はとても簡単なことなんだよ。僕はある種類のレコードを作成した瞬間に、次はまったく異なったジャンルのレコードを作りたいと思いはじめちゃうんだよね。前作『ラヴ・レターズ』は制作に苦戦したレコードだったからこそ、それぞれの音にその思いが表われていたと思う。でも今回は全く反対のものにしたいという思いを抱いていた。だからこそ、今回は作るのが簡単だったし、なごやかな音に仕上がったのかもしれないよ。 ――そもそもあなたたちの夏のイメージは? 地名でも食べ物でも、音楽で映画でも文学でも何でもいいので、あなたたちが夏を感じるものを教えてください。 僕にとっての夏は…… 1:木々に生い茂る緑の葉っぱ 2:海 3:暖かく、長く過ぎる夕方 4:ロゼ(ワイン) 5:スティーヴィー・ワンダー だね。 ――では、今回のアルバムの中で特に印象に残っている楽曲を3つ挙げるなら? まずは“Hang Me out to Dry(With Robyn)”。この曲は、11年のアルバム『イングリッシュ・リヴィエラ』の制作中に作業を開始した曲のひとつなんだ。当時の曲調は今とは全く違っていたよ。もっとテンポも早かったし、曲にまとまりがなくて、曲の中の感情的な面も全然違ってた。でもロビンの手助けによって、より良い曲に仕上がったんだ。次は“Summer Jam”。この曲ではオスカーがヴォーカルを担当しているんだ。ずっと前から、彼にメトロのミーの曲で歌ってほしいと思っていたんだよ。つまり、僕の夢がかなった1曲だね。最後の“Night Owl”は、『ナイツ・アウト』を制作する前から作りはじめていたんだけど、これも当時は全く違う姿だったんだ。長年の付き合いの中で、ようやくあるべき姿へと進化したと思っているよ。 Metronomy - Hang Me Out to Dry (With Robyn)
Metronomy - Night Owl
次ページ:ジャスティン・ビーバーの“Sorry”は何ヵ月も頭の中から離れなかった

【インタビュー】fox capture planのルーツとなった楽曲プレイリスト

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foxcaptureplan
ジャズをベースとしつつも、そのジャンルレスかつ洗練されたサウンドで、幅広い層の音楽リスナーから支持を得ているインストゥルメンタルバンド、fox capture plan。バンドにとって初のヴォーカル曲を含む最新作『透明色のクルージング』をリリースし、更に、<フジロック・フェスティバル(以下、フジロック)>や<東京JAZZ>などの大規模な音楽フェスへの出演も決定するなど、益々、その注目度と存在感を増しています。 今回は、岸本亮(Piano)、カワイヒデヒロ(Ba)、井上司(Dr)のお三方に、自身の、そしてバンドのルーツとなった楽曲をそれぞれ3曲ずつ選び、全9曲のプレイリストを作っていただきました。メンバーそれぞれの個性があらわれた“ルーツ”についてエピソードを聞きつつ、最新作について、そして、夏から始まるイベントラッシュについてなど、様々なお話を聞いてみました。

Interview:fox capture plan

井上“結果的に良いものができるのかが大事”

——最新作『透明色のクルージング』には、元riddim saunterのKeishi Tanakaさんが参加されています。この曲が生まれた経緯を教えていただけますか? 岸本 もう、一年以上前の話になるのですが、Keishiさんの“傘を持たない君と音楽を”という曲を、fox capture planでリミックスしたんです。僕自身も凄くriddim saunterが好きで、Keishiさんがソロで活動しているのも知っていたので、リミックスの話をいただいた時は、「やります!」って二つ返事でやらせていただきました。去年の夏頃にはライブでの共演もありまして、そこで、僕達がアレンジしたバージョンを彼が歌ったりして、そこから同年代なので一緒にやりましょう、アルバムを作りましょうと進んでいったんです。 ——メンバー以外のクリエイターが参加したことで、バンドにとって何か化学反応はありましたか? 岸本 そうですね。曲を作った人間が違うというのは、結構、新しい試みではありましたね。今回は、曲作りをKeishiさん発進で行ったので、fox capture planらしさも勿論、出ていると思うんですけど、何か楽曲として新たな一面を引き出してもらったなぁ、という気はしますね。 ——今回いただいたプレイリストを見ていてもそうですが、ジャズやロックといったジャンルにこだわらない、凄くボーダレスな音楽活動をされていますよね。 井上 カテゴライズというものがあまり好きじゃないんです。何でも聴きますし。僕は、元々、活動もロック畑の人間だったので、fox capture planでも所謂「ジャズバンド」のスタイルとは全然違っているんです。例えば、打点が強かったりとか。だから、ジャンルとかは……結果的に良いものができるのかが大事というぐらいにしか意識していないですね。 カワイ 僕も、ジャンルはあまり意識しないで、メロディとかが良ければいいいかな、と思っています。 ——洋楽の名曲を中心に、カヴァー曲も多く手掛けられていますね。それらをコンパイルした『COVERMIND』というアルバムもリリースされています。よろしければ、オススメのカヴァー曲を教えていただけますか? 岸本 最初に順々に出していったんですよね。デビューミニからファースト、セカンドといった具合に。最初のミニアルバムでビョークをやって、ファーストアルバムでオアシスの曲を選んで、セカンドアルバムにはマッシヴ・アタックが入って、サードアルバムではレディオヘッドをカヴァーしました。その最初の4つはお店の方のショップやメディアのリアクションも凄く良かったんですよ。インストゥルメンタルでも楽曲としての成立感が凄いし、メロディが強い曲です。 井上 絶対にインストのバンドでカヴァーする人なんていないだろうと思われるトゥールの“Stinkfist”をオススメしたいですね。自分はトゥールが大好きで、その中から選んだ曲なので。 岸本 他にも、企画盤でのディズニーのカヴァーや、ジャズのスタンダード曲でもある“Adam's Apple”(ミニアルバム『UNDERGROUND』収録)とか。カヴァーも割合的に多い方なんですが、それも自分たちの曲だけではなく、そうじゃない曲もやって、バンドとしての広がりも出るかな、と思ってやっています。それも自分たちの書くオリジナル曲に、オリジナリティーがあるというか自信があるからこそ、そういった遊び心を持ってやってきた感じですね。 ——今後、カヴァーしていきたい楽曲はありますか? 岸本 今、ちょっと考えているのは、ゼロ年代の名曲を色々とやってみたいということですね。 井上 2000年代だとエモ系が盛り上がっていたので、メロディが光る曲もあって、そういうのもおもしろそうですよね。ジミー・イート・ワールドとか。もう、誰が聞いても即、歌えるぐらいの唄メロなので。 カワイ 僕は、あまりカヴァー曲の案は出してないんですよ。どっちかというと、2人が洋楽の選曲をしていて。でも、音源化されてないカヴァーだとゲーム音楽とかですかね。ファイナルファンタジーの“ビッグブリッヂの死闘”なんかは、大阪のライブで演奏したら好評で、「音源化しないの?」なんて声もいただきました。 次ページ:プレイリスト発表!

【インタビュー】Suchmos、ホワイト・ステージに出演する彼らが語る“フジロック”への思い

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Suchmos
2016年7月22日(金)、23日(土)、24日(日)の三日間、新潟県 湯沢町 苗場スキー場で今年も開催される国内最大級のロックフェスティバル<FUJI ROCK FESTIVAL '16(フジロック・フェスティバル '16)>。 オフィシャルショップ「岩盤」によるウェブメディア「富士祭電子瓦版」! 今回は、14年に新人アーティストの登竜門ルーキー・ア・ゴーゴーに出演し、今年異例とも言えるホワイト・ステージへの出演が決定している話題の6人組バンド、Suchmosが登場です!

text by Qetic・Daiki Hayashi

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様々なアーティストや著名人の方に、<フジロック>の魅力を語ってもらう「TALKING ABOUT FUJIROCK」。今回は古き良きロックやソウル、ヒップホップ、ジャズへの愛情を今にアップデートした音楽性で話題の6人組バンド、Suchmosの登場です。彼らは音源のリリースすらなかった14年に新人アーティストの登竜門ルーキー・ア・ゴーゴーに出演すると、その後15年のデビュー・アルバム『THE BAY』や精力的なライブ活動などを通して瞬く間に人気を獲得。2度目の出演となる今年の<フジロック>では、国内の新人バンドとしては異例とも言えるホワイト・ステージへの出演が決定しています。 今回は14年の出演時からのオリジナル・メンバー、YONCE(Vo)、HSU(B)、OK(Dr)の3人に集まってもらい、<フジロック>初出演時の思い出や7月6日(水)発売の最新EP『MINT CONDITION』のこと、そして今年の<フジロック>にかける思いについて語ってもらいました。

INTERVIEW:Suchmos [YONCE(Vo)、HSU(Ba)、OK(Dr)]

Suchmos ーーSuchmosは14年のルーキー・ア・ゴーゴーで<フジロック>に初出演しましたが、あの時は夜中にも関わらず多くの人が観にきていましたね。 OK 俺らは夜中の3時頃の出演で、メインのヘッドライナーも終わっているし、始まる前は「どうなるんだろう?」と思っていたんですよ。でも気づいたら人がすごく来てくれているし、近くでプロレスもやっているしで(笑)。それに、自分たちの本番までの間に<フジロック>のことが大好きになってしまったんですよ。だから会場ではひたすら楽しんでいました。すごいことが沢山起きているフェスで自分たちもステージに立てることが純粋に嬉しかったですね。 ーーライブをやってみての感想はどうでしたか? YONCE お客さんの参加の仕方がすごかったし、外国人の方も多くて、その人たちのノリもすごくよかったんで、単純に気持ちよかったです。 ーー当時はまだ、Suchmosが結成されて1年ちょっとというタイミングでしたね。 OK そうですね。本当に「えっ、出れんの!?」という感じで。Suchmosにとって、フェス出演自体も初めての経験だったんですよ。 YONCE 他のルーキー・ア・ゴーゴーの出演者には知ってるバンドも多くいましたけど、みんな既に事務所が決まったりして流通音源を持ってきている状況の中で、俺らはほんとに何も始まってなかったので。音源もないし、ステッカーを持っていったのを覚えてますね。 ーー(笑)。みなさんが<フジロック>の存在を意識したのはいつのことでしたか? HSU 俺はその時が最初でした。Suchmosは2日目の出演でしたけど、俺とキーボードのTAIHEI以外は1日目から会場にいたんですよ。それで苗場からアホみたいな写真が沢山送られてきて、「こいつらテンションおかしいぞ」と(笑)。「めちゃくちゃ楽しいから早く来なよ!」ということだったんですけど、俺はフェス・デビューがその<フジロック>だったんで「はいはい」という感じで、現地に着くまでは楽しさがよく分かってなかったんです。でも会場に着いて、入場ゲートをくぐった瞬間に、グリーン・ステージの音が聞こえてきて。それですぐ「え? これやばくない?!!!」という感じになって。 YONCE&OK はははは! YONCE 自分の場合は、<フジロック>は好きなバンドの映像は観たことがあって、すごく壮大で「<グラストンベリー>みたいなフェスだな」というイメージはありましたね。でも、自分たちがそこに出られるということは想像すら出来なかったです。都市型フェスには友達とよく行っていたんですけど、その時も「<フジロック>のような会場のフェスはどんな感じなんだろう?」と思っていて。HSUが来る一日前に会場に着いた時は、まるで『ドンキーコング』のゲームの中を歩いているような雰囲気でした。 HSU やっぱり、実際に行ってみないと分からないですよね。周りのミュージック・ラヴァーの「<フジロック>はいいよ」という話は聞いていたけど、行ってみて初めてその魅力を体感したというか。 YONCE ディズニーランドに入ったら、スイッチが入るじゃないですか。それと一緒で、会場に入ったら「これは相当楽しいぞ!」と。 ーー他のアーティストのライブも観ましたか? 当時、「ベースメント・ジャックスのステージを観た」という話はしていましたね。 OK ベースメント・ジャックス、俺は観ました! HSU (14年の出演ラインナップを見ながら)えっ、デーモン・アルバーンも来てたのかよ! 観れなかった……。 YONCE 僕はフランツ・フェルディナンドのステージを覚えていますね。とりあえず「ギターの位置、高っ!」って(笑)。好きな曲もやってくれたんで最高でした。 OK あと、俺はやっぱりアウスゲイルかな。アウトキャストもね。 HSU アウトキャストはやばかったよね。VJがめちゃくちゃエロかった(笑)。生バンドだったよね。あと、俺は試しにホワイトのスピーカー前まで行ってみたんですよ。そうしたら音圧がすごいことになってて。<フジロック>って出せるデシベルに制限がないらしいですし、爆音なんで、遠くで聴いていても気持ちいいですよね。 OK 確かに、音はバカでかかったよね。しかもめちゃくちゃよかった。 Suchmos

★メンバーが印象に残っているライブとは?!

インタビュー続きはこちら TALKING ABOUT FUJIROCK:Suchmos

text&interview by Jin Sugiyama photo by 横山マサト 取材協力:DJ BAR Bridge

【インタビュー】ceroとVIDEOTAPEMUSIC流、フジロックへのドライビングBGMとは?

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cero × VIDEOTAPEMUSIC
ついに明日!(前夜祭は本日)開催される20回目の<FUJI ROCK FESTIVAL '16(フジロック・フェスティバル '16)>。 オフィシャルショップ「岩盤」によるウェブメディア「富士祭電子瓦版」では、<フジロック>の最終日7月24日(日)23時からレッドマーキーに登場するceroとVIDEOTAPEMUSICが登場! <フジロック>までのドライビングミュージックや、<フジロック>への意気込みを語っています。

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都会の夜を想起させるアーバンソウルでシティポップなセンスと、出自でもあるサバービアな環境が育んだ情景色豊かな歌世界の、そのどちらをも行き交わせる音楽性が魅力のcero。モンドでダビー、それでいてラウンジな音楽性を用い、その投影される映像と共に、各曲毎に「ここではないどこか」へと空間ごと誘ってくれる、VIDEOTAPEMUSIC……。 かねてからの旧友であり、お互いの作品に深く関与してきた、この2組の共演は今年の<フジロック>でのトピックの一つでもある。最終日のレッド・マーキーでの「SUNDAY SESSION」で共演する、この2組。各々の音楽性そのものや音と映像との融合はもとより、そこから派生していくであろう脳内ビジョンも交えた、その体感性溢れるエクスペリエンスにも期待大だ。 VIDEOTAPEMUSICがディレクションを手がけたceroのMV“Summer Soul”内でも、車を飛ばし、郊外から夜のアーバンな都市に向かうシーンやストーリーが、彼らの音楽性やそこから派生するビジョンと相まっており、興味深いものがあった。実際、VIDEOTAPEMUSICは、MVのネタ拾いやロケハン、はたまた完成した楽曲をまずはプレイバックする場として。また、cero側も、車窓からの風景や車内で流れる音楽からの楽曲制作へのインスパイアやインスピレーションを受ける等、車は彼らのクリエイティヴィティに一役買っているようだ。 そんな彼らに高性能オーディオ・BeatsAudio™を搭載した『Jeep® Renegade LONGITUDE(レネゲード ロンジチュード)』を用意。実際に触れてもらい、ceroとVIDEOTAPEMUSICと車やカーリスニング、そして<フジロック>での共演について、あれやこれやを訊いた。

INTERVIEW:cero × VIDEOTAPEMUSIC

cero × VIDEOTAPEMUSIC ーー先程、『Jeep® Renegade』に触れていただきましたが、いかがでした? 荒内佑(以下、荒内) 実際に運転させてもらいたかったなぁ……。 髙城晶平(以下、髙城) Jeep®にも、だいぶコンパクトなものがあるんですね。Jeep®と言えば、ゴツくてカーキー色みたいなイメージがあったんですが。 荒内 まさに都市型のJeep®を感じたよね、レネゲードには。 ーー搭載されているBeatsAudio™も体験されていましたが。 髙城 いやー、いい音でした。全くストレスなくスムーズで。気持ち良かったです。 VIDEOTAPEMUSIC (以下、VTM) 後の席でも、かなりいい音で快適でしたよ。 荒内 イコライザーも万全だったので、走るシチュエーションで、かなり音も変えられるんでしょうね。 ーー先ほどは、髙城さんのiPodの中の音楽を流していましたね。 髙城 SUBLIMINAL CALM(1990年代初頭に活動していた、いとうせいこう&藤原ヒロシによるユニット。ダブを基調にした音楽性)をかけていました。このオーディオシステムで聴いてみたくて。とても良い音でしたね。 橋本翼(以下、橋本)  ミドルやローといった重低音もしっかりと出ていて。心地良かったよね。 髙城 車を走らせていると、通常はどうしても弱くなっちゃう音域もあるんですけど、しっかりその辺りを補正してくれているようだったので、頼もしかったです。走行環境や楽曲によって、色々と調整出来るのもいいですね。たぶん助手席の人が担当になるんでしょうけど(笑)。 cero × VIDEOTAPEMUSIC

▲『Jeep® Renegade LONGITUDE』のみに搭載されている、BeatsAudio™プレミアムサウンドシステムスピーカー。全部で9基のスピーカーが搭載。

cero × VIDEOTAPEMUSIC cero × VIDEOTAPEMUSIC

★<フジロック>へ向かう車内の音楽は?

続きはこちら SPECIAL:cero × VIDEOTAPEMUSIC

text&interview by 池田スカオ和宏 photo by Nozomu Toyoshima 取材協力:LONGBOARD CAFE

【インタビュー】LUCKY TAPESのルーツとなった楽曲プレイリスト

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luckytapes
今回は、近年大きな盛り上がりを見せているインディ・ポップシーンの中でも最注目株のLUCKY TAPESが登場です。 7月6日(水)にリリースされたセカンド・アルバム『Cigarette&Alcohol』は、彼らを取り巻く“シティ・ポップ”“渋谷系”などの狭小的な形容では収まらないほどのスケール感と、多種多様な音楽からのインスピレーションを綿密に織り込んだ良質なポップスが詰め込まれた作品となっています。また、<フジロック・フェスティバル(以下、フジロック)>をはじめ多数のフェスへの出演も決定。大多数のオーディエンスへ向けたパフォーマンスからの学びは、最新アルバムへも反映されているそうです。 今回は、高橋 海(Vo,Key)、高橋健介(Gt)、田口恵人(Ba)の3名に、それぞれ3曲ずつ「自分のルーツ」といえる曲を挙げてもらい、自身やバンドのバックグラウンド、最新作にもつながるポイントを語ってもらいました。

Interview:LUCKY TAPES

luckytapes ——最新作『Cigarette&Alcohol』は、ひとことで言うと前作よりストレートにポップスの普遍性を感じさせる1枚に仕上がっていますね。  前作を作っているときは海外インディーズをよく聴いていたこともあって、「ちょっとひねくれてるほうがカッコいい」っていう気持ちがあったんですけど、ここ数ヶ月で王道と呼ばれる音楽の中にあるアレンジのカッコ良さを再発見したんです。メンバーそれぞれのルーツを反映させれば、しっかりと深みのあるポップスになると確信したので、今作は思い切ってポップスに振り切りました。 ——楽曲のスケールも増し、よりカラフルかつグルーブも骨太になった印象です。 健介 ギターでサウンドのバリエーションを出すことを意識したんですけど、そこがスケールの大きさに繋がっていればうれしいです。「もっと変態なのない?」って言われながらやっているうちにエフェクターが5個くらい増えました(笑)。 田口 ベース・ラインは、90年代に流行ったジャパニーズ・ポップスを参考にしつつ、自分のルーツであるブラック・ミュージックの要素を殺さずにアプローチするにはどうしたらいいかなって考えながら作りました。 ——さらに今回、アレンジに美濃隆章氏(toe)、サポートは、ドラムにmabanua氏、ストリングス・アレンジに徳澤青弦氏、そしてトランペットには類家心平氏など、玄人好みの方々が脇を固めていますね。  アルバムを作るにあたり僕らにとって理想の音が、今回アレンジをお願いした美濃さんが携わったChara×韻シストの“I don’t know”っていう曲だったんです。デモを録った段階で手応えは感じていたので、これはいっそご本人にお願いしてみようってことで聴いてもらったら気に入ってくださって。サポート陣は、美濃さんが「この人合うかも」っていう感じで紹介してくださいました。思いっきりポップなことができたのは、サポート陣あってのものだなと思いますね。 ——インディ・ポップがムーブメントとなっている今、LUCKY TAPESはその筆頭ともとれるポジションにいますが、フェス出演本数にもそれがあらわれているのではないでしょうか?  いや、まだまだもっと出たいです! 毎週フェスがいい(笑)。 健介 うん、毎週フェスがいい(笑)。やっぱり楽しいですよね、解放感があって。お客さんからもそれが伝わってくるし。野外フェスのほうがみんな踊ってくれるような気がしますね。  音作りも、フェスみたいに大きな空間で聴かせることを意識したところはありますね。お客さんから「野外でもっと聴きたい」っていう声をいただいたので。そこに応えることに抵抗がなくなりました。 ——数々のフェスへの出演が決定していますが、<フジロック>ではレッド・マーキー初日1発目という大役。それぞれ、意気込みを教えてください。 田口 あまり気を負わず、ベストアクトを取るつもりで。最近ライブで緊張することもなくなってきたんですけど、いい意味で緊張感を持って挑みたいですね。  うん、初日1発目からベストアクトを取るつもりで挑みたいです。なんなら「LUCKY TAPES観たから、もう満足!」くらいのものにしたいです。 健介 お、いいっすね(笑)。数あるステージのなかでLUCKY TAPESのステージを観てくれた人が一番いいスタートを切れるようなステージにしたいですね。 次ページ: LUCKY TAPESがプレイリストを解説!

【インタビュー】A.R.ラフマーンも参加!サッカー界の神、ペレが自身のレジェンドを描いたストーリーを語る

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ペレ 伝説の誕生
「サッカー界で神といえるプレーヤーは?」とたずねられると、恐らくほとんどの人が「ペレ!」と答えるのではないでしょうか? 国際オリンピック委員会から“20世紀最高のアスリート”と評され、引退から40年を経過した今なお、その輝かしい記録の数々は色褪せず、伝説としてその座に君臨し続ける、逆にそれは、今なお彼に並ぶものがいないということを示しています。そんな彼の、伝説を作り上げるまでの軌跡を描いた映画『ペレ 伝説の誕生』が、日本公開されました。この作品は、スラム育ちの少年だった彼がFIFAワールドカップのブラジル代表に選ばれ、奇跡的な活躍を繰り広げるまでの道のりを描いたストーリー。 スタッフ陣としては監督、脚本を『ファヴェーラの丘』などのジェフ・ジンバリストと、兄弟のマイケル・ジンバリストが担当、ペレ自身が製作を務め、キャスト陣には『ジュラシック・ワールド』などのヴィンセント・ドノフリオ、『チリ33人 希望の軌跡』などのロドリゴ・サントロらが演じており、ペレ自身の波乱万丈な人生の1ページと、迫力のゲームシーンには、映画として引き込まれるだけでなく、サッカーという競技や人とのつながりというものなど、様々な感動を与えてくれることでしょう。 また、音楽『スラムドッグ$ミリオネア』で<ゴールデングローブ賞作曲賞>、<第81回アカデミー賞>で作曲賞、歌曲賞を受けたA.R.ラフマーンが担当しており、映画の臨場感をさらにかき立てる役割を果たしております。 今回はこの映画の製作を担当、また作品自体のモデルでもあるペレ自身に、作品に込めた思いや、皆さんへのメッセージなどをうかがいました。

Interview:ペレ

ペレ 伝説の誕生 ーー本当に素敵な映画作品ですね。ペレさんにとってきっと誇りに思えるような作品かと思います。ペレさん自身にとって、これはどのような作品だと思われますか? ありがとう。あなたのいうとおりで、映画で描かれる歴史やその時々の感情が的確に描かれていることに驚いたよ。過去にもたくさん映画作品を作ってきたけど、今作は僕の人生の始まりとルーツ、キャリア、そして家族を描いている。これまで作ってきた作品とは全く違う映画だよ。 ーー御自身が特に重要と思われているポイントなどはありますか? 僕にとってこの映画の最も重要な点は、新しい世代に何かを与えることができる映画だということだ。この映画は、僕がどうやってここまでたどり着いたかを描いている。若い世代に、僕のルーツを知ってもらうことは大事なことだと思っている。 ーーサッカーというスポーツで、世界的に輝かしい実績を残しているペレさんという存在は、それだけでも大きな影響力を持たれているようにも思いますが……。 僕は小さい頃にサッカーを始めて、学校にも行き、ゆくゆくは世界を旅するまでに至った。世界中の人々がペレのことを知ってくれた。だけど、僕のルーツや家族について知っている人はとても少なかった。この映画の重要性はそこにあると思う。若い世代に、僕がキャリアをスタートさせた若い頃を見せることが重要だと思った。 ペレ 伝説の誕生 ーー映画では、ペレさんのお父様も描かれていますが、お父様とサッカーの思い出なども覚えておられるでしょうか? もちろん覚えているよ、忘れるわけがないね。父もブラジルのトップサッカー選手だった。サンパウロの名門チームでプレイしていたんだけど、たくさんのゴールを決めていたよ。僕達子供にもサッカーを熱心に指導してくれた。さっき果物という話が出たけど、オレンジをボールに見立てて練習していたものだった。ボールコントロールを養うためにオレンジを使っていた。当時、僕達の家族は貧しかったので、革製のボールを買うお金がなかったんだよ。 ーー劇中でもお父様と一緒に、果物を使ってサッカーの練習をするシーンがありましたね? お父様と一緒に行った練習で覚えていることはありますか? そうだな……父からキックの仕方、ボールの置き方、ボールのコントロールの仕方などを学んだね。その後、よく父に僕のボールさばきを見せては、僕はこれだけサッカーができるようになったんだ、と見てもらった。それに対して父は「上手なのは分かったけど、左足でボールをキックすることを学ばないといけない。左足でプレイできる人は少ないからね」と教えてもらっていた。僕のスタイルは、そうやって全て父に指導してもらった結果なんだ。 次ページ:日本のサッカー選手でお気に入りのプレーヤーは?

【インタビュー】邦ロックの概念を変えるGLIM SPANKY! 高みを目指すふたりの現在

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Glim Spanky
昨年7月、メジャーファーストフルアルバム『SUNRISE JOURNEY』を発売したGLIM SPANKY。その後、1年の間にミニアルバム『ワイルド・サイドを行け』、EP『話をしよう/時代のヒーロー』をリリース。さらに、数々のタイアップをこなし、ビックフェスにも出演してきた。 そして、今月ついに待望のセカンドフルアルバム『Next One』がリリースされたが、今作は前作にまして、「GLIM」が持つ暗い幻想的要素に、「SPANKY」がもつ攻撃的な要素も表現された作品に仕上がっているように感じた。さらに、リード曲である“怒りをくれよ”は、世界的人気アニメ、ワンピースの映画『ONE PIECE FILM GOLD』の主題歌となり、大きな話題となっている。これを機として、さらなる高みを目指すGLIM SPANKYの一歩に繋がることが想像できる。 今回のインタビューでは、ファーストフルアルバムリリースからの1年間で感じたこと、今月発売された『Next One』楽曲についてや、『ONE PIECE FILM GOLD』主題歌の“怒りをくれよ”の制作秘話。そして、日本人がロックをやる強みなど様々な視点から今のふたりが感じていることを聞かせてもらった。さらに7月9日に東京キネマ倶楽部で行われたライブ<Velvet Theater 2016>の様子もお届け。今の彼らの勢いを感じられるインタビュー&ライブレポを是非チェックして欲しい。 Glim Spanky

Photo by KAMIIISAKA HAJIME

Interview:GLIM SPANKY

――1stフルアルバム『SUNRISE JOURNEY』発売から1年経ちましたね。この1年間でミニアルバム『ワイルド・サイドを行け』、EP『話をしよう/時代のヒーロー』を発表して、今回ついに2ndフルアルバム『Next One』の発売です。この1年で発表した作品には繋がりはありますか?  松尾レミ(以下、松尾)『Next One』は、ミニアルバム『ワイルド・サイドへ行け』を意識していますね。デザインも丸のアートワークを基調にしていて、それらを繋げているという歴史もあるので、それをしっかりと伝えられる盤にしたいなという意識もありました。 亀本寛貴(以下、亀本) それでも各楽曲たちは、その時々で考えて作りだしてきたので、「1年間にこういう作品を作って、こういう順番で出しますよ。」という順序があったわけではないですけどね。 GLIM SPANKY「ワイルド・サイドを行け」MV (SHORT VER.)
――1年前のインタビューで、「GLIM SPANKYは、周りの人たち、お客さんや関わった人たちと同じバスに乗り込んで同じ夢をみたい。」と話していましたが、このバスは今どのような状況に変化したでしょうか。 松尾 リスナーも増えて、私たちの周りにいるすべての人たちや、バンドとしても大きくなっているという実感があります。それでも、意味のない繋がりでバンドが大きくなっているのではなくて、しっかりと進むべき人たちと共に、「この時代に何を発信するのか?」。このことへと意味を見出して、進むべき仲間たちが増えて、一緒にいい感じで進んでいると思います。 ――たった1年の間で数々のフェスへ出演して、タイアップにメディアへの露出……さらに一般世間へと認知度は上がっていき、活動の幅は増えていますよね。 松尾 とても嬉しいことですよね。元々持っていたハングリー精神がさらに出てきていますよ。元から持っている意識の変化はないので、どんなイベントに出演しても、メディアへの露出が増えても、私たちが目指している場所はさらに大きな場所なので、どんどんその先に向かっていきたいですね。 ――1年前は<フジロックフェスティバル>など、ビッグフェスへの出演前のインタビューでしたが、周りの音楽は周りの音楽で、自分たちの音楽は自分たちの音楽。そう捉えられるニュアンスのお話もありましたが、この部分に変化はありましたか? 亀本 他のバンドは他のバンドとして素敵ですけど、僕らの音楽の土台や考え方など、根本的にバンドのスタイルが違うので、他バンドとの共演やイベント出演を重ねても変化はないですね。 松尾 もし、自分たちと同じスタイルのバンドが出てきたとして、そのバンドがすごく盛り上がっていたら、気になるかもしれないですけどね。 亀本 そういうバンドが出てきて「やばい! あいつらめちゃくちゃ格好いいリフ弾いているぞ!」とかあれば、気になるかもしれないです(笑)。 松尾 でも、ベクトルが違うからね。ふたりとも他のバンドが何か新しいことをしていても、気になったり、焦ったりしないですからね。自分たちはスタイルを曲げずに、「GLIM SPANKYヤバい!」、そんな風にファンやリスナーに思わせて、どうやってシーンを確立していくのか。最近はそのことを考えるべきだということがわかってきました。 次ページ:『ONE PIECE FILM GOLD』主題歌、“怒りをくれよ”決定秘話!

【インタビュー】彼らを聴いても尚、日本の音楽に無関心でいられるか。鬼才・常田大希の衝撃作『http://』

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昨年デビュー・アルバムをリリースしたバンド、Srv.Vinciの中心人物であり、大学の同窓にして若手天才ドラマーと名高い石若駿らとも親交を持ちながら、クラシック、ジャズ、ビート・ミュージック、ヒップホップなどあらゆる音楽を呑み込んだサウンドを鳴らす鬼才、常田大希。彼がソロ・プロジェクトとなるDaiki Tsuneta Millennium Parade(DTMP)としてのデビュー・アルバム『http://』を完成させた。 Daiki Tsuneta Millennium Paradeの『http://』は楽曲ごとに詰まった情報量が並大抵のものではなく、それらが混然一体となって耳に押し寄せるような怒涛のサウンドスケープを展開。まるで耳元で次々に情報がオーヴァーフロウしていくかのようなジャンル分け不能の全20曲を通して、進化を続ける欧米のビート・ミュージック・シーンに対する、アジアからの回答とも言うべき音楽性を提示している。 果たして彼が本作に込めたものとは、どんなものだったのだろう。そして、アカデミックな音楽要素と奔放なエネルギーとが不思議に同居した新作から見えてくるものとは? 常田大希本人に、アルバムの制作背景と彼の音楽観の源泉について語ってもらった。

Interview:Daiki Tsuneta

――今回のプロジェクトの前に、昨年Srv.Vinciでデビュー・アルバム『Mad me more softly』をリリースしていますね。そこからソロ・プロジェクトを立ち上げようと思ったのには何かきっかけがあったんですか? とは言っても、あのバンドもCDを出した当時はまだ固定メンバーは自分だけだったんで、今回のDaiki Tsuneta Millennium Paradeも、前作の延長線上にある感覚なんですよ。結果的に、前作よりもソロ的なものになってはいますけど。今回名義を変えたのは、Srv.Vinciのバンドメンバーが固定して、方向性が変わってきたというのがひとつの理由ですね。 ――あのSrv.Vinciというバンド名は「Srv.(=インターネットのサーバー)」と「Vinci(=レオナルド・ダ・ヴィンチ)」をかけあわせたものでした。 そうですね。それが小難しく見えちゃったと思う部分もあって、今回はバカっぽい名前をつけたくなったんです。それでDaiki Tsuneta Millennium Paradeという名前が出てきました。俺は『ミレニアム』シリーズ(スティーグ・ラーソンによる、『ドラゴン・タトゥーの女』などを含む三部作の推理小説)が好きなんですよ。そこから「Millennium」を取って、そこに「Parade」をつけて……。「Millennium Parade」って、すごくないですか?(笑)。そういう賑やかな感じにしたかったんです。それから、このプロジェクトでは、以前よりも日本の音楽シーンを意識しなくなったと思いますね。Srv.Vinciの時は、まだ日本の音楽シーンを意識していたところがあったと思うんですけど、今回はより自由になって――。 Daiki Tsuneta Millennium Parade - Prêt&Porter
――結果、楽曲の情報量が格段に増えています。今回の作品からは、インターネット上に存在する無数の情報や、様々な文化が混ざり合う東京の街並みのようなものを連想しました。 自分が考えていたのもそういうことなんですよ。「世界に目を向けた時に、アジアのミュージシャンが何をするべきか」ということを考えると、たとえば日本人がブラック・ミュージックをそのまんまやっても、ただの輸入しかならないわけで。「じゃあ、東京に暮らす俺には何が出来るんだ」と考えた時に、色々なカルチャーを何でも取り込むような和洋折衷な感じ、ある意味”軽薄”とも”自由”とも言えるようなエネルギーがアジアの強みじゃないかと思ったんです。今回はそういったものを意識して作っていきました。「もっとその面白味を外に発信しなければいけない」と思ったんですよ。 ――じゃあ、常田さんが共感する海外のシーンというと? たとえばブレインフィーダーはそうですね。(レーベルオーナーの)フライング・ロータスはもちろんのこと、ラパラックスやサンダーキャットのようなアーティストもそうです。Red Bull Music Academy(以下、RBMA)の一派も刺激になりましたね。 ――とはいえ常田さんは、名門の東京藝術大学に進学したり(のちに中退)、19歳のときには小澤征爾さんのアカデミーに参加したりと、クラシックの素養もある人です。そう考えると本当に色んな音楽にアンテナを張っているように思えますが、小さい頃からそういうタイプだったんですか? そうですね……。色んなジャンルを聴きながらも、サイケデリックなものが好きでした。たとえジャンルはバラバラでも、サイケデリックな匂いが共通していることってあると思うんですよ。それはジャズにもロックにも、クラシックにもある。たとえばクラシックなら、1900年代以降のものはぶっ飛んでサイケなものも数多くあると思いますし。 ――その幅広さが分かるように、好きなアーティストをいくつか挙げてもらえますか? なかなか難しいですけど、まずはストラヴィンスキー。一方で、音楽にのめり込むきっかけはジミ・ヘンドリックスのようなノイジーな音楽でした。自分にはジミヘンのサウンドにもストラヴィンスキーの音楽にも、ブレインフィーダーの音楽にも、共通項が感じられるんですよ。それぞれの音楽にあるサイケデリックな空間性がすごく好きで。他には……レディオヘッドもそう。“クリープ”みたいな曲も、『キッドA』以降の曲も好きです。最近で言うと、ケンドリック・ラマーやジェイムス・ブレイクもそうですね。また、ビートルズやゴリラズのような、映像も含んだトータルクリエーションにも影響を受けました。 ――常田さんにとって今、クラシックはどういう存在なんですか? クラシックって、ビート・ミュージックの世界ではまだあまり深まっていない領域だと思うんです。オーケストラのようなデカいサウンドを(ビート・ミュージック的な)ミニマルなアンサンブルでやるというのは、俺がやりたいことです。だから、その経験があるのは自分の強みだと思っていますね。19歳の頃に参加した小澤さんのアカデミーは、(オーケストラの)デカい響きを知るきっかけになりました。もちろん、小さい頃からラウドなギターを弾いていて、スケールのデカい音楽が好きだったんですけど、「ラウドな音」の中にも色々な種類があると身をもって感じました。粗さを際立たせるために、繊細なものを提示した方がいいこともあると思ったんですよ。 次ページ:Daiki Tsuneta Millennium Parade名義としての1stアルバム『http://』が完成!

【インタビュー】女の花園の“リアル”に迫る!シェアハウスって実際のところどう?〜もしイケメンが入居して来たら〜

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アー・ユー・ザ・ワン? ~奇跡の出会いは100万ドル!
若い男女がシェアハウスで共同生活をし、その様子を生々しく描く人気番組『テラスハウス』。等身大の男女の恋や友情を描き、若者を中心に大人気となっています。 アメリカでもそんな“共同生活をする男女のリアル”を描いた大人気番組が2つあり、それがMTVにて現在放送中なのを知っていますか? 1つは、20人のナイスガイとセクシー美女が運命の恋人を求めハワイで共同生活を送るリアリティ番組『アー・ユー・ザ・ワン? ~奇跡の出会いは100万ドル!』。それぞれの“運命の人”はテスト、心理学、家族・友人の調査などから徹底的に分析され、一緒に共同生活をしています。しかし、その分析された相性の良いパートナーが誰かは知らされていないのです! なんてイジワル! 男女は限られた時間の中、自分のフィーリングだけを頼りに運命の恋人探しをスタートさせます。そして全員がパーフェクトな組み合わせになればなんと賞金100万ドルをゲットできちゃうんです! 自分にピッタリの運命の人をゲットできて、さらに100万ドルまでもらえるなんて……豪華すぎるでしょ……。羨ましい! アー・ユー・ザ・ワン? ~奇跡の出会いは100万ドル! アー・ユー・ザ・ワン? ~奇跡の出会いは100万ドル! そしてもう1つが、恋人探しに燃えるセクシーな8人の男女が、恋のバカンスにぴったりなビーチで過ごす番組『"ex-エックス" オン・ザ・ビーチ~戦慄のバカンス~』。リッチな豪邸で共同生活を送るという、夢のような状況に色めき立つ参加者たちですが、そのまま楽しい時間をただ過ごさせないのがこの番組。彼らの過ごす豪邸に、それぞれの元恋人たちが参加することになるのです……! シェアハウスに自分の元恋人が入居してきたら一体どう感じるのでしょうか……。もし、自分が他の女の子といい感じになっている時に、それを元カノに見られてしまっていたらと想像すると、なんとも形容し難い感情がわき上がってきますね。う〜怖い。 アー・ユー・ザ・ワン? ~奇跡の出会いは100万ドル! アー・ユー・ザ・ワン? ~奇跡の出会いは100万ドル! この両番組は前述したように、アメリカで大人気となっているわけなんです。それは一体何故か。その秘訣はやはり“共同生活をする男女のリアル”が描かれている点、ではないでしょうか。 というわけで、今回Qetic編集部でシェアハウスをしている方に突撃インタビュー! 今回はとことん“リアル”にこだわりをもって取材を敢行したい……! そこで、日本のシェアハウスは同性同士が圧倒的に多いということで、女性だけのシェアハウス(花園!)で暮らす、りょうさんに10の質問をぶつけてみました! 実際にシェアハウスで生活している方は日々をどう過ごし、何を感じているのか。そして、“もし女性だけのシェアハウスにイケメンが入居してきたら”等々、シェアハウスをしている方にしか感じる事のできない“リアル”に迫ったインタビューとなりました! これからシェアハウスをしようと考えている方も必見のインタビューです! 次ページ:シェアハウスで暮らすりょうさん(女性)に10の質問!

【インタビュー】空気公団の最新作に影響を与えたかもしれない楽曲プレイリスト

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空気公団
今回は7月初旬に通算9作目となる最新アルバム『ダブル』をリリースしたばかりの3人組ポップス/ロック・バンド、空気公団の登場です。 まるで日常の風景や曲の中に暮らす様々な人々の感情をすくいあげる山崎さんのヴォーカルと、それに寄り添う戸川さん、窪田さんの演奏――。それらが豊かなストーリーを紡いでいく空気公団の楽曲は、音楽というよりもむしろ映画的。そこに描かれる普遍的な日本の風景は、人によって様々な映画や景色のようなものを連想させるはずです。 では、果たして音楽的にはどうなのか? 今回は普段制作中に音楽の影響源を一切持ち寄らないという3人に、「最新作に影響を与えたかもしれない楽曲」を3曲ずつ選んでもらうことで、新しい挑戦が詰まった『ダブル』制作の舞台裏を音楽面から紐解いてもらいました。

Interview:空気公団

music160722_kukikodan_2 ――今回の新作『ダブル』の制作は、そもそもどんな風にはじまったものだったのですか? 山崎 いつも私がタイトルを決めて、「こんなアルバムにしたい」ということを漠然と伝えるんですが、今回は「私が8曲作るので、1曲ずつお願いね」という話をしましたね。 戸川 最初に、「『ダブル』というコンセプトがある」という話がゆかりさんからありまして。 山崎 街の写真屋さんに飾られている写真の中に外国人の方が鏡越しにカメラ目線で写っているものがあって、本人の後ろ姿とカメラ目線の顔が両方写っていたんです。それを見て、「『ダブル』っていいかもしれない」と漠然と思ったのがきっかけでした。 ――なるほど。そのアイディアが今回のアーティスト写真にも反映されているんですね。 山崎 そうなんです。人の中に「2つある」という感じ。「表と裏」とか、「感情の隣り合っているもの」とか、そういうものを表現するのにいいテーマだと思ったんですよ。 ――今回は中村一義さんも3曲目“つながっている”にヴォーカルを提供しています。これはどんなきっかけで実現したものだったんですか? 山崎 曲を作った時に中村さんに歌ってほしいと思って熱い思いをメールしたら、快くお引き受けしていただきました。「ここに何かほしいです」ということだけお伝えして、あとは好きに歌ってもらいましたね。中村さんが思いもよらぬフレーズを入れてくれました。 次ページ:空気公団メンバーが選ぶ「最新作に影響を与えたかもしれない楽曲プレイリスト」公開!

【インタビュー】ザ・テンパー・トラップ “僕らはまた新しい扉を開けた”

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ザ・テンパー・トラップ
00年代末にオーストラリアから登場し、映画『(500)日のサマー』にも採用された“スウィート・ディスポジション”を筆頭に各地でスマッシュ・ヒットを飛ばしたザ・テンパー・トラップ。かねてからサポートを務めていたジョセフ・グリーアが正式メンバーになって以降、13年にギターのロレンゾの脱退を経験し4人編成になった彼らが、通算3作目となる最新アルバム『シック・アズ・シーヴズ』をリリースしてまた日本にやってくる。 デビュー作『コンディションズ』でのタイトなバンド・サウンドから一転、前作『ザ・テンパー・トラップ』ではエレクトロニック・ミュージックの要素を大々的に導入し、新機軸を披露した彼ら。しかしバンドが制作したデモをもとに様々なコラボレイターと作業を進めた最新作『シック・アズ・シーヴズ』に詰まっているのは、新たな要素と初期の頃を思わせる雰囲気が同居した、スケールの大きな王道ギター・サウンドだ。 直前に迫った来日公演を前にして、ヴォーカル&ギターのダギー・マンダギと、キーボードのジョセフ・グリーアに、ライヴのことを想定して作られた『シック・アズ・シーヴズ』の制作背景を訊いた。 ザ・テンパー・トラップ

『シック・アズ・シーヴズ』ジャケット

Interview:THE TEMPER TRAP (Dougy Mandagi[vo、gt]Joseph Greer[key])

――前作『テンパー・トラップ』のリリースから4年の間に様々なことがあったと思います。何が一番大変でしたか、また、それをどうやって乗り越えましたか。 ダギー・マンダギ(以下、ダギー) やっぱり、一番大きかったのはまたアルバムを作ることに対するプレッシャーをどう乗り越えるか、ということだったんじゃないかな。13年にギターのロレンゾが脱退したことも僕らにとっては大きな出来事だったけど、それはむしろバンドの結束を強めてくれた。そこから視野がクリアになって、自分たちのやりたいことがはっきりしたように思うんだ。だから、僕らがバンドとしてどんな作品を作るかということが一番大変だったと思うよ。 ――大型フェスに出演したりと、素晴らしい経験も色々あったと思います。その中でも印象に残っていることを教えてください。 ダギー そうだね。一度メキシコでライヴをしたことがあったんだけど、あれはすごく感慨深い出来事だったよ。そもそも出演前、僕らはメキシコに自分たちのファンがいるなんてまったく想像もついていなかった。「誰も聴いてくれる人はいないんじゃないの?」と思っていて(笑)。でも、当日は何万人もの観客が僕らの楽曲で合唱してくれたんだ……。あれは本当に素晴らしい瞬間だったよ。そうやって色んな場所でライヴをして考えてきたことが、今回のアルバムに繋がった部分もあると思うしね。 ――今回の最新作『シック・アズ・シーヴズ』では、多くのコラボレイターと一緒に楽曲を制作していますね。このアイディアはどんな風に出てきたものだったんでしょう? ダギー 最初に行なったのはマレイ(フランク・オーシャンの作品など)との作業で、13年の8月にスタートしたんだ。彼は僕らの楽曲のファンでいてくれたみたいで、僕らももちろん、彼が手掛けてきた作品の大ファンだった。そういうこともあって、彼とは“サマーズ・オールモスト・ゴーン”を一緒に作ったんだ。これまで、僕らは基本的にメンバー間だけで作業をして楽曲を作ってきたわけだけど、今回は様々なスタジオで、色んな人と楽曲を制作することによって、「他の人がどんな風に曲を作っているか」ということを学ぶことができた。それが今回、僕らの作曲方法に新しいものをもたらしてくれたと思うんだ。 The Temper Trap - Summer's Almost Gone
ジョセフ・グリーア(以下、ジョセフ) 作り方は、コラボレーションした相手によっていろいろだったよ。基本的に、まずはバンドで楽曲を用意して、それをダギーが共作者と一緒に詰めていくこともあれば、他のメンバーが加わることもあったんだ。 ――中でもハイライトを挙げるなら? ダギー やっぱり、マレイとの作業かな。彼はフランク・オーシャンの作品も手掛けていて、ヒップホップのルーツを持っている人だよね。そういうところが僕らのようなロック・バンドにどんな風に作用するのかを見るのはすごくいい経験だった。彼は“サマーズ・オールモスト・ゴーン”にユニークな音をもたらしてくれた。ほとんどの曲をプロデュースしてくれたダミアン・テイラー(ビョーク他)も本当に素晴らしかったよ。彼は「これどう?」っていう風に色んなことを試して、サウンドの幅を広げてくれるタイプの人なんだ。彼のアイディアで楽曲が変わった瞬間も結構あった。一方で、リッチ・クーパーと作業した“ロスト”と“フォール・トゥギャザー”のアプローチも新鮮だったな。彼はすごくシンプルなやり方を持った人。もちろん、パスカル・ガブリエルやベン・アレンとの作業も素晴らしかったよ。 The Temper Trap - Lost
――多くのコラボレイターと仕事をしたことで、逆に自分たち自身の個性が客観視できるような部分もあったと思いますか? ダギー まぁ、基本的には僕らが最初に曲を全部用意していたから、もともとどの曲も僕らの個性に基づくものではあるんだけど。ただ、色んなコラボレイターと作業をしたことで、「僕らがもともとどういうバンドなのか」ということに意識が向いた部分はきっとあったと思う。 ――実際、完成したサウンドは、エレクトロニック・ミュージックに接近した前作よりも1作目に近い雰囲気で、ギター・サウンドが戻ってきていますね。正確に言えば、1作目と2作目の雰囲気がうまく混ざっているような雰囲気です。 ダギー そう、まさにそれがやりたかったことだね。バンド・サウンドであることが重要だったんだ。 ジョセフ 前作はシンセをたくさん揃えたのもあって、新機軸をいろいろ試していったような感じだったんだ。それはすごく楽しい経験だった。でも、あの作品は僕らにとっては思い入れの深いものだったにもかかわらず、世の中の人々には期待していたほど受け入れられなかった作品でもあって……。 ――確かに、たとえばあなたたちのライヴでの姿とは違うレコードだったかもしれません。 ダギー そうだね。僕らのライヴはかなりエネルギッシュだと思うし。たぶん、僕らはずっとそのエネルギーを作品にも閉じ込めたいと思ってきたんだよ。バンドの魅力が最も伝わるのはライヴの現場だと思っているから。でも、そのエネルギーって、レコードに反映させるのはすごく難しい。1枚目はそれがある程度できていたと思う。2枚目はスタジオでのプロダクションを工夫することは出来たけど、一方でライヴのエネルギーを表現するということからは離れてしまった部分もあった。だから、今回は「4人のミュージシャンが演奏しているような雰囲気」を、音からも感じてほしかったんだよ。ビッグなサウンドで、ライヴで観客のみんなと高揚感をシェアできるような音楽というか。それで結局、1枚目と2枚目のいいところが両方入ったような作品になったんだと思う。 The Temper Trap - Fall Together
次ページ:この楽曲をみんなの前で演奏するのが今から本当に楽しみなんだ。

【インタビュー】カジヒデキ×古川太一(KONCOS)が選ぶ、キャンプの行く道を盛り上げてくれるプレイリスト 前編

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カジヒデキ
「せっかくのフェスなのだから、慌ただしい日常から離れて、ゆっくり良質な音楽を楽しみたい」。そんな人々にピッタリの音楽フェスティバル、<PEANUTS CAMP>が8月20日(土)と21日(日)に開催されます。このフェスは千葉の一番星★ヴィレッジ(市原市オートキャンプ場)を舞台に、キャンプファイヤーやワークショップなどレジャーも充実。夏の思い出を作るには絶好のシチュエーションが用意されたフェスになっているのです。そこで今回は、フェスの企画・運営にもかかわるカジヒデキさんと、2日目に出演するKONCOSの古川太一さんに集まってもらい、会場に向かう道中を盛り上げる「キャンプの行く道を盛り上げてくれるプレイリス」をテーマに、お気に入りの楽曲を選んでもらいました。 カジさんと古川さんは、古川さんがまだKONCOSを結成する前、Riddim Saunterとして活動していた頃にカジヒデキとリディムサウンター名義のコラボ作『TEENS FILM』で共演。以降もKONCOSがカジヒデキさんの作品に参加したり、ライブでバックバンドを務めたりと親密な関係を築いてきました。そんな2人ならではのクロストークを、今回は前編と後編の2回に分けてお届け。この前編ではまず、2人が語る<PEANUTS CAMP>の魅力やプレイリストを作る楽しさ、そしてカジさんが選んだプレイリストをどうぞ!

Interview:カジヒデキ×古川太一(KONCOS)

カジヒデキ ――今回開催される<PEANUTS CAMP>は様々なアーティストやグルメ、キャンプファイヤーなどが集結する音楽フェスになっています。当日は何を楽しみにしていますか? カジ 今ちょうど、フードを提供してくれるお店やワークショップでどんなことをやるかということが決まり始めているんです。まずはバンドの演奏を「みなさんが楽しんでくれたらいいな」と思うし、自分自身も楽しみたいですね。 古川 僕はカジさんのステージにもバックバンドで出演して、KONCOSとしてのライブもありますけど、やっぱりライブが終わった後のビールが楽しみです。 カジ (笑)。居酒屋みたいなブースも出るしね。 古川 実はもうチェックしてました(笑)。泊まるのがいいかもしれないですよね。僕はキャンプの道具はひとつも持ってないですけど、そんな人でもキャンプが出来るみたいだし。 カジ あと、運営している方がクリエイター集団ということもあって、すごく面白いんですよ。<PEANUTS CAMP>は普通の音楽フェスとは少し違って、マスコットキャラクターがいて、ストーリー仕立てになっているんです。ピーナッツって落花生ですよね。それを「落下星」として捉えて、キャラクターたちがそこから落ちてきたという設定になっていて。そういう大人も子供も楽しめる仕掛けがあるので、家族で来てもらっても楽しめるだろうし。キャンパーの人も沢山来てくれると嬉しい。夏の思い出にテントを持って来てくれたらいいなぁと。 古川 絶対楽しいですよね。 ――ちなみに、2人のキャンプやアウトドアの思い出というと? 古川 僕は子供の頃、キャンプをやった記憶がありますね。最近は・・・外でお酒を飲むのが好きです(笑)。ライブの打ち上げで、みんなでお酒を持ち寄って野外で飲んだこともあります。 カジ 僕は千葉の富津市の出身ですけど、小学生の時にキャンプに行ったこともあるし、中学生の頃、千葉の中学生と苫小牧の中学生の交流会があって、フェリーで苫小牧まで行ったことがあるんです。それで確か、湖の湖畔にテントを立たりして。 古川 ああ、いいですね! カジ 20代の頃にも、友達と奥多摩上流の方に遊びに行ったりしましたね。そうだ、95年に<ロスキルド・フェスティバル>にカーディガンズが出演するということで、初めて海外のフェスを経験したのだけど、4日間のうち後半の2日間はエッグストーン(スウェーデンのバンド)と合流して一緒に会場を回ったことがあったんです。彼らは車で来て寝泊りしていたので、全員はそこに入れないということになって。急きょ野宿をしたこともありました。デンマークの夜って、6、7月でもすごく寒いんですけどね(笑)。でもあれはすごく楽しかったなぁ。 ――<PEANUTS CAMP>もまた、そうしたキャンプ、アウトドアならではのゆるい雰囲気を大切にしているフェスティバルですね。 カジ 出演してくれるミュージシャンも、ゆるく楽しんでくれたらいいなと思うんですよ。自分のライブが終わったあとに、誰かのステージに飛び入りしてくれるとかね。そんなこともあったら楽しいだろうな、と思うので。 ――そして今回は、「キャンプの行く道を盛り上げてくれるプレイリスト」というテーマで選曲をしてもらいました。音楽をかけたりすると、会場までに気分も盛り上がりますよ。 古川 そうですね。実は最近、自分の車のカーステレオが壊れたんですよ。一度再生して、違うCDを入れると、かからないことが多くなって。それで思うんですけど、音楽はめちゃくちゃ重要です。聴きたいのに……!って(笑)。それで、この前の自分のツアーでは延々とアヴァランチーズを聴いてました。一度入れたらずっとそのままなんです。 ――失って余計に気づいてしまった、と(笑)。 カジ (笑)。僕もカフェ・ライブ・ツアーを回ったりすると車の移動が多いです。でもその時は、BGMを自分で選ぶと「みんな楽しめてるかな?」って気になっちゃう。 古川 ははははは。 カジ だから、最近は人の選んだものを聴くことが多いですね。そうすると、僕はオールディーズに反応することが多いんですよ。ビーチ・ボーイズは『ペット・サウンズ』はもちろん最高だけど、初期にサーフロックの頃のものとか、60’Sのガールズ・ポップコンビとかがはまります。 古川 ああ、すごい分かります。そういう時って、定番のものが合ったりするんですよね。 カジ そうそう。もう王道のビートルズとかね。自分が10代の頃にはまったザ・スミスだとか。太一くんが一緒の時はミックステープを作ったりしてくれるので、それを聴いて「おっ、これは何だろう?」って気になる曲を見つけたりすることもありますね。 古川 この前ノイズをかけてたら、運転してる人に変えられたりもしましたけど(笑)。 カジ それ面白いね(笑)。車で移動していると、選曲の中心になる人がいますよね。この間、(NEIL&IRAIZAの)堀江博久くんと一緒に車に乗っていたら、彼がジョン・レノン関連の作品を全部聴持ってきたんですよ。それで夜中にライブ音源で、オノ・ヨーコさんの前衛的な歌がずっと流れていたりとか(笑)。 ――「アアアアーーー!」みたいなやつですか。 カジ そうです、「アアアアーーー!」って(笑)。それはそれで面白かったりしますよね。 次ページ:いよいよカジさんが選んだプレイリストを紹介!

【インタビュー】DJ HASEBE×TOKYO HEALTH CLUB 意外な組み合わせの2組がコラボできた理由とは?

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長きに渡りシーンのトップDJとして精力的な活動を続けるDJ HASEBEと、先日〈Manhattan Records〉からニューアルバム『VIBRATION』をリリースし今まさにノリに乗っているTOKYO HEALTH CLUB。 DJ HASEBEが新たにリリースするMIX CD『SUNSET BREEZE − WITH SOOTHING GUITAR SONGS − MIXED BY DJ HASEBE』に、TOKYO HEALTH CLUB“Last Summer”のDJ HASEBEが手掛けたニューバージョンが収録(オリジナルとともに7インチとしてもリリース)されることを機に実現した今回の対談。 意外とも思えるこの二組の組み合わせだが、話を進めるごとに浮き彫りになったのは両者の音楽に対するオープンマインドな感覚。ともに“飽き症”を自称する、彼らの制作スタンスに迫る。

Interview:DJ HASEBE×TOKYO HEALTH CLUB

interview160809_djhasebethc_8 ――皆さんお会いされるのは今回が初めてとのことですが、HASEBEさんがTOKYO HEALTH CLUB(以下、THC)を知ったきっかけはなんですか」 DJ HASEBE 〈Manhattan Records〉の担当の方から、新しくラップグループを手がけるとは聞いていましたし、YouTubeでMVもチェックしていました。今回リリースされる僕のMIX CD『SUNSET BREEZE − WITH SOOTHING GUITAR SONGS − MIXED BY DJ HASEBE』では、当初オリジナル楽曲を作ろうという話だったので、そのフィーチャリングの候補としてTHCが挙がっていたんです。それと同時にG.RINAの名前も挙がって、その二組の相性も良さそうだなということで、結果、THCの“Last Summer”の新たなバージョンとして“Last Summer feat. G.RINA(Sunset Breeze Version)”が完成したわけです。 JYAJIE レーベル担当者であり、僕らのA&Rからの強烈なプッシュにより実現したんですよね(笑)。 TSUBAME THCを使え!と(笑) DJ HASEBE いやいやいや! 確かにプッシュもあったけど(笑)、本当に良いと思ったんだよ! 打ち合せでは他にも何組か候補が挙がったんだけど、色々聴いてみて、「THCでいきましょう」と。今回のMIXの路線的に、少しリラックスした雰囲気のキャラクターの方が欲しかったしね。 ――このMIX CDでは“心地良い風が吹くサンセット・タイムに聴きたい新旧邦楽ギター・ソング”がテーマとなっていますね。 DJ HASEBE 洋楽のMIXはこれまでにもよく作ってきたのですが、あえて邦楽にフォーカスしたものを作ってみたいと考えていたんです。その担当者とは僕が2009年にリリースした『Very Delicious』という洋楽のカバーアルバムを作っていたときからの付き合いでお互いの好みを理解できているので、多くを話さなくても自然とこういった内容になった感じですね。 ――THCとしては前回のMACKA-CHINさんに続く、いわゆるシーンのリビング・レジェンドからのオファーとなりましたね。 SIKK-O レーベルからの圧力があったとはいえ、すごく嫌とは思われなくてよかったです(笑)。あと僕らとしても、歳の離れた先輩とやらせていただいた方が色んな意味でプラスになることが多いので、オファーをいただけて単純に嬉しかったですね。まあそれも〈Manhattan Records〉にいるからできたことなんですけど(笑)。 TSUBAME G.RINAさんに関してもそのA&Rによるプッシュだしね(笑)。 SIKK-O でもG.RINAさんは、僕らとしてもいつか共演したい方だったからよかったよね。 ――“Last Summer feat. G.RINA (Sunset Breesze Version)”はMIX CDへの収録だけでなく、オリジナルのカップリングとして7インチとしてもリリースされるわけですが、HASEBEさんサイドの制作はどのように進行していったのですか? DJ HASEBE オリジナルが藤原ヒロシさんの曲(=“Dawn”)をネタにしたものだったので、同じネタで違ういじり方をしても面白いかなとは思ったのですが、結局THCのボーカル素材以外は完全に新しく作り上げました。初めにオリジナルを聴いた時に、女性ボーカルでもう少しメロディアスなサビがあってもまた違った良さを表現できるかなと思ったので、G.RINAにお願いして。彼女とは飲んでる時に一度会ったことがあるのですが、今回の作業はメールと電話だけで完結しました。 ――個人的には2010年にリリースされた“Last Vacation feat. RYO-Z, PES (from RIP SLYME) & JUJU”にも通じる、まさにこのMIX CDのテーマにピッタリのサマーチューンだと感じました。 DJ HASEBE そうですね。確かにビートの質感や雰囲気などは近いかもしれないです。ただ“Last Vacation”はメジャーなコード感でしたが、“Last Summer”はサンセットを意識した切なさを演出することを意識しましたね。 TSUBAME 僕らの『VIBRATION』では“ヒップホップをサンプリング/オマージュする”というイメージで作ったのですが、制作前の段階では今回のHASEBEさんのニューバージョンのような方向性も選択肢の一つとしてあったような気がしました。MIX CDに収録されている、インディーミュージックの“今”を象徴するような他の楽曲にもバッチリハマっているし、一つの曲としてもすごくかっこいい仕上がりになっていたので感動しましたね。 ――『SUNSET BREEZE』のトラックリストは、TSUBAMEさんが先日リリースされた『CITY HIP POP MIX』にもリンクする、HASEBEさんのキャリアの中でも特にジャンルレスな内容となっていますね。 DJ HASEBE 実はここに収録されているような音楽ももともと好きでしたし、最近はフェスや船といったクラブ以外でのDJも増えてきているので、ヒップホップやダンスミュージック以外のものをミックスする機会が多いんです。それが今回は邦楽だったので、より新鮮に聴こえるのかもしれません。 次ページ:2組がジャンルを越えた音楽性を語る!
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