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【インタビュー】『ツイン・ピークス』再び!謎の続きを綴る作品への思いを、カイル・マクラクランが語る

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ツイン・ピークス
90年代に登場、世界を席巻したミステリアスなドラマ『ツイン・ピークス』が、25年の時を経て新作『ツイン・ピークス』として帰ってきました。(7月22日よりWOWOWプライムにて独占放送 ※第1話無料放送) 『ツイン・ピークス』は田舎町ツイン・ピークスで発生した、町で一番と評判だった美少女ローラ・パーマーの殺人事件をめぐり、主人公・デイル・クーパー捜査官を中心に捜査が進む中、町の裏でうごめく愛憎や欲望、裏切りに満ちた人間関係と、次々と常識を越えた怪現象が交錯する様子を描いた異色のミステリー作品。テレビにて奇才・デヴィッド・リンチ監督の独特の世界観が描かれた映像は、当時大きな話題となりました。 ローラの「25年後に会いましょう」という謎のメッセージで、前シーズンの『ツイン・ピークス』の最終回はクリフ・ハンガー(エンディングを不確かな形にして、結末を視聴者の想像に委ねる表現方法)の形で終わり、多くのピーカー(ツイン・ピークスの熱狂的なファンの俗称)の間ではそのストーリーに対して様々な思惑がめぐりましたが、ローラのメッセージに従うかのように、物語は新たな局面を迎えます。 そして、新たなストーリーの日本上陸に合わせ、主人公クーパー捜査官役を務めた俳優のカイル・マクラクランがプロモーションのために来日、歓迎の来日イベントでは満面の笑顔を振りまく一方で、新たなシーズンに再びオファーを受けたことに大きな興奮を覚えたと語っていました。今回はそんなカイルに、新シーズン参加までの経緯や撮影に向けての取り組みなどを語ってもらいました。

Interview:カイル・マクラクラン

ツイン・ピークス

デヴィッド・リンチ監督と「また一緒に仕事ができて、本当に嬉しい」

——今回のシーズンについておうかがいしたいのですが、まずそもそも25年前の最後のシーズンが終わった時点で、25年後にこういう新しいシーズンを考えている、といったお話は当時デヴィッド監督とはされていたのでしょうか? 実はそういう話は全然無かったんだ。前シーズンは、ABC放送が打ち切りを決めた時に、そこで終わる形になった。僕はそれはとても不本意だったんだけどね。というのは、新しいポテンシャルというか、「(悪人キャラクターの)ボブが乗り移ったクーパー」という新しいキャラクターが出てきたころで、演じることにとても可能性を感じていたからね。 ——そうでしたか。一方で最終回に登場したローラが残したメッセージ「25年後に会いましょう」という最後のセリフからは、カイルさん自身としては何かあるのではないか、と考えたことはありませんでしたか? いや、僕は当時そうは思ってなかったね。ただ近年SNSが充実している中で、ちょうど25年が過ぎようとするこの時期にきて、多くのファンから僕やデヴィッド監督、マーク・フロスト(脚本家)に向けて「そろそろ25年になるけど、そろそろ新しいシーズンが始まるんじゃないか?」というファンの声が上がっていた。それが最終的にクリエイターたちを突き動かしたんだと思う。 ——以前のシーズンが放送されていたころは、本作以外でもカイルさんとデヴィッド監督が頻繁に仕事をともにされていた時期でしたね。今回25年ぶりに一緒に組んでお仕事をされた感想はいかがでしたか? またこの年月の間には、デヴィッド監督とは連絡を取られていましたか? 彼はL.A.の、僕の家のすぐ近くに住んでいるんだ。だから度々会っているし、一緒に過去の話をしたり、今何をしているかなんてことも話したり、そういう友情をずっと築いてきているんだよ。もちろん映画やテレビ業界以外の話もしているし。だからやはりまた彼と仕事をしたいという気持ちはずっとあったね。彼はある意味唯一無二の存在で、彼にしか作れない世界観がある。だからその中で演じることはとても僕にとっては楽しい。だからこうやってまた一緒に仕事ができて、本当に嬉しいんだ。 ——前回のシーズンは、日本国内では海外ドラマブームの走り的な存在として認識されており、その意味ではとても大きな作品だと思うのですが、カイルさん自身は前シーズン出演後、他の作品にも出演された中で、25年の月日が流れた現在、自分自身思われることはありますか? そうだね。この作品は日本のみならず世界中の人々に、非常に大きなインパクトを与えたと思う。テレビ業界においても同様にね。何しろとても普通ではなかったし、キャラクターが全く予想できない行動をしたり、予測できない展開もあったり。また映像が難解で非常に抽象的だったり、見たことの無い奇妙な情景があったりと、そんな驚きの連続の中で、みんなが反応した。そしてまた音楽もすごく特徴的で引き込まれるものだった。  そんなわけで、全てにおいて新鮮で新しかったと思う。そして「ツイン・ピークス」以降にいろんな作品が生まれた。それらは決してマネしているわけじゃないけど、いろんな情景やイメージ、映像が非常にクリエイティブで、芸術的なものだったね。デヴィッド・チェイスなんかの新しいクリエイターも登場してきたし。非常に今までとは違う伝統を作ったし。そういった流れを作ったのが「ツイン・ピークス」じゃないかと思う。 ——逆にカイルさんが「ツイン・ピークス」に出演されたことが、自分の役者としての活動で足かせになったことは無いですか? いや、そういうことは無いと思うな。僕は他の俳優と同じことはやっていないんだ。より普通じゃないとか、予測できないようなこと、役をオファーされたこともあるけど、その時は余計に自分の仕事が楽しくなったしね。

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オリジナル記事: 【インタビュー】『ツイン・ピークス』再び!謎の続きを綴る作品への思いを、カイル・マクラクランが語る

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【インタビュー】水カン・コムアイもドキッ!Kero Kero Bonitoが創造する「ケロケロワールド」に迫る!

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Kero Kero Bonito
中学まで日本に住み、英語と日本語のバイリンガルでイギリス人と日本人のハーフ女性、セーラ(Vo/Rap)。先鋭的なエレクトロニック・ミュージックからグライム、ヒップホップ、R&B、果てはJ-POPまで、世界各地のあらゆるポップ・ミュージックに深い造詣を持つ2人の男性プロデューサー、ガスとジェイミー。その3人からなる、ロンドン発・日本経由・未来行きの多文化ごった煮ポップ・ユニット、Kero Kero Bonito(ケロケロボニト)のデビュー・アルバム『Bonito Generation(ボニトジェネレーション)』がついに日本リリースされた。 ロンドンの〈PCミュージック〉周辺とも共振する、尖鋭的で進歩的なサウンド・メイキング。英語と日本語の両方が混在するリリックを「ゆるふわ」なフロウで歌うセーラのヴォーカリゼーション。“原宿KAWAIIカルチャー”にも通じるポップでカラフルなファッションとビジュアル・センス。2014年発表のミックステープ『Intro Bonito(イントロボニト)』で、世界中に数多くの中毒リスナーを生んだ彼らのユニークな世界観は、このデビュー・アルバムでさらに洗練。ローファイなアマチュアイズムが抜け、サウンド・リリックの細部に至るまで緻密な工夫をこらした「ケロケロワールド」が展開される、極彩色の一枚に仕上がっている。 彼らがこのアルバムで目指した作品性や、自分達の世代を指すという「ボニト世代」について。そして、彼らが考える日本のカルチャー・音楽の魅力や面白さとは? それらの疑問について解説してもらうべく、3人にメールでのインタビューを行った。

Interview:Kero Kero Bonito

Kero Kero Bonito ——ジェイミーとガスは子どもの頃から友達だったそうですが、日本語のできる女性シンガーを迎えた音楽プロジェクトというアイデアはいつ頃に思いついたのですか? ガス 特定の国籍の人を探していた訳ではないです。僕らはとにかくシンガーを探していて、日本人のハーフの友達が「MixB」という、ロンドンに住む日本人向けのWEB掲示板を勧めてくれました。面白いなと思い、そこに応募広告を掲載しました。 ——「MixB」を通して、最初に会った時のそれぞれの印象を教えてください。その時に、どんな話をしましたか? ガス 最初に僕らは駅で会ったのですが、セーラはまるでステージ衣装のような格好で現れました。手染めの靴、ピンクとブルーの髪の毛、などなど。話しているうちに、お互い数週間前にTOQUIWAというバンド(編注:アメリカやヨーロッパでのツアーも成功させている、日本人女性3名からなるロック・バンド)の同じギグを見に行っていたことが分かって、運命を感じました。 ——セーラは中学生まで日本の愛知と北海道に住んでいたそうですね。日本にいた頃、どんな音楽を聴いていましたか? セーラ お父さんが70年代ロック系のCDをたくさん持っていて、学校に行く前に一枚選んでウォークマンでよく聴いてました! 覚えているのはLed Zeppelin、Deep Purple、David Bowieなどです。 ——日本からイギリスに移住して、一番感じたカルチャーの違いは何ですか? セーラ カルチャーの違いはいっぱい感じました。慣れるのに一番時間がかかったのはハグをする事です! イギリスだと友達や家族の挨拶が男女関係なくハグなので、日本に住んでいた時に握手さえあまりしなかった私にとって不思議でした! ——“Graduation”では、学校生活の退屈さとそこから抜け出したいという気持ちが歌詞になっていますよね? セーラ 小さい時から学校以上にもっと世界に魔法がある気がして、それをずっと探してました。 Kero Kero Bonito - Graduation
——『Bonito Generation』のアートワークも卒業がテーマになっています。このアートワークはどのようなアイデアから生まれたものですか? セーラ 3人とも卒業式に行っていなくて、撮れなかった卒業写真をケロケロワールドに作ってみようというアイデアから生まれました。 ——英語と日本語の混ざった歌詞は、日本のポップ・ミュージックの中では普通ですが、イギリスの音楽としてはとてもユニークだと思います。セーラは歌詞を書くときに、どのようにして英語の部分と日本語の部分を書き分けているのでしょうか? セーラ 両方喋りながら育った私にとって二つの言語は頭の中で一つの言語になっていて、片方だけしか使ってない時は50%しか自分を表現できてない気がします! 両方使って初めて100%の自分がいるんだと思います。歌詞を書く時も気がついたら英語と日本語が混ざっていて、いつもあまり深く考えないです。 ——日本語のネイティブではないガスとジェイミーからすると、日本語の響きにはどのような魅力があると思いますか? ガス 僕は言語学者ではないですが、理由はいくつかあると思います。僕が知る限り、日本語を喋る人は、英語を喋る人ほど「韻」について話しません。でも、日本の音節には常に「あ」「い」「う」「え」「お」の音がついてくる。つまり、英語のリスナーからすると、それぞれの音節の間で、20%の確率で韻を踏む事になります。それは、音節にたくさんの異なる母音が含まれる英語に比べると、はるかに高い確率です。だから、互いに似たような音の母音がより多く詰まっている日本語のソングライティングは、自然とキャッチーに聴こえるんだと思います。理由はもっと沢山ありますが、なかなか上手く説明できませんね。 Kero Kero Bonito ——音楽だけでなく、日本のカルチャー全般について、イギリスやアメリカのカルチャーと異なる一番の魅力はどこだと思いますか? ガス 日本では西洋文化より、技能(craft)に対する責任感が強いです。例えば、ニューヨークの地下鉄は映画のようにカッコいいですが、技術的にはメチャメチャです。一方、東京のメトロは正確で使いやすい。新幹線も同じで、車掌が体を窓から乗り出して、のぞみ号が時間通りに発車するのを見ると、鳥肌が立ちます。UKでは、皆そういう事をあまり気にしていません。オンタイムだったり、そうじゃなかったり。車掌を見かけたり、見かけなかったり。 アートに関してはまとめるのが難しいですが、西洋より日本の方が印象的でテクニカルなアレンジをすることがよりトレンディなんだと思います。中田ヤスタカ、ユーミン、古代祐三、冨田勲などなど、日本には偉大な伝統があります。それには強い忍耐力が必要で、僕はこういった音楽へのアプローチがずっと好みでした。

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オリジナル記事: 【インタビュー】水カン・コムアイもドキッ!Kero Kero Bonitoが創造する「ケロケロワールド」に迫る!

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コーネリアス、クラフトワーク、シミアンとの共鳴。ペンギン・カフェが語る、偶然性の魅力と制約の大切さ

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ペンギン・カフェ
アンビエント、ミニマルが流行した80年代に「巨大なペンギンがオーナーを務めるカフェで鳴らされる音楽」というファンタジックな設定に基づいた音楽で人気を博したサイモン・ジェフスのプロジェクト、ペンギン・カフェ・オーケストラ(Penguin Cafe Orchestra)。彼の亡きあと、その息子アーサー・ジェフスによって結成され、ゴリラズやスウェード、トロージャンズのメンバーが集ったバンド、ペンギン・カフェ(Penguin Cafe)が、通算3枚目となる最新作『The Imperfect Sea』を完成させた。 ペンギン・カフェ名義での初のアルバムとなった11年の『ア・マター・オブ・ライフ...』を経て、彼らは14年の『ザ・レッド・ブック』でより幅広い音楽性を追究。そして今回の『The Imperfect Sea』では、クラフトワークやシミアン・モバイル・ディスコ、初代ペンギン・カフェ・オーケストラのカヴァーなども交えながら、よりエレクトロニカ、クラブ・ミュージック色濃厚な楽曲を生演奏で成立させている。その姿はまるで、亡き父の影を追っていたアーサー・ジェフスが、自分ならではの個性を追究しはじめたことを告げるかのようだ。バンドの中心人物アーサー・ジェフス(ピアノ/ハーモニウム/クワトロ)と、トロージャンズのメンバーとしても活動するダレン・バリー(ヴァイオリン)に、ハプニングを重視したアルバムの制作過程と、本作に詰まった想像上のストーリーを聞いた。

Interview:ペンギン・カフェ(アーサー・ジェフス&ダレン・バリー)

ペンギン・カフェ
写真:石田昌隆 衣装:Herr von Eden
——09年以降ペンギン・カフェ名義で活動を続けてきた中で、今のメンバーにはどんな魅力を感じていますか? アーサー・ジェフス(以下、アーサー) 今のメンバーは、少なくとも全員他にひとつはバンドやプロジェクトを持っている状況なんだ。たとえば、トム(・チチスター・クラーク/ハーモニウム、ウクレレ)はイギリスのシークレット・シネマ(ロンドンで流行している体験型の映画鑑賞会)での仕事をしていたりするわけで、いつもペンギン・カフェにいるわけじゃないんだよね。だから、それぞれが戻ってきてペンギン・カフェで一緒になって演奏すると、それぞれの持ち味やアプローチ/スキルの違いが活きてくるんだと思う。 それに、顔を合わせるとリラックスできるような関係なんだよね。みんな友達だし、中には家族もいるし、プレッシャーを感じることなく、みんなが気兼ねなく過ごせるような状況になっているんじゃないかな。 ダレン・バリー(以下、ダレン) そうだね。ツアーだってそうでさ。「今度はイタリアでやります」「週末もライブがあります」「今度はこっち」「次はあっち」と色々と行く場所が決まって、そこで好きな曲を楽しく演奏することができる。これは僕からすると本当に楽しいことだよ。 ——過去に制作した2枚のアルバムを通して、メンバーそれぞれの演奏や、バンドとしての在り方には変化があったと思いますか? 少し振り返ってもらえると嬉しいです。 アーサー うん、変わってきていると思う。僕自身、活動を続ける中で自分がやりたいことが次第にはっきりしてきたし、他のメンバーにしても、活動を共にするにつれて、前よりも分かってくれていると思うんだよ。「僕をどうやって助けてくれるか」についてね(笑)。 ダレン (笑)。 アーサー だから、バンドとして進歩してきているんだと思う。特に今回は、僕の方で意識的に制作のプロセスを変えてみたんだ。参加するミュージシャンも使う楽器もこれまでと同じだけれど、テクスチャーやサウンド、誰をどこに配置するかということについて考えて、間を大事にしていこうと思った。そういう作り方をした結果、今回はとてもバランスの取れた作品になったんじゃないかな。そうすることで音のひとつひとつを吟味することができて、トラックごとの個性やバラエティをはっきりと打ち出すことができたと思っているよ。 ——最新作『The Imperfect Sea』を聴かせてもらうと、ペンギン・カフェ・オーケストラの世界観は引き継ぎつつも、より今のメンバーの個性が反映された作品だと感じました。 アーサー 確かにそうかもしれないね。14年の前作『ザ・レッド・ブック』を出して、ツアーを終えたあと、僕らは1年間活動を控えることにしたんだ。そして今回ふたたび集まって作品を作り始めたとき、「こんなことをやりたい」ということをみんなで挙げて、その中から「これは前にやった」というものを削っていった。今回は「これまでにやっていなかった新しいことがやりたい」「バンドとして新境地を開拓したい」と思っていたんだよ。 ダレン 僕から見ても、アーサーのコンポーザーとしての進化を感じるんだ。以前より自分らしさを出すことに抵抗がなくなっているし、より自分ならではの音楽を追究している印象を受けた。それが今回の作品にも表われていると思う。僕らはアーサーが考えていることを具現化する立場で、彼がどんな方向に向かおうとしているのか把握するのが難しいときもあるけれど、今回もアーサーのヴィジョンをみんなが読み取って、具現化していった。完成した音楽を聴いてくれれば分かると思うけれど、今回はすべてが上手くいった作品なんじゃないかと思うよ。 レコーディング中は演奏をして、一度離れると他のメンバーの演奏によって音楽が変わっていて、「じゃあ僕はこうしよう」と考えたりするような感じだったね。僕自身もコンポーザーだから色々とアイディアはあるけれど、引くところは引いて余計なことは言わないようにしたりもして(笑)。そういうバンドの力学も進化した気がするね。 ペンギン・カフェ

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【インタビュー】FEELFLIP、一発録りの最新作『Recording Now!!!』で示したライブバンドとしての実力

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FEELFLIP
今春のドラマーのメンバーチェンジを経て、新体制にて活動中のFEELFLIP。Skhaotic(SKA+chaotic)を標榜し、5人組というホーン隊を有したスカパンク・バンドとしては必要最小限の編成ながら、5人だけとは思えぬ曲構成やサウンドの厚さ、各人の技巧の高さは高く評価されている。 そんな彼らが前回のインタビューの際にも公約していたライブレコーディングによる新作制作を敢行。それが完成し、このたび届けられた。 「新曲をライブの雰囲気と共にパッケージしたい……」、そんな多くのライブバンドの夢を見事に実現した彼ら。バンドの多くがその方法論に憧れながらも実現に至らないのにはわけがある。熟考すると、これはとてもリスキーな行為であるから。既発曲のライブ録りと違い、新曲だから当然集まったお客さんもその曲たちを初体験→ノりに難あり、を始め、直しの効かない一発録音、その重圧や緊張感、自身の新曲の体得具合等々、そのリスクや懸念を挙げるときりがない。 ところが彼らは、それらを全て想定内とし、対策を練り、工夫を凝らし、今回実現に至らしめた。結果、彼らの信条であるライブハウスでのライブならではの雰囲気や勢い、熱量や臨場感を擁しながらも、作品としてもクオリティの高い1枚を完成させた。 今回、その誰もが理想に思うが実現に至らなかった弊害をクリアし、リリースにまで至らしめた彼らの、その道筋とノウハウを伝えたい。 FEELFLIP / "Recording Now!!!" Trailer

Interview:FEELFLIP

FEELFLIP
左から:MOCK[B.Sax.]、TOMOYA[Vo. Gt.]、PON[T.Sax.]、IKKE[Ba.]、Steve[Dr.]
——今春から新ドラマーとしてSteveさんが新加入しましたが、わりと早く後任が見つかりましたね。 TOMOYA そうなんです。前回の取材時には、既に何人か候補はいたものの、絞り切れてなくて。技術面のみならず、人間として一緒にやっていけるかもけっこう重要でしたからね。なので、このSteveとも、まずは呑みから始めました。 ——恒例の(笑)。 TOMOYA そうそう(笑)。このバンドもIKKEと俺が飲みの席で、「一緒にバンドを組もう!!」って話から始まったし、今のメジャー契約も、お酒を飲んで、「じゃあ、入ろうか」でしたから (笑)。まずは、PONとIKKEが先陣として3から4件ハシゴして様子を見てもらいました。 ——3から4件(笑)!? TOMOYA で、「良さそうだ」との報告を受け、我々も交え再度呑みに行き、そこで人となりを知った感じです。その後ですね、一緒にスタジオに入ったのは(笑)。 ——まずは面接を終えて、続いて実技試験に進んだと。 IKKE とは言え、以前対バンしたことはありましたからね。だいたいの技量は知っていました。自分は同じリズム隊なので、下手なヤツと一緒にまたやり直すのはキツいなと思っていたんで。なので、人選は慎重に行いました。いい奴で、楽しい奴で、演奏技術もある奴……そんなちょっと高いハードルをクリアしたのが、このSteveだったんです(笑)。 FEELFLIP ——FEELFLIPはメンバー各人の演奏スキルも高いので、技術的にも最初からかなり高度なものを求められそうですもんね。ちなみにSteveさんも加入前はパンク系のバンドを? Steve いや、エレクトロニカのバンドをやってました。電子音楽や同期をバンドや楽器隊と融合させたグループに居たんです。 ——FELLFLIPのような音楽性とはある種正反対なグループじゃないですか。 Steve 真逆ですね。そのグループはかなりかっちりとした構成だったこともあり、自分の性に合わないところがあって。「いつか自由にドラムを叩きたいな……」と考えていたところに、この話をもらったんです。 ——転向にはかなり勇気を有したのでは? Steve 元々色々な音楽が好きだし、影響を受けてきましたからね。それはあまり無かったですね。 FEELFLIP FEELFLIP ——逆にFEELFLIP側には、違った畑からのドラマーを迎えることへの抵抗等は? IKKE 無かったです。むしろドラムの安定感が欲しかったので。最初に合わせた時も非常にやりやすかったし。テクニックはしっかりとあるので、逆にグルーヴは一緒にやっていくうちに高めていけばいいかなって。 PON 元々色々な音楽を聴いてきたヤツだし、俺らも好きな音楽が全員全く違いますからね。 TOMOYA 色々なことをやってきたぶん、様々なリクエストにも即時順応してもらえるんです。一度聴いてもらえば、2度目からはスムーズに叩けちゃう。そんな技量と起用さを持っているヤツで。俺らの昔の曲も2回ぐらい聴けば叩けちゃうんですよね。今後、色々と贅沢なこともリクエストできそうなので、こちらとしても音楽性や表現の幅を広げていく為にもいいドラマーと出会えたと喜んでます。 Steve 自分らしさを尊重してもらって、自由に叩かせてもらってます。僕自身、このグループには毎度かなり刺激を受けていて。叩いていても都度新鮮だし。自身を更に成長させてくれるんじゃないかなって。Skhaoticという、いわゆる楽曲構成の概念をあまり考えず、捉われずにオリジナルな音楽を作っていく。それを単にトレースするのではなく、自分で思う、「こう叩いたら楽曲が更に面白くなりそうだ」、「ここでこう叩けば楽曲がこうなっていくんじゃないか」を入れ込んでいけたらなと思っています。 ——Steveさんの加入以降、どうバンドが変わりましたか? TOMOYA 演奏も安定しているし、正確だし、臨機応変なので、とてもやりやすいです。以前の暴れるドラミングからちょっとクールな感じに映るので、その辺りは従来のファンは多少物足りないかもしれないけど、まっ、その辺りもおいおいでしょう。 IKKE 既に10回近く一緒にライブをやってきて、グルーヴもかなり高まってきだしましたからね。これからです! ——では今後は、Steveさんの得意分野のシンコペーションやポリリズム、変拍子も取り入れられたりして? IKKE 早速今回、変拍子を取り入れさせてもらってます(笑)。ギター、ベース、ドラムに2管というスカバンドでは最小限のスタイルなので、この5人で何を表現できるかは常に課題の一つなので、ひとパートひとパートの結びつきをより深いものにしていくのが、今後の目標に加わりそうです。これからはそれらの結びつきも更に強いものになっていくことでしょう。

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オリジナル記事: 【インタビュー】FEELFLIP、一発録りの最新作『Recording Now!!!』で示したライブバンドとしての実力

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Reiに訊く15の質問と1つのお絵かき

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Rei
音楽への深い愛情と、確かな技術、そしてその可愛らしい容姿でデビュー以来確実にファン層を広げ続けるシンガーソングライター・Rei。先日行われた<フジロック>での演奏も話題となった彼女に、「一番言われて嬉しい言葉」や、「好きなお笑い芸人」等カジュアルな質問を中心に15の質問に答えてもらった。最後にQeticのマスコットキャラクター、「あいつ」をキュートに描いてくれたので、そちらもぜひチェックしてみて欲しい。

Interview:Rei

①まずは昨日の晩御飯と、今食べたいものを教えてもらえますか? 昨日の晩御飯はサラダを食べました。今は梨が食べたいです。 ②最近買った一番高い買い物はなんですか。 エフェクター用のケースです。フランスの音楽フェスで初めて活躍しました。お気に入りのバンダナをくくりつけました。 ③最近捨ててしまったものはなんですか。 ずっと愛用していたスカートが役目を終えたので、お礼を言って捨てました。 ④一番言われて嬉しい言葉はなんですか。 大好き ⑤一番好きな映画はなんですか。また一番好きな映画のフレーズは。 「ユリイカ」 「落ち込んだりもしたけれど私は元気です」魔女の宅急便より ⑥お気に入りのギターにニックネームはつけていますか。 LG-2というGibsonのアコースティックギターは、モデル名の響きが似ているのと、ヴィンテージ楽器だということもあって「爺さん」と愛を込めて呼んでいます。 ⑦音楽活動で大切にされているのは「違和感」だそうですね。最近感じた違和感はなんですか。(音楽以外でも構いません) 日頃からパソコンやスマホに没頭しすぎている人をみかけると違和感を覚えます。 ⑧長岡亮介(プロデュース、共演歴もあり)の魅力を友達に紹介するとしたら。 何ごともフラットで偏見をもたない方です。 ⑨好きなお笑い芸人はいますか。 バナナマンさん ⑩<フジロック>出演おめでとうございます! <フジロック>の思い出はありますか。 近隣の山々に霧がかかっていた光景がとても綺麗だったことです。あと、バンドメンバーが誕生日だったので、帰りのサービスエリアでケーキとバースデーソングでお祝をしました。 ⑪アーケイド・ファイア、フェニックスらが出演したフランス<Les Eurockéennes>に出演の感想を教えてください。 音楽に熱狂的な方が多くて、世代も広く、ポジティブなエナジーが溢れていました。 REI aux Eurockéennes – ARTE Concert
⑫緑を最近好きになったそうですが、小さな頃から好きな色は何色ですか。 青です。 ⑬自身の楽曲をカバーしてもらいたいアーティストは BECK Beck - E-Pro
⑭新作のタイトル『CRY』に込めた意味は CRY=泣く、のは感情が溢れだす瞬間。EMOTIONALに生きていたい、という想いをこめました。 ⑮『CRY』の聴きどころを教えてください。 もがきながらも、前向きに戦う主人公を描いた歌詞です。 Rei "Tumblin’" (Official Music Video)

Reiが描いたQeticマスコットキャラクター「あいつ」

Rei
Illustration by Rei

RELEASE INFORMATION

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【インタビュー】ダイソン創業者の息子率いるザ・ラモナ・フラワーズ。日本との親和性、U2のようなスケール感の音楽を語る

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英ブリストルで結成され、14年にデビュー作『Dismantle And Rebuild』を発表すると、その後ステレオフォニックスのツアーに参加。16年に2作目『Part Time Spies』を発表して、<FUJI ROCK FESTIVAL’17>(以下、フジロック)への出演のため初来日した5人組、ザ・ラモナ・フラワーズ(The Ramona Flowers)。来日直前には、ニューEP『MAGNIFY』に日本盤ボーナストラックを追加した国内盤もリリースされた。

The Ramona Flowers - Skies Turn Gold

新曲“If You Remember”“Take Me Apart”“Numb Drunk”の3曲に、過去曲、日本人アーティストによるリミックス、ライブ音源をコンパイルしたこの作品は、インディ・ロックやニュー・ウェイヴ、エレクトロまでを取り入れた音楽性や、グラム・ロックやUK耽美派、もしくはニュー・ロマンティックを思わせる英国特有のメロディを持つ彼らの最新形と過去とがまとめられたまさにバンドの入門編と言える内容。

The Ramona Flowers - Run Like Lola

ギターのサム・ジェ-ムスは世界的掃除機メーカー・ダイソンの創業者・ジェームス・ダイソンの息子でもあり、来日中はダイソンの世界初のフラッグシップ店となった青山店でインストア・ライブも行なった。フジロック出演前、日本に到着したばかりの彼らに、結成から現在までの歩みや新曲のレコーディング過程、そして現在制作中というニュー・アルバムの方向性について訊いた。

The Ramona Flowers - Start To Rust

Interview:ザ・ラモナ・フラワーズ

ザ・ラモナ・フラワーズ ——ラモナ・フラワーズというバンド名は、『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』のヒロインの名前から取られていますね。この作品はバンドがテーマになった物語でもあるだけに、とても面白い話だと思いました。 サム・ジェームス(Gt)(以下、サム) 僕がその映画を観て「いいな」と思って決めたんだ。映画の中であの女性キャラクターが登場したとき、すごくミステリアスで、とてもいい名前だと思った。それで色々と調べたら、他に同じ名前のバンドもいなくてね。みんなに提案してこの名前に決まったんだ。  ——「ミステリアスな雰囲気」というのは、バンドにとって大事な要素だったんですか? サム そうだね。ミステリアスで、どこか神々しいような雰囲気があって――。それは大事な要素だったと思う。それに、そのラモナ・フラワーズ自体が、映画が進むにつれてどんどん役割を持ち出したというのもイメージにあっていたんだ。彼女はすごくクールだよ。 ——そもそもメンバーはどんな風に集まったんでしょう? スティーヴ・バード(Vo)(以下、スティーヴ) 最初、サムとウェインとデイヴが別のバンドをやっていたんだけど、それが上手く行かなくて終わってしまった。それでシンガーを探すためにウェブサイトに募集をかけていたのを僕が見て、オーディションを受けようと連絡したんだ。そうしたら、応募したのが僕しかいなくてそのままシンガーになった(笑)。エドはデイヴの知り合いで入ったよ。 ——サムはダイソンの創業者ジェームス・ダイソンの息子さんだけに、メンバーの間では驚きもあったんじゃないかと思います。 ウェイン・ジョーンズ(Ba)(以下、ウェイン) まぁ、僕はサムを小さい頃から知っていて、そのときはダイソン自体も本当に小さな会社だったんだ。町の小さい工場を持っている会社という感じでね。だから、僕からするとその後の方が驚きだよ。会社がどんどん大きくなっていったんだ。 スティーヴ 後からバンドに参加した僕とエドは、サムがダイソンの創業者の息子だと知って正直驚いたけどね。でもそれは、バンドに入って1か月後ぐらいの出来事だったと思う。最初はそんなこと全然知らなかったんだよ。 ザ・ラモナ・フラワーズ ——ラモナ・フラワーズにはインディ・ロックやニュー・ウェイヴ、エレクトロニック・ミュージックなど、様々な要素が詰め込まれています。これにはみなさんそれぞれの趣味・嗜好が反映されていると思いますが、メンバーそれぞれが好きな音楽というと? デイヴ・ベッツ(Key & Gt)(以下、デイヴ) ボンベイ・バイシクル・クラブのフロントマン、ジャックがやっているミスター・ジュークス(Mr Jukes)はすごく好きだね。メインストリームの音楽とはちょっと離れたようなもの。あとはデ・ラ・ソウルのようなヒップホップ・アーティストも好きだよ。 スティーヴ ミスター・ジュークスは僕も好きだね。あとはフェニックスの新作『ティ・アモ』もよく聴いているんだ。 エド・ガリモア(Dr)(以下、エド) 僕は何でも聴くけど、最近はアメリカーナのようなものを聴くことが多いな。 ウェイン 僕も色々だけど、チェインスモーカーズの新譜を聴いているね。 サム 僕はサンファのデビュー・アルバム『プロセス』。ピアノとエレクトロニック・ミュージックが混ざった、あの美しい雰囲気は素晴らしいと思う。 デイヴ 基本的に、僕らの音楽はそういうメンバーそれぞれに好みが違うバラバラの音楽を、一か所にまとめていくことで完成まで持っていくんだ。 サム ラップトップを使って、全員がそれぞれのテイストでアイディアを加えていく。それをまとめていく中でプロデューサーが作業に加わっていくという制作方法なんだ。バンドをはじめた頃は、とにかく「エレクトロニックな要素を入れよう」ということは考えていたね。それが核にあって、あとは自然に今のような方向性になっていったと思う。 ザ・ラモナ・フラワーズ ——では、最初に曲を作ったときのことは覚えていますか? デイヴ 最初に作ったのは“Dismantle and Rebuild” だったと思う(14年作。現在よりエレクトロニックな音楽性ながら、壮大なサビを持っている)。この曲はいまだにバンドの核にある音楽性を象徴している曲として演奏しているよ。

The Ramona Flowers - Dismantle and Rebuild

スティーヴ “Dismantle and Rebuild”を作ったときは面白い話があったな。最初、バースはあったんだけどコーラスがなかったんだ。だからゲームをやっていたデイヴに「コーラスを考えてくれよ」と言ったら、「うるさいな。しょうがないから書いてやるよ」と言われて……。 デイヴ ちょうど機嫌が悪かったんだよ(笑)。 スティーヴ (笑)。でもその結果、この曲のコーラスが完成することになった。 サム それに、曲が完成する前に一度他のバンドのためにスタジオを空ける必要があってね。それで戻ってきたら、サンプラーのつまみが戻る前よりも7 BPMくらい速くなっていた。それをそのまま使ってみたら「こっちの方がいいんじゃない?」という話になって、最終的にそっちを採用したのも覚えてるよ。レコーディング中は、いまでもメンバーが間違えて弾いたフレーズを「そっちの方がいいよな」と採用することがあるんだ。そのためにもレコーディング中の音は全部録音しておいて、そこから使える要素を探していったりもするね。 スティーヴ そうそう。僕もボーカルをスマートフォンに録りためているよ。 デイヴ 僕も自分のギター・プレイを全部動画で撮ってる。じゃないと、ときどきどうやって弾いたフレーズなのか忘れてしまうことがある(笑)。とにかく、僕らはその場の偶然性も取り入れて、楽曲を完成させていくという姿勢を持っているんだ。 ——その際、全員で共有しているゴールのようなものはあると思いますか? スティーヴ スマッシュヒットだね!(笑)。 サム (笑)。曲作りに関して言うと、リスナーが次にどんな音が来るのか想像できてしまう曲ではつまらないと思うんだ。だから、メロディにしてもフックにしても、「次にどんな音が来るんだろう?」と楽しんでもらえるようなものが作れたら、それがゴールだと思う。 エド その上で、リスナーが共感してくれる要素があることも大切にしたいんだ。 ザ・ラモナ・フラワーズ

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【インタビュー】マーカス・キング・バンド、<フジロック>で示したサザン・ロック継承者としての実力

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The Marcus King Band
アメリカ南部に息づくブルース、カントリー、ソウル、ジャズ……。それらルーツ音楽の土着的な伝統は、オールマン・ブラザーズ・バンドやレーナード・スキナードといったバンドの台頭によって60年代から70年代にロックと邂逅し、今現在まで連綿と続くサザン・ロックの豊かな歴史を形作ってきた。その系譜の正統後継者と言うべき、若きギター・ヒーロー。それがマーカス・キングだ。 いまだ21歳という驚異的な若さのマーカス・キング率いるマーカス・キング・バンドは、2014年に自主リリースしたデビュー・アルバム『ソウル・インサイト』が話題を呼び、オールマン・ブラザーズ・バンドのウォーレン・ヘインズとデレク・トラックスに見初められることに。ウォーレン・ヘインズのプロデュースの下、デレク・トラックスもゲストとして参加した最新作『マーカス・キング・バンド登場!』は、米ビルボードのブルース・アルバム・チャートで2位を記録するなど、サザン・ロック・シーンに彗星のごとく現れた神童として、アメリカを中心に注目を集めている。 初来日となった<FUJI ROCK FESTIVAL ‘17>では、金曜深夜のCRYSTAL PALACE TENTと土曜のFIELD OF HEAVENで二度のパフォーマンスを成功させ、ライブ・バンドとしての実力を見せつけたマーカス・キング・バンド。 今回のインタビューの席には、パーマネント・メンバーであるジャック・ライアン(ds)、スティーブン・キャンベル(b)、ジャスティン・ジョンソン(tp, tb)、マット・ジェニングス(org, key)、ディーン・ミッチェル(sax)の5人も同席。物心がつく前から楽器と音楽に囲まれて生活してきたという幼少期からバンドの結成を経て、最新作『マーカス・キング・バンド登場!』をリリースするまで、マーカス・キングのこれまでの経歴を中心に話を聞いた。

Interview:マーカス・キング・バンド

The Marcus King Band ——今回はマーカス・キング・バンドにとって初めての来日となりますが、まずは日本の印象を聞かせてください。 マーカス 美しいところだね。まるで俺達の地元みたいだよ、湿気もすごいし(笑)。 スティーブン 俺達の地元もセミがよく鳴いてるから、本当にサウスカロライナに似てると思うよ。日本の文化もとても興味深くて、五感を刺激されてるような気がする。 ——あなた方は<FUJI ROCK FESTIVAL ‘17>に出演されたばかりです。あなた方の出番は金曜深夜のCRYSTAL PALACE TENTと土曜のFIELD OF HEAVENでしたが、日本で二度パフォーマンスしてみて、いかがでしたか? マット 金曜の深夜と、土曜の昼間の出演だったから、実質一日に二回ステージをやったようなものだったんだよ。どちらも、とにかくオーディエンスが素晴らしかったね。 マーカス 俺が聞いた話だと、金曜深夜に演奏した会場のテントはオランダ製で、建てるのに6日、解体するのに2日くらいかけて、いろんな国のフェスを回っているらしいんだ。そんなテントで演奏できるなんて、とても名誉なことだと思ったよ。 マット 次の日のステージは、お客さんの向こう側に山が見えて、小雨が降って霧がかっていたんだけど、その雰囲気もマジカルな感じがして良かったな。 THE MARCUS KING BAND - "Rita is Gone" (Live at JITV HQ in Los Angeles, CA)
——マーカスは幼少の頃からお父さんとお祖父さんの影響で、ギターを弾き始めたそうですね。最初にギターに触れたのは何歳くらいの頃でしたか? マーカス 3歳の時だね。俺の祖父はフィドル奏者だったし、大叔父や大叔母はゴスペルを歌っていたりして、音楽は常に生活の一部だった。3歳で初めてギターを手に取った時、すごい解放感が感じられたのを覚えているよ。その当時は自覚もなかったんだけど、後から振り返ってみると、自分にとってギターは感情を吐き出すための純粋なツールだった。幼心に、これが自分に最もふさわしい楽器なんだってことだけは分かっていた気がする。 ——どういう風に楽器を教わったのですか? マーカス もちろん実践的な弾き方を教わったこともあるけれど、自然と身についていったという方が正しいだろうね。昔から家に楽器がたくさんあって、ハイハイをしている頃から気づいたら自分から楽器を触りにいくような子供だったらしいんだ。小さい時はドラムを演奏するのが好きで、親はギタリストよりもドラマーになるんじゃないかと思ってたみたい。 ――それからギターへと興味が移っていったきっかけは何でしたか? マーカス 俺達のドラマー、ジャック・ライアンと出会ったからだね。バンドの中でも、彼との付き合いが一番長いんだけど、彼と会って一緒にプレイするようになってから俺はギターの方にフォーカスするようになったんだ。 ——幼い頃から、家族のバンドと一緒にステージに上がっていたそうですが、何歳ごろからステージに参加していましたか? マーカス 8歳の時が初めてのステージだった。演奏したのは“オレンジ・ブロッサム・スペシャル”っていうブルーグラスの曲で、4つのコードしかない曲なんだ。だから、当時から演奏の合間にアドリブを入れたりしてた。その他には、叔父さんやお祖父さんと一緒に、“アメイジング・グレイス”をやったりもしたね。 ——あなた方の生まれ故郷であるサウスカロライナ州グリーンヴィルという街の音楽シーンについて教えてください。そこには、どういうローカル・シーンが根付いているのでしょうか? ジャスティン 小さくて、閉鎖的だね。凄腕のミュージシャンやソングライターは沢山いるんだけど、演奏できる会場が少ないんだ。 ジャック 支えてくれるお客さんは沢山いるんだけど、みんな顔見知りみたいなものだから緊張感に欠ける部分もある。今日見に行けなかったとしても、また来週・再来週があるからいいや、みたいな感じで。だから、本気で音楽をやろうと思ったら、グリーンヴィルの外に出ていかないといけないんだよ。 マーカス グリーンヴィルに、堅い絆を持ったコミュニティがあるのは間違いないよ。じゃあ、そのグリーンヴィルから君たちはどうやって出たの? って聞かれることが多いんだけど、言ってしまえば、ただ離れたっていうだけなんだ。最初の数年は金にはならないかもしれない。でも、強い思いを持って離れるのは大事なことで、そうしなければずっと狭い檻の中に閉じ込められてしまう。そうは言っても、俺はグリーンヴィルを愛しているんだけどね! The Marcus King Band

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日本とフィンランドのカルチャーの架け橋になりたい、ピンキー!ノーラ&ペトラ。北欧スタイル×アイドル『オーロラとピース』を語る

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ピンキー!ノーラ&ペトラ
2019年に修交100年を迎える日本とフィンランド。そのアニバーサリー・イヤーを目前にして、でんぱ組.incピンキー!こと藤咲彩音と、フィンランドからやってきた姉妹・ノーラ&ペトラによる3人組アイドル・ユニット、ピンキー!ノーラ&ペトラが誕生した。 「北欧スタイル×アイドル」をコンセプトにしたこのグループは、もともとでんぱ組.incやピンキー!のファンだったノーラ&ペトラが、<DEARSTAGE SHOWCASE 2016>にオープニング・アクトとして出演。そこで3人が顔を合わせたことをきっかけに、17年に結成された。8月23日にリリースされるメジャー・デビューシングル『オーロラとピース』は、北欧らしさと日本らしさが絶妙に混ざり合った楽曲に乗せて、藤咲彩音が全曲で振り付けを担当した意欲作。北欧の森のように幻想的なタイトル曲“オーロラとピース”、キュートで賑やかな“恋するヘルシンキ”、そしてピンキー!が作詞も担当したポエトリー・リーディング曲“Kiertokulku”という、カラフルでバラエティに富んだ楽曲が収録されている。 果たして3人がこのユニットに感じる魅力とは? また、フィンランドと日本のメンバーが集まるグループならではの出来事とは? デビューを目前に控える3人に、『オーロラとピース』のレコーディング風景やMV撮影秘話、そしてこれまでの活動について聞いた。

Interview:ピンキー!ノーラ&ペトラ

ピンキー!ノーラ&ペトラ ——ピンキー!さんとノーラさん&ペトラさんが初めて会ったのは、<DEARSTAGE SHOWCASE 2016>だったそうですね。 ピンキー! 実はその前に、海外で会ったことはあったんです(笑)。でも、『DEARSTAGE SHOWCASE 2016』でちゃんと会ったときに、2人がでんぱ組.incの“とんちんかんちん一休さん”を踊っているのを見て、私たちの楽曲を踊ってくれていることが新鮮で嬉しかったですね。そのときは、まさか一緒にユニットを組むとは思っていなかったので、2人の今後の活動が気になってました。そしたら、私と一緒にユニットを組むことになったんです(笑)。 ノーラ バックステージでピンキー!さんに「一緒に写真を撮ってもらっていいですか?」と聞かれて、「いやいや、逆ですから!」と思いました(笑)。ちなみに、初めて会ったのはフランスだったんですよ。 ピンキー! ああ、フランスだぁ! ——じゃあ、でんぱ組.incのワールド・ツアーのときですか? ピンキー! そうですね。2015年の! ノーラ フランス(パリ)の<Japan Expo>。私たちはその少し前にでんぱ組.incのファンになって、フランスに来るなら「行かないと!」と思って、フランスまで旅行して初めてライブを観て、サイン会にも参加したんです。 ペトラ そのときの動画もありますよ(笑)。 ピンキー! 私もそのとき、「かわいい2人がいるなぁ」と思っていたんですよ。 ノーラ そこで、少し(ピンキー!さんがでんぱ組加入前に踊り手として活動していた)「踊ってみた」の話もして。 ピンキー! うん、覚えてる! 「海外の人も私の『踊ってみた』の動画を観てくれてたんだ!」と思って、すごく嬉しかったんですよね。 ノーラ それが初めての出会い。 ——もちろん、でんぱ組.incは海外にも多くファンがいるグループですが、フィンランドにいて、どんな風に日本のアイドルに興味を持ったんですか? ノーラ YouTubeで観たのがきっかけでした。特にペトラは日本のアイドルさんが大好きで。フィンランドにも、日本のアイドルの熱心なファンはいるんですよ。 ——特にピンキー!さんのどこに惹かれたんでしょうね? ペトラ エナジー! ノーラ そう、挑戦していくところや、踊りがすごく綺麗なところが好きで。ピンキー!からインスピレーションを受けて、「自分も富士山に登りたい」と思ったり、「自分もマラソンを走れるかな?」(藤咲さんは16年にメルボルンマラソンを完走)と思ったり、パワーをもらったんです。 ピンキー! 実は昨日、3人で富士山に登ってきました。富士山帰りなんですよ(笑)。 ノーラ すごく大変だったけど、楽しかった! ——一方、ピンキー!さんの2人の第一印象はどんな感じだったんですか? ピンキー! やっぱり、「綺麗な人やなぁ」という感じでした(笑)。日本人にはない容姿や肌の綺麗さがあって、「羨ましい……!」って。 ノーラ&ペトラ (嬉しそうに)いぇーい! ピンキー! 私は人の顔をコスプレ目線で見るんですよ。「この人のここのパーツがいいな」って。ノーラとペトラは骨格も瞳の色も綺麗で、「コスプレさせたら一番いいんじゃないかな」と思いましたね。 ペトラ コスプレはフィンランドでやったことがあります。 ノーラ 2年前にAKB48のまゆゆのコスプレをしました。 ペトラ 私も5年前、『けいおん!』の(平沢)唯のコスプレをしたよ! ピンキー! へええ! ノーラ あとは、『ローゼンメイデン』の雛苺(ひないちご)! ピンキー! あー、似合いそう! 一緒にコスプレが出来たらいいなぁ。 ピンキー!ノーラ&ペトラ ——日本が好きなノーラさん&べトラさんに対して、実はピンキー!さんも、もともと北欧が好きだったんですか? ピンキー! 私はもともと北欧柄がすごく好きで、最近はムーミンのファンにもなりました。ムーミンは最初、物語から入っていったら……沼だったんですよ(笑)。それでグッズを買い始めて、今は家にグッズがいっぱいありますね。 ——じゃあ今回のユニット結成は、お互いにとってすごくいいタイミングだったのかもしれませんね。 ピンキー! 「踊ってみた」も、北欧柄も、アイドルも――。お互いが欲しているものが一緒だったというか。本当にいいタイミングだったと思います。私はでんぱ組.incとして活動しながら、妄想キャリブレーションの(星野)にぁちゃんとのニァピンもやっていますし、最初は「3つも出来るかな?」とも思ったんですけど、フィンランドの女の子たちと一緒にユニットが組めるというのは「本当にワールドワイドだし、面白そうだなぁ。」と思って。それで、「やってみたいです!」と話しをして、実際に進み始めたのは3月ぐらいでした。 ——そこからユニットとして距離を縮めていったんですね。 ノーラ 最初はフィンランドのことやムーミンのことを話したりして……。 ピンキー! あと、フィンランドの挨拶を教えてもらったり! 「moi(やぁ!)」とかフィンランド語を教えてくれるので、私も日本語を教えたりして。そういう……異文化交流? をしていきました(笑)。 ノーラ 日本のお菓子も紹介してもらいましたね。「えーっ、これ何ですか!」って(笑)。 ピンキー! 逆に、2人はフィンランドのお菓子を教えてくれるんですよ。「チョコレートはパンダの形のものがあって美味しいよ!」とか。 ――フィンランドと日本だと、カルチャーショックを受けることが多くありそうですね? ノーラ 私は日本に留学したこともあったので、そんなにカルチャーショックはなかったです。でも、お土産文化はフィンランドにはあまりないので、土地ごとにオリジナルのフラッグがあったりするのはびっくりしました。 ピンキー! あとは……2人が「豆腐が安い」って言っていて驚いたりとか(笑)。 ――豆腐が安い(笑)。 ノーラ 私たち、豆腐が大好きなんです。でもフィンランドでは日本からの輸入品なので。 ピンキー! あと、おにぎりにピーナッツを入れているのは一番ビックリしました。調味料も「それに醤油かけて大丈夫なの!?」とか、すごく面白いんですよ。 ノーラ ピーナッツのおにぎり、ピンキー!にも作らないとね! ピンキー!ノーラ&ペトラ ——そうやって話していくと、お互いのことをより理解できるようになりますよね。メンバーそれぞれの性格/イメージというと、今はどんな風に感じていますか? ペトラ ピンキー!は動画で見ていたときと同じイメージで、全然変わらないんです。 ノーラ うん。それに色々と挑戦するところが好きで、最後まで諦めない。 ——じゃあ、憧れの人に会ったら、思った通りの人だったんですね。 ピンキー! 嬉しいけど恥ずかしい……。私から見ると、ノーラはすごくお姉ちゃんだし、逆にペトラは妹なんですよね。私は一人っ子なんですけど、色んな学校のクラスメイトを見て感じたのと同じように、ノーラはしっかりとお姉ちゃんで、ペトラはしっかりと妹で、その関係性がすごく羨ましいです(笑)。「姉妹欲しい……!」と思いました。 ノーラ&ペトラ (笑)。 ピンキー! それに、2人とも自分の意見をはっきり言うんですよ。このユニットは私が振り付けを担当していますけど、ペトラも妹なのに「こういう風にしたらいいんじゃないですか?」って言ってくれたりしていて。それがすごく助かりますね。 ノーラ フィンランド人って、スモールトークを全然しないんです。もしどこかに行きたくなかったら「行きたくない」と言えば「ああ、そう」となるだけ。振り付けでも、ピンキー!が考えてくれたアイディアでも「前の方がいい!」って言うのも私たちは全然平気です(笑)。 ——楽な関係性なんですね(笑)。今回メジャー・デビューシングルの『オーロラとピース』がリリースされますが、衣装がフィンランド国花のスズランになっていることからも分かる通り、この作品にはフィンランドっぽさと日本っぽさがどちらも感じられますね。タイトル曲“オーロラとピース”を最初に聴いたときの感想は? スズラン ペトラ 私はイントロがすごく好き! ノーラ 私は魔法の森のイメージ!メロディが本当に好きで、ムーミンの魔法の森のような雰囲気があって、「いいなぁ!」と思いました。すごくリラックスできるような感じがしました。

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まだ夏は終わらない!MV女優、アリスムカイデの素が見える“夏にときめくロック”14選

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アリスムカイデ
mysoundが注目するさまざまな分野の人物に、テーマに合わせた楽曲をピックアップしてもらい、その曲にまつわるエピソードや思い入れを語っていただくプレイリスト企画。今回はMV女優いう独自の肩書きを名乗り注目を集め、モデル・DJ、ブランド『surreARIS』のディレクターを務めるなど、多方面で活躍するアリスムカイデさんに“夏にときめくロックミュージック”というテーマでプレイリストを作成していただきました。ミステリアスなアリスムカイデさんの本質が少しだけ見える14曲をご紹介します。

アリスムカイデ “普段の自分はオフで愛されればいい”

アリスムカイデ ——MV出演やDJ、音楽番組出演など、ムカイデさんにとって活動面でも縁深い音楽ですが、普段はどう付き合っているのでしょう? アリスムカイデ(以下、アリス) 音楽は四六時中聴くし、ライブやフェスにもよく行きます。基本的にMVを観ることが好きで、映像がいいなと思ったことがキッカケで好きになったアーティストもいますね。 ——「MV女優」というワードで注目を集めていますが、ご本人はどのようなものだと思っていらっしゃいますか? アリス モデルの仕事でも主役は服で自分はそのイメージをよりよく伝えるためのマネキンだと思っているし、MVでも私は曲の良さを一人でも多く伝えるための要素のひとつだと思っています。求められない限り自己主張する気はないですね。もともとアリスムカイデ自体が求められて出来たキャラクターなので。 ——自分自身の本質的なところとは、ちょっと違う? アリス 急にブチ切れたりしないし、全然クールでもないですよ。赤文字系の純粋な美人には勝てないけどこのキャラで行けば道は作れるかなって。かといって、全然無理はしていなくて。どちらも嘘じゃないし、こっちはこっちで楽しんで、普段の自分はオフで愛されればいいので。 ——今回のプレイリストから普段のムカイデさんが垣間見られればいいなと思います。テーマは、“夏にときめくロックミュージック”。ときめくっていうワードが意外でした。 アリス ああ、たしかに。「椎名林檎好きでしょ?」とか聴かれるんですけど、実は俄然、aiko派なんですよ(笑)。実際恋愛ばかりして生きてきたし、ときめいてないと生きている意味ないんじゃないかと思っているので。プレイリストでもそういう感じは出そうかなと ——そんなプレイリストのオープニングは、BIGMAMA“春は風のように”。夏のプレイリスト、といいつつ……。 アリス 1曲目から思いきり春ですけど(笑)。四季を歌っているので、1年中聴いちゃうんですよね。BIGMAMAは、ずっと好きです。中でも「計算高いシンデレラ」が自分のテーマソングだと思っていて。かかとを潰してガラスの靴を無理矢理履いて、今どき運命は自分でたぐり寄せないとねっていう歌です。 BIGMAMA– “春は風のように” ——2曲目は、Mrs.GREEN APPLE“サママ・フェスティバル!”。ザ・夏ソングで、こちらも少し意外性のあるチョイスですね。 アリス 根っこの私が好きな曲です。最近自分がアリスムカイデ像に引き寄せられている感じがしていたんですけど、これを聴いたとき「ああ、よかった。私、まだ残ってる。」って安心しました。本当は“運命の出会い”とか信じちゃうぐらい楽しく生きることが大好きなので、最近は笑顔を解禁したり素の自分に寄せていこうかなって。 Mrs.GREEN APPLE – “サママ・フェスティバル” ——3曲目も夏らしく西海岸ノリのハイテンションな曲。TOTALFAT“Summer Frequence”。 アリス 夏はメロコア・パンクでアツく行こうってことで、その中でもみんなで聴いて盛り上がった思い出のある曲ですね。もともとはHi-STANDARDがきっかけで、メロコア好きになって。 ——ライブに行ったら? アリス もちろんゴチャゴチャしたなかにいます(笑)。 TOALFAT – “Summer Frequence” ——4曲目は、Czecho No Republic“Amazing Parade”。 アリス これは年越しのカウントダウンフェスの1曲目で、そのとき観た思い出も相まって、すごくキラキラしたイメージが強くて。一年中いつでも聴けるけど、とにかく夏に聴いていて楽しい曲です。 Czecho No Republic – “Amazing Parade” ——5曲目は、chelmico“Summer Holiday”。テーマにはロックとありますが、ここでメロウなラップミュージックが。 アリス 1曲ゆるいの挟んどこうかなと。今回選んだ曲って「星・花火・海」っていうワードが出てくるんですけど、この曲は海ですね。普段の2人とのギャップも含めて、すごくカッコいいです。 chelmico – “Summer Holiday” ——ムカイデさん自身、現在の活動と平行して音楽活動を……というようなビジョンはありますか? アリス 音楽活動ではないけど、今回立ち上げたブランドの映像用に曲を作ろうかなと。「歌うモデル」のイメージについて考えることもあるけど、自分の人生なんで機会があるなら欲張っていいと思うし、やれることは全部やりたいなって思っています。 アリスムカイデ

夏にときめくロックミュージック残り9曲をチェック!

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interview & text by 野中ミサキ photo by 中村しんたろう

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今話題の渋谷のヤバいロッカーで盗難被害にあった @Not1nservice 氏に緊急インタビュー!

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2017年8月26日(土)、Not in service氏が渋谷のあるコインロッカーに預けたはずの仕事鞄とリュックは消えていた。好きな街、渋谷で嫌な思いをしたくない為、これ以上犠牲者を出さない為にも、Not in service氏はtwitterに「渋谷のヤバイロッカー」の情報をポスト。そのツイートは瞬く間に広まっていった。 そんな彼にQetic編集部は緊急メールインタビューを行なった。

盗難被害にあったNot in service氏とは?

Not in service 1984年生まれ。 早稲田大学二文学部卒。 中学生時代から演劇部に所属。 2006年に早稲田にて個人プロジェクト「Not in service」を開始。 以降早稲田、東京各所を中心とした場所で年2回程公演。就職後、2012年にエンターテイメントに力点を置いた社会人劇団「定時残業Z」を結成。両方の脚本・演出を手掛ける。 大学卒業間近にDJ活動を開始。ビートマニア、90年代アニメ/ゲーム、初期ニコ動ムーブメント、club snoozer、maltine recordsといった音楽に影響を受け、都内でイベントを企画。 2014年より開始した、「KING OF POP」は、2015年1月盛況の後に終了。 「ポップミュージックをサイエンスする」というコンセプトで継続して行われている。 平日に恵比寿baticaで行われていた田中宗一郎と西村道男による「二人会」にもラウンジでレギュラー参加していたり、tomadが渋家にて企画するイベントにも何回か参加。 いい年こいた遊び人。

質問事項

・なにを盗られたか ・盗まれた分でいくらぐらいになるのか ・どのくらい仕事に支障が出たか ・盗まれたものの中で今一番心配なもの ・そのロッカーの噂については知っていたか ・盗人と管理人はグルだと思うか(犯人についての考察) ・どういった仕返しをしたいか ・ツイッターでバズったが、その感想 ・バズったけど荷物はまだ戻ってない感想 ・盗まれて、逆に清々しい気分になったか ・どこに行っても、もうロッカーは使いたくない? ・自分が盗むならどういったロッカーを狙うか ・盗まれてから初めて食べたご飯は? ・盗まれてから初めてみた夢は? ・今後の予定

なにを盗られたか

仕事鞄とプライベートの黒リュックです。 仕事鞄には家のカギ、社員証、手帳、「猫が教えてくれたこと」みたいな名前の小さい本が入ってました。 リュックは、自分芝居やってるんですけどそのネタ帳5冊、CDプレーヤー、そのなかに入ってたtofubeats『FANTASY CLUB』、CDケースにSyrup16gの激レアライブ音源、HALFBY、The XXの『I SEE YOU』が入ってました。そして3年以上使ってたノートPCとその周辺機器ですね。

盗まれた分でいくらぐらいになるのか

そんなに高くないかも。PCが6万、リュック1万、仕事鞄1万、CD諸々1万、、でも総計すれば10万程度にはなりますね、やっぱり。

どのくらい仕事に支障が出たか

会社内のセキュリティー高めの場所に行くためにはどうしても社員証なきゃダメで、それは同僚に行ってもらったりしてます。8月一杯はそうなりそうです。

盗まれたものの中で今一番心配なもの

うーん、まあPCと鍵かなあ。悪用されるとしたらそれくらいなんで。鍵あけられたら怖いです。

そのロッカーの噂については知っていたか

全く知りませんでした。 なんか警察24時みたいな番組にも取り上げられたロッカーらしいですね。ほんとかな。

盗人と管理人はグルだと思うか(犯人についての考察)

あーそういうのも言われましたね。 一応ツイートしたんですけど、正直な感想としてはぶっちゃけ、そんなわけねえじゃんと思ってます。 本当だとしたらなんか二流小説っぽいな。

どういった仕返しをしたいか

全然仕返しとか考えてないですけど俺がもしヤクザなら指詰めさせますね。ははは。

ツイッターでバズったが、その感想

正直ちょっとはバズるかなって思ってました。明確な殺意を持ったツイートでしたし。だからもうツイート自体が復讐に近いっちゃ近いですね。 さすがに6万以上も伸びるとは思ってませんでしたけど。なげーよwって。 なんかもうツイート自体が別の生き物みたいですね。

バズったけど荷物はまだ戻ってない感想

これなんかインスタとかで書いたんですけど、やっぱ長年使ってたものってなんか体の一部みたいな感じなんで、微妙な欠損の感覚がありますね。 あ、コップ掴もうと思ったけど手がないや、みたいな。

どこに行っても、もうロッカーは使いたくない?

いや、別に使いますよ。むしろクラブ内とか、駅ロッカーとかにしようかなっておもいます。友達や親ともそういう話に落ち着きました。

自分が盗むならどういったロッカーを狙うか

自分は人の物を故意に盗むようなことをしません。

盗まれてから初めて食べたご飯は?

友達と秋葉原のラーメン屋で野菜タンメンと半チャーハンを食べました。

盗まれてから初めてみた夢は?

これ見てないですね。いい夢っていうか、面白い夢が見れるといいのですが。

今後の予定

10/7(土)デイタイム 12/1(金)オールナイト いずれもいつもお世話になってる恵比寿BATICAという場所でDJしたりイベントを打たせてもらいます。 その時には新しいPCでDJができるようになっているので、是非とも来てください(笑)。 あと来年の8月くらいを目指して自分の劇団の公演をやりたいですね。 それも今オフィスソフトの全くない新PCで企画書と脚本を書く予定です。 king of pop not in service 定時残業Z

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【インタビュー】GRAPEVINE 『覚醒』から『ROADSIDE PROPHET』へ至る20年

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GRAPEVINE
『覚醒』でのメジャー・デビューから20年。そんな節目とも言うべき2017年に、GRAPEVINEが通算15作目となるニュー・アルバム『ROADSIDE PROPHET』を完成させた。 20年の深い年輪とこれからの未来に思いを馳せる歌詞と、勇壮に鳴り響くホーン・セクションの祝祭的なサウンドがストレートに心を打つリード・シングル“Arma”。20周年にうってつけの華々しい幕開けから始まる全11曲だが、そこに過剰な気負いや余計な感傷は一切ない。彼らはこれまでと何ら変わらないまま飄々と、しかし真摯に音楽と向き合い、ただ純粋にまだ見ぬ世界を求めて旅を続けている。 そこで今回のインタビューでは、特に音楽的な側面にフォーカスを当てつつ、デビュー作『覚醒』から最新作『ROADSIDE PROPHET』に至るまで、20年に渡るバンドの歴史を振り返ってもらった。

Interview:GRAPEVINE

GRAPEVINE ——今年はバンドの20周年ということで、5月に対バンツアー<GRUESOME TWOSOME>がありました。ユニコーン、Dr.StrangeLove(長田進 / 根岸孝旨 / あらきゆうこ)、clammbon、STRAIGHTENER、OGRE YOU ASSHOLE、NICO touches the Walls、麗蘭、UNISON SQUARE GARDENと、先輩・後輩入り混じって、いろんなバンドと対バンしてきましたが、このツアーはいかがでしたか? 田中和将(以下、田中) とても楽しかったですよ。「20周年記念ライブ」って銘打ったワンマン・ライブをやらずに、いろいろなゲストを呼んで対バン・ライブを組んだんですけど、我々の演奏も最後までダレなかったし、結果的にはより「20周年記念」感が出せたんじゃないかな。20年の間で関わってきた人たちと一緒にステージに立つことができて、改めて自分たちのキャリアを実感できました。 ——また、先日は<FUJI ROCK FESTIVAL ‘17>(以下、フジロック)にも参加していました。<フジロック>でのライブは3回目ですが、今回のステージはいかがでしたか? 田中 過去に出た中でも一番良かったんじゃないですかね。僕らが始まってすぐに土砂降りになって雨宿りのために屋内に入ってきた人たちも「良いやん」と思ってくれたみたい。<フジロック>のお客さんはライブに慣れてる方も多いと思うんで、ああいう反応は嬉しかったですね。 ——今年6月にアルバムに先行してリリースしたシングル“Arma”は20周年記念にも相応しい、ストレートな歌詞とサウンドになっています。この曲を作っている時には、「20周年」はどれくらい意識していたのですか? 田中 アルバムに向けてレコーディングを始めて、その中からシングルに選んだ曲なんですけど、その時点ではまったくそういう意識はないですね。ただ歌詞を書く際には自分たちの20年のキャリアのことはだいぶ意識しました。 ——この曲では、ホーン・セクションが印象的に使われています。これまでのGRAPEVINEには、ほとんどホーン・セクションを使った曲が無かったと思うんですが、この曲でホーンを使うというアイデアはどこから生まれたものですか? 田中 キーボードやってくれてる高野さんが「ホーンでも入れてみたらいいんじゃないか」と言い出して。高野さんがシンセでフレーズを作って、最終的に生に差し替えました。セクションとしてホーンを取り入れたのは初めてなんですよね。一本とかで入れたことはあるんですけど。 GRAPEVINE - Arma(Music Video)
——ジャム・セッションで曲を作るようになってから、ここ最近のアルバムはずっとセッションから生まれた曲と、亀井さん作曲の曲が半々くらいのバランスとなっていましたが、今回の新作『ROADSIDE PROPHET』はバンドが作曲クレジットになっている曲は2曲(“これは水です”“レアリスム婦人”)だけで、あとは田中さんと亀井さんの作曲になっています。今回こういうバランスになった理由を教えてください。 亀井亨(以下、亀井) 珍しくプリプロの段階で曲がたくさんあったから、っていうだけですね(笑)。レコーディングの時に曲がない場合に、じゃあジャム・セッションで曲を作ろうかって話になることが多い。 田中 亀井くんがたくさん曲を持ってきてくれたんで、やることがたくさんあるわけですよ。大体そういう作業の隙間でジャム・セッションをするんですけど、今回はそういう機会もあまりなかったですね。 ——やはりジャム・セッションから曲を作っていく方が時間はかかるんでしょうか? 亀井 ジャム・セッションをするだけでも、二時間くらい回しっぱなしでやりますからね。そこからチョイスして、構成して……ってなるんで、時間はかかりますね。
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亀井亨
——田中さんが作曲した楽曲は、『真昼のストレンジランド』以来だと思います。前作のタイミングで、田中さんは「家で曲を作らなくなった」というようなことを仰っていましたが、今回また作曲をし始めたのはなぜでしょうか? 田中 僕、あんまり宅録とか向いてないタイプなんですよ。「自分色」があんまり楽しくなくて、どんどん冷めてくるというか、「これ、何がええの?」っていうのが分からなくなったりするタイプで。だから、あまりバンドに持っていかないっていうだけなんです。今回は持ってかなあかんかなっていうプレッシャーを感じたんで、持っていったっていうだけの話ですね(笑)。 ——今回のアルバムは、高野寛さんがプロデュースに4曲参加した前作から、またセルフ・プロデュースに戻っての製作となっています。ただ、これまでのセルフ・プロデュース作がかなり密度の濃い作品になっていたのに対し、新作は良い意味で力みがなく、オープンなサウンドになっているように感じました。 田中 まぁ、曲によりけりかなぁ。でも、雰囲気はオープンになってきているとは思いますね。ここ数年の作品もそうですけど、作り込み方の種類も変わってきていると思います。曲によったり、その時によったり、ケースバイケースなんで、一概に言うのは難しいですけど、すごくリラックスしてやれているのは間違いないです。 ——例えば、“Arma”はどういう風に作り込んでいったんですか? 田中 亀井くんが持ってきた曲なんですけど、結果として“Arma”に関してはすごくシンプルにやろうと。別に原点回帰とかそういう意識は一切ないですけど、90年代のそれこそオアシスみたいに、最初から最後までギミック無しでやるのが潔いんじゃないかっていう発想から始まりました。 西川弘剛(以下、西川) でも、そこまでの間でかなり苦労はしてますね。いきなりそんな選択をすることはまずないんで、その選択肢に至るまでに相当苦労してます。 亀井 どうしても、何かやりたくなる性質なんで。でも、何年かに一回とか何曲かに一回くらい、これはストレートにやろうみたいなのが来ますね。 田中 そう、たまにあるよね(笑)。 西川 こんな構成の曲って、多分今までやったことないくらいなんですよ。ここまで単純な構成で、2コーラスで終わりみたいなのって。相当珍しいです。 田中 これをシングルにするんであれば、歌詞に20周年感みたいなものを匂わせたらお客さんも共感してくれるんじゃないかという気持ちもありつつ(笑)。かなり意識して書いたっていう感じですね。

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現役高校生バンド、ニトロデイの好きな曲とは?グランジを愛する彼らを解き明かす楽曲を紹介

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ニトロデイ
mysoundイチ押しのアーティストにテーマに合わせた楽曲をピックアップしてもらい、その曲にまつわるエピソードから本質を掘り下げていくプレイリスト企画。今回は現役高校生という新世代バンド、ニトロデイが登場。7月にリリースしたEP『青年ナイフ』のタイトルチューンのMVを見た瞬間、見た目とニルヴァーナやナンバーガールを想起させるグランジ/オルタナのギャップに驚いた人も少なからずいたのではないでしょうか。研ぎ澄まされた一音入魂の演奏と感覚や色彩が迫ってくるフロントマン、小室ぺいの歌詞も切れ味抜群。そこで今回はメンバーからストレートに「好きな曲」というテーマで、この稀有なバンドの音楽的な志向を解き明かしてもらいました。

Interview:ニトロデイ

ニトロデイ

小室ぺい“今まで聴いたことのないギターのサウンドの感じと、曲から伝わってくるヒリヒリした感じ”

——10代でいわゆる90年代のグランジやオルタナティヴロックに近いサウンドをやっていることに驚いたんですが、そもそもの発端はなんだったんですか? 小室ぺい(以下、小室) 高校生になって、いろいろ聴いてて、まずナンバーガールから入って、そこからいろいろルーツとか探っていって、今のサウンドの下地になってるバンドとかを聴くようになって。で、そういうバンドやりたいなと思うようになって始めましたね。 ——ナンバーガールは何が良かったんでしょうね? 小室 今まで聴いたことのないギターのサウンドの感じと、曲から伝わってくるヒリヒリした感じ。初めて聴いた時はいろいろ自分の中でひっくり返ったというか、衝撃を受けました。 ——80年代や90年代の音楽の方が面白いですか? 小室 そうですね。自分の肌に合ってるというか、逆に最近のものは積極的に聴きたいなとあんまり思わないですね。あんまりリアリティがないなっていうか。言葉も音像もそうなんですけど、全体的にちょっと嘘くさいなっていう感じがしちゃうっていうのはあります。 ——ニトロデイのサウンドは楽器それぞれの主張がはっきりしてますね。 小室 そういう曲が多いかもしれないですね。各楽器が目立つというか、そういう感じが好きなんで。 ——小室さんはボーカリストとして影響を受けたとか参考にした人はいるんですか? 小室 カート・コバーンと木下理樹ですね。歌い方のスタイルは結構、影響受けてます。曲で聴いても際立って聴こえるし、ま、そこはすごいなと思います。 ——では早速、プレイリストについて伺うんですが、テーマはシンプルに「好きな曲」っていうことで。それぞれ選んだ理由と、影響された部分があれば教えてください。では小室さんから。ニューオーダーの中では明るめのナンバーですね。 小室 このぐらいの時代のニューウェーブや、そこらへんの音楽を最近聴くんですけど、この曲は聴いててドキドキしますね。音がちょうどよく、ビンテージ感があって。ニューオーダーで一番好きなのがドラムの音なんですが、それがなんかウキウキしますね。独特の時代の空気感がすごい詰まってて、いいなと思います。 New Order– “Bizarre Love Triangle '94” ——ジェフ・バックリーについては? 小室 初めて聴いた時に声も曲の雰囲気もすごくて、神聖な感じがして。サビとかは天国に行きそうな感じがしますね。鳥肌が立つ、すごい名曲だと思います。同じ人間とは思えない。 Jeff Buckley – “So Real” ——では松島さんの選曲を。GREAT3の“Golf”を選んだ理由は? 松島早紀(以下、松島) GREAT3は週に一回聴くぐらい好きで。で、最初に聴いた曲がこの「Golf」って曲だったんですけど、もうイントロから全部の音が好きっていうか、楽器も声も入ってる音が全部好きで。日々の生活でいろいろあっても聴いたらその瞬間は幸せみたいな。GREAT3は結構そういう感じで聴いてます。 GREAT3 – “Golf(24bit Digital Remastering)” ——大人っぽいチョイスですね。もう1曲はくるりの“ハローグッバイ”。 松島 くるりは特に歌詞が好きなんですよ。もちろん音も好きで、ちょっと入ってる効果音とかも。すごい悲しいことがあった時に聴きます(笑)。 くるり – “ハローグッバイ(ベスト オブ くるり Remastering)” ニトロデイ

ヤック、TOKYO HEALTH CLUB、エレカシなど、ニトロデイの好きな曲が登場!

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text & interview by 石角友香 photo by Mayuko Yamaguchi

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【インタビュー】ザ・クリブス 本能に従って制作された『24-7 Rock Star Shit』の裏側を明かす

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The Cribs
イギリス北部のウェストヨークシャーで結成されたジャーマン3兄弟によるスリー・ピース・バンド、ザ・クリブスが、通算7作目となる最新作『24-7 Rock Star Shit』を完成させた。 彼らのかねてからの憧れの人物だったスティーヴ・アルビニをプロデューサーに迎えたこのアルバムは、たとえるなら彼ら流のパンク・ロック・レコード。クリブス印のポップなメロディを随所に忍ばせつつも、全編にはいつになく荒々しくむき出しのギター・サウンドが広がっている。 つまり本作は、超低予算で制作された04年のデビュー作『The Cribs』から13年の間に人気バンドとなった彼らが、もう一度自分たちのルーツを見つめ、商業的な成功を気にすることなく、伸び伸びと好きなことを追究した作品なのだ。 とはいえ本作は、ジョニー・マーをメンバーに迎えて自身最大のヒットを記録した09年の『Ignore the Ignorant』と同様、キャリア最高位となる全英チャートの8位を記録している。本作に込められた思いや制作中のエピソードを、3人にメール・インタビューで聞いた。

Interview:ザ・クリブス

The Cribs ——何でも、今作のもとになった楽曲のうち4曲は元カーズのリック・オケイセックを迎えた前作『For All My Sisters』と同時期に制作が進められ、一時はそれらをダブル・アルバムとしてリリースする構想があったそうですね? ゲイリー いつの間にか、話が少し事実とは違ってきているみたいだね……。僕らがスティーヴ・アルビニと4曲を作ったのは2011年12月のことで、ちょうど『In The Belly Of The Brazen Bull』をレコーディングしていた時期だったんだ。で、そのうちの1曲“Chi-Town”はアルバムに収録されることになって、残りの曲は後のために取っておいた。 僕らはスティーヴと仕事ができたことが本当に嬉しくて、「将来、彼と一緒にフル・アルバムを完成させたい。」と思ったんだよ。だから、ダブル・アルバムを作ると構想したことは一度もなかった。でも、BBCのインタビューで「2枚のレコードを同時進行で制作してる」っていう話をしたものだから、そこからダブル・アルバムっていう誤解が生まれたんだと思う。 ——なるほど、そうだったんですか。前作『For All My Sisters』はポップな楽曲が詰まった作品だったのに対して、今回の『24-7 Rock Star Shit』にはあなたたちのパンク・バンドとしての魅力が詰まった作品になっていますね。 ゲイリー 確かに、『For All My Sisters』はバンドのポップな側面に焦点を当てたアルバムだったね。一方で今作は、曲作りもレコーディングも短期間で終わらせた。それぞれの曲を覚えるのがやっとな期間で、それが柔軟で自由な感じを生むのに必要だと思ったんだ。商業的な成功を目指さないレコードを作ることで得られる解放感が、僕たちにとっては心地よかったんだ。 The Cribs - Summer of Chances
——そもそもあなたたちは、デビュー当時からポップなメロディだけではなく、たとえば〈SSTレコード〉のようなUSパンク/ハードコア的な感覚も持ち合わせていたバンドだったと思います。パンク/ハードコアにのめり込んだきっかけはどんなものだったんですか? ゲイリー パンク・ロックが僕たちの原点であることは、いつまでも変わらない。僕たちはイングランド北部の小さな町で暮らす鬱屈した少年だった。そして、(プレイヤーに)電源を入れて大音量で曲を流して叫びながら、ただエネルギーを発散させていた。そういった音楽を手に入れられるコミュニティーの存在もまた、僕たちにとってはとても大事なものだった。 ファン向けの雑誌が好きでよく読んでいたし、〈キル・ロック・スターズ〉や〈サブ・ポップ〉の「シングルズ・クラブ」(レーベルから直接アーティストのシングルが届くサービス)やメーリング・リストにも登録していた――。そうすることで、外の世界や趣味が合うと思える人々と繋がっているような気持ちになれたんだ。現代からすればおかしな話に聞こえるかもしれないけど、インターネットが普及する以前のパンク・キッズにとって、それは本当に大事なことだった。もちろん、その一方で、僕たちはポップミュージックも大好きだったよ。80年代のポップミュージックはすごく甘ったるくてよくできていたから、印象的なフレーズが頭の中にしっかりと刻まれた。だから、90年半ばに10代になった僕たちが激しいパンク・ロックをやるようになっても、美しいメロディに対する愛着はつねに持っていたんだ。ラモーンズを愛してやまない理由もそこだと思う。3人とも子供の頃からビートルズやクイーンが好きで、同時にたくさんのガールズグループも好きだったんだよ。 ——では、パンク/ハードコアの中でも大切なアーティストや作品があれば、その作品との思い出も合わせて教えてもらえると嬉しいです。また、そうした音楽のどんなところに惹かれたんでしょう?(アティテュードなど、音楽的なことでなくても構いません)。 ゲイリー ハギー・ベアは、昔も今も一番好きなバンドだね。「環境に適応できない者たちが強い絆で結ばれたときに、どういうサウンドが奏でられるか?」ということを完璧に体現している。彼女たちは他にはない理想を共有し、男性が支配する当時の特異な音楽シーン(ブリット・ポップじゃなくてブリット・プープ=まぬけ、だね!)に束縛されてなるものかという決意を持って、ミュージシャンの才能に対する旧来の意見や、「いい」「正しい」と認められているものごとに背を向けていた。 結果として、彼女たちの音楽は実験的で、荒々しく、とんでもなく重厚で、当時のイギリスでは他の何よりも遙かにエキサイティングだった。彼らの決断と、高潔さ、そして自分たちの手で作り上げる手法は、僕に多大な影響をもたらしたよ。 ——では、音楽以外であなたたちがパンクを感じるものや瞬間というと? ロス パンク・ロックとは、何らかの活動というよりは、むしろ心の持ちようなんじゃないかな。たとえば、手首を怪我しながら、アルバム1枚のレコーディングでドラムをすべて叩いてみせるのは、ほとんどの人がパンク・ロック的だと思うだろう。これはまさに、4枚目のアルバムのレコーディング中に僕が経験したことだよ(笑)。それから、昔ゲイリーがツアー中に敗血症(細菌やウィルスが血液中に入り、臓器不全などの全身症状を起こす病気)になって入院しなくてはいけなくなったことがある。そのとき彼は、医者の指示に逆らって病院を抜け出して、ツアーをやり遂げた。これだってパンク・ロックだと考える人もいるだろう。ライアンだって、手を怪我したのにそれでもライブを最後まで続けたことがあるんだ。 ライアン うん、僕もロスと同じ意見だね。自分からパンク・ロックだと主張するのはなかなか気恥ずかしいもので、パンクというのは「心のあり方」だし、狙ってできるものじゃない。それでも興味深いと思ってもらえるようなちょっとした逸話があるとすれば、セックス・ピストルズの『Never Mind The Bollocks(勝手にしやがれ!!)』の30周年記念ライブで、サポート・バンドに僕たちが唯一選ばれたことや、ジョニー・サンダースのマネージャーから、かつて彼がステージ上で来ていた古いシャツを贈られたことが挙げられる。そのとき、「イギリスでこのシャツを受け取るにふさわしいのは、きみたちだけだ」と言ってもらえたんだ! これってかなりすごいことだよね……! ——今回はスティーヴ・アルビニのスタジオに滞在して制作が進められました。彼がかかわった作品の中で好きなものは? また、一緒に作業を進めていく中で、彼にどんな魅力を感じましたか? ライアン スティーヴとの仕事は本当に最高だったし、僕たちのようなバンドにとってはまさにこれ以上ない選択だった。作業はすごく簡潔で、本当に楽しみながらやれたんだ。若い頃から、僕たちはスティーヴ・アルビニが手がけたレコードのサウンドがとても気に入っていたから、彼と一緒にやってみたいとずっと思っていた。子供の頃、ニルヴァーナの『イン・ユーテロ』を初めて耳にしたとき、あのアルバムの音響はこれまで聴いてきた中で最高のものだと思ったよ。 今回のレコーディングは、基本的にはリハーサルでやるのと同じように全員で準備をして、それからスティーヴがマイクをセッティングした。そしてすべてを生演奏の形でレコーディングするっていう感じで、とにかくあっという間だったんだ。別のトラックを重ねたりはしなかったし、スティーヴはすぐに彼のサウンドを作り上げるから、スタジオでの休憩時間もほとんどなかった。こういうやり方だと、自分たちのエネルギーを強く保ったまま思い通りのレコーディングができるから、すごくよかったね。全員がスタジオに居合わせていることも、多くの楽曲を生み出す上で有効的だった。 スティーヴとは本当に仲良くやれたよ。彼はとても愉快で気の利いた人物で、一緒に熱中できることがたくさんあるし、共通の友人も何人かいる。すばらしい体験だった。

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イマドキ女子なラップユニットchelmicoが登場!気温35度、ハチミツに埋め尽くされた密室で聴きたい曲とは?

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chelmico
mysoundイチ押しのアーティストにテーマに合わせた楽曲をピックアップしてもらい、その曲にまつわるエピソードから本質を掘り下げていくプレイリスト企画。今回は等身大のリリックで人気を集めるRACHELとMAMIKOによる女性2人組ヒップホップ・ユニット、chelmicoの登場です。 彼女たちは9月6日に6曲入りの最新作『EP』をリリース。ここでは2人が敬愛するRIP SLYMEにも通じるような、過去最高にポップでクールなchelmicoワールドを広げています。今回は『気温35度、ハチミツに埋め尽くされた密室で聴きたい曲』というユニークなテーマで、お気に入りの楽曲を5曲ずつ選んでもらいました。

Interview:chelmico

chelmico

MAMIKO “「chelmicoでこういう曲がやりたい」と教え合うこともあります”

——2人は学生時代や幼少期に、お気に入りのプレイリストを作った経験はありますか? RACHEL 私は恋人に振られたときに失恋のプレイリストを作ってました(笑)。どんな曲が入ってたかは全然思い出せないけど、暗い感じだったと思います。むしろ思い出したくない……! 好きな曲をCDに焼いて、お互いに貸しあったりもしていましたね。 MAMIKO 私は作っていなかったんですよ。でも、aikoとかをシャッフルして「今はこんな気分なんだな、自分」って聴いてました。私は音楽の趣味が合う友達が少なくて、中学の頃はひとりでディグってはお兄ちゃんとかに話していましたね(笑)。おさがりのiPodをもらって、そこに入っていたタン(Tunng)みたいなフォークトロニカを聴いたりもして。 ——お互いに音楽を教え合うこともありますか? RACHEL もちろん! RIP SLYMEのように2人とも好きな音楽はありますけど、実はもともとの趣味は結構違うんですよ。 MAMIKO 私はゆっくりした曲が好きで、RACHELは速い曲が好き(笑)。でも、お互いの好きな音楽を聴かないわけではなくて、RACHELと知り合ってから、音楽の趣味が広がったと思います。「chelmicoでこういう曲がやりたい」と教え合うこともありますよ。 ——さて、今回は、『気温35度、ハチミツに埋め尽くされた密室で聴きたい曲』というテーマでプレイリストを作ってもらいました。これはめちゃくちゃ面白いテーマですね。 RACHEL 読まれると恥ずかしい(笑)。 MAMIKO RACHELが考えたんですよ(笑)。 RACHEL 夏っぽくしたいと思ったんですけど、「それ何?」という取っ掛かりがある方が、「どんな曲?」と記事を見てくれたり、曲を聴いてくれるんじゃないかと思ったんです。 MAMIKO 言ってしまえば、“ドロドロに暑い夏の日”ということですね(笑)。 RACHEL “バンドをやっていたときにこの時代の音楽を聴いて、その中で好きになったんです” ——では、1曲ずつ選んだ理由や、その曲との思い出を教えてもらえますか? RACHELさんの1曲目はゆらゆら帝国の“おはようまだやろう”です。 RACHEL ゆらゆら帝国は暑い夏に聴きたくなるんです。私はツイッターのIDも「@ohayoumadayarou」なので、タネ明かしの意味も込めて選びました。バンドをやっていたときにこの時代の音楽を聴いて、その中で好きになったんですよ。 ゆらゆら帝国 – “おはようまだやろう” ——すぐ好きになれました? RACHEL 全然。それまで聴いていた音楽とかけ離れていて、最初は「気持ち悪っ!」って(笑)。聴くうちに味わい深くなってきました。2曲目のチェット・ベイカーは最近よく聴いていて、今回のテーマにも合うと思って選びました。コリーヌ・ベイリー・レイは、前付き合っていた彼が教えてくれた曲。『The Heart Speaks in Whispers』を貸してもらったら全曲よくて、中でもこの曲はよく聴きます。マック・ミラーとアリアナ・グランデの“My Favorite Part”も、トロッとしていてコリーヌの曲に通じる気持ちよさがありますよね。 Chet Baker – “Don’t Explain” コリーヌ・ベイリー・レイ – “Horse Print Dress” MAC MILLER&Ariana Grande – “My Favorite Part”
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RACHELの最後の1曲とMAMIKOの選曲もチェック!

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text & interview by 杉山 仁 photo by 横山マサト

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【インタビュー】サイプレス上野とロベルト吉野 『フリースタイルダンジョン』から解き放たれ“音の大海原”へ

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サイプレス上野とロベルト吉野
かつて横浜市戸塚区にあった遊園地『横浜ドリームランド』の近くにある郊外団地=ドリームハイツ出身の先輩&後輩で結成され、07年のデビュー以降様々な音楽を飲み込んだサウンドとラップ・スタイルで人気を集めてきたサイプレス上野とロベルト吉野。彼らがなんと結成17年目にして、メジャーに移籍。メジャー・デビューEP『大海賊』を完成させた。 ロベルト吉野の一時活動休止を経て、15年にアルバム『コンドル』で復活した彼らは、サイプレス上野の『フリースタイルダンジョン』への出演なども追い風に人気を拡大。 そしてこのメジャー・デビュー作では、華やかさを増しつつも決して肩ひじ張ることなく、相変わらず彼ららしい音楽性を広げている。タイトルの『大海賊』とは、これまで同様、横浜ドリームランドに実在したアトラクションの名前から取られたもの。今まさに新たな大海原に漕ぎ出す彼らの現在について、作品の制作過程について、サイプレス上野氏に聞いた。

Interview:サイプレス上野

——ロベルト吉野さんが復帰して、15年に『コンドル』をリリースして以降の活動の広がりについては、どんな風に感じていましたか? 特に上野さんは『フリースタイルダンジョン』のモンスターとしても活躍することになったと思います。 それはやっぱり大きかったですね。でも、途中からはむしろ「嫌だなぁ」っていう感じで。 ——「嫌だなぁ」ですか(笑)。 もちろん、状況が変わっていくのは自分でもよく分かって、露出が多くなって色んな人に話しかけられるようになったり、ガキンチョたちに街で顔を指されたり、「ちょっと写真いいですか?」と言われるようになったりしたんですよ。 ただ、負けると色んなことを言われるわけで、「ああ、こういう世界なんだな。」「(番組が)こういうレベルになってきてるんだな」と感じてました。途中からは全然気にしないようにしてはいたけど、やっぱり戦いに行くというのは、あまりいいものではなかったですよね。「新木場行くのだりいな」って。 ——難しいことをしても、すべての視聴者がそれを分かってくれるわけではないですしね。 結局、何か言ってくるやつはプロ野球の試合を観て「何やってんだよ!」「ちゃんとやれよ!」って言うやつと一緒なんで。俺も言うから(笑)。でも、やってるやつが「じゃあお前もやってみろよ!」というのは一番言っちゃいけないことだし。そもそも自分たちはブームの中心人物だとは思っていなかったし、ずっとやってきたことの延長戦上でそうなっただけだったんですよ。 漢くんたちとも「全部勝たなきゃいけねえのかよ? 負けるときは負けるんだから仕方ないでしょ」と言っていて。それに、自分の場合は別に『フリースタイルダンジョン』に比重をかけていたわけではないから、それ用に練習することもなければ、サイファー(複数人が輪になって即興でラップをすること)も行かなかったんです。 ただ、地方に行って、番組が放送されていない場所でも声をかけられたりするようになったのは大きかったですよね。だからまぁ、今回のメジャー・デビューも、自分たちの中では、何度か話をもらったりする中で「次の段階に行こう」ということですね。 そのときに、顔が売れたという意味では関係があったかもしれない。でも、基本的にフリースタイルと俺たちが作る音楽とは関係ないんですよね。実際、今回の作品も「バトルMCを集めて戦いを歌います」みたいな曲は1曲も入ってないし、俺はああいうの、最低だと思ってるんで(笑)。 KEN(KEN THE 390)なんて、審査員として番組に出てるのにバトル・シーンのアーティストを集めて曲を出してて、「俺たちよりも先にお前がやるなよ!」って(笑)。まぁ、あいつは戦友だし、これは本人にも言ってることなんですけどね。そしたら「まぁまぁ」って言ってたけど、俺はそういうことはやれないんですよ。 ——作る音楽は変わらないということですね。フリースタイルのブームがあって、ヒップホップへの敷居が下がった今だからこそ、音楽的にヒップホップの楽しさが伝わるチャンスでもありますし。 間違いないですね。これはミスター小林さん(漢 a.k.a. GAMIが代表を務める鎖グループのマネージャー)にも言われたんですけど、「お前らはヒップホップのままポップ・アイコンになれるんだから、遠慮せずに行けるとこまで行っちゃえよ。」「あんなバトルするやつなんて絶対いないんだから」って。 『ダンジョン』のメンバーだったら、たとえば俺たちの今回の“ホラガイHOOK”も自分を卑下する曲だけど、Creepy Nutsとは角度が違って、あいつらは直接的に「俺たちはイケてませんでした」って言うけど、俺たちは「そこまでイケてなかったわけではないしな」という感じだし(笑)。一方で、DOTAちゃん(DOTAMA)は真面目じゃないですか。CHICO(CHICO CARLITO)は新人類だし、T-Pablowは不良の一番かっこいい形。それぞれ違うから、そこの強度がみんな一気に上がると、また面白いんじゃないかな、と思うんですよね。 ——吉野さんは前作『コンドル』の“THE LAST”で、上野さんが「活動はまだまだ(続けるよな?)」と振ったら「うん……まぁね」と濁していましたけど、あれは冗談だったわけですよね(笑)。2人でより大きなところでやっていく、と。 いや、あれ、マジだったんじゃないですか?(笑)。あいつはそういうやつなんで。でも、あいつも状況が変わってきたことは分かってるはずですよ。 ——では、結成17年目のメジャー・デビュー作となる今回の『大海賊』の収録曲についてそれぞれ聞かせてください。まず1曲目の“メリゴ”はSKY-HIさんを迎えて、フィリー・ソウル~ディスコ的な雰囲気のキラー・チューンの上で「これからも自分たちらしくやっていく」という2人の決意が表明された曲になっていますね。 このトラックに関しては、俺たちは去年星野源ちゃんの“SUN”を使ってライブをやっていて、本人も「超面白いじゃん」と言ってくれて。俺は自分のDJセットでもかけたりしていく中で「こういう感じの曲いいよな」と思ってたんで、今回岩崎太整くんと話をする中で、「自然に耳に入ってきて、なんかいい曲かかってるねという感じにしたい」と話しながら、その上でオリジナルなものにするためにいい塩梅を探っていった感じでした。 ——SKY-HIさんの客演はどんな風に決まったんですか? 何人か候補が上がってくる中で、「日高を歌で使うのはウケるなぁ」って(笑)。 ——SKY-HIはもともと、AAAの日高さんがラップを本格的にやりたくてはじめた名義だったにもかかわらず……(笑)。 そうそう(笑)。あいつとはもう10年以上の友達で、俺があいつのチ○ポを触ってる映像とかも残ってるぐらいなんですよ。でも、あいつにも新しいファンがついてるんで、参加が決まったときに「あいつとキス出来てチ○ポ触れるのは俺だけだ」って書いたら、中学生ぐらいのファンに「えっ?」って言われたりもして(笑)。 レコーディングは日高も日高で「ここはこういう節回しがいい」と何度も録り直してくれて、どんどん変わっていくのが面白かったですね。メリーゴーランドって、その場をずっと回ってるだけじゃないですか? でも、それでも楽しい人はいるわけだし、それでもいいんじゃないか、ということですよね。 【サ上とロ吉】サイプレス上野とロベルト吉野「メリゴ feat. SKY-HI」MUSIC VIDEO
——それはまさに、「これからも肩ひじ張らずに自分たちらしくやっていく」ということですね。次の“WALK THIS WAY(アセ・ツラ・キツイスメル)”にも、“最コア(=最高にコア/最高の最高)”をはじめ過去の曲に出てきたモチーフがちりばめられています。 俺たちの“よっしゃっしゃす〆”という曲に《汗・ツラ・キツいスメル/お送りしてるWALK THIS WAY》というリリックがあって、それがタイトルになっていて。これはライブ中、俺が吉野に「俺たちのスタイルで言ってやれ!」と言ったら、吉野が「汗、ツラ、キツいスメル」って言い出して笑っちゃったのが最初だったんですよ。 「それってまさに俺たちのことだな」って(笑)。「ツラ(面)」というのは本当に『WONDER WHEEL』を出した10年ぐらい前から言ってることですね。吉野と豊田に行ったときに、あいつが何にも刺されてないのにハチに刺されたような顔になってて、それを「ファイナル・フェイス(人として最後の顔)」と言い出したのが始まりでした(笑)。ツラが面白いというのは、「ヒップホップ第五の要素」ってみんな言うし。 ——ははははは。 だから今回、最初はもっと女子に嫌われるような内容にしようと思ってましたね。俺らはとんねるずの“一気!”とかが好きだから、ああいう感じにしようと思って。というのも、今古きよき時代の音楽がリバイバルしている中でも、あの辺りは埋もれたまんまだろうなって思うんですよ。そういうところをすくわないとな、って(笑)。実際、ああいうお笑いは日本では消えてるわけじゃないですか。今は色んなTVの規制もあるし、『ダウンタウンのごっつええ感じ』を観ていた人間からすると、松ちゃんですら文化人みたいになっていて「あれっ?」って。そんな時代に、とんねるずの視聴率が下がってもああいうことをやっちゃう感じを遠めに見ながら、あの全盛の頃を俺たちも体験したい、という感じで作っていきました。 それをトラックを作ってくれたYasterizeにお願いしたら、最初は超ノリノリだったんですけど、途中から「何を言ってるのかよくわからないです。キツい。」って言われて(笑)。それで途中から「アツい感じにするのもいいんじゃないですか?」という話になって、「そういえばそうだな」と。それでだんだん高校球児が見えはじめてきて、甲子園のテーマ・ソングとして使われたら嬉しいな、と思って作っていきました。 まぁ、長年高校野球に関わるテレビを観ている俺からしたら、絶対に使われるわけないんですけどね(笑)。でも今、球児でヒップホップを聴いてるやつってめちゃくちゃ多くて、この間も自分の母校の横浜高校(上野さんは松坂大輔と同級生で、当時応援団長)の試合を観に行ったら、次に3年になる万波(中正)ってやつに、「プロになったら曲を作ってほしい」とお願いされて、「お前絶対忘れんなよ!」って(笑)。 次の“上サイン”は、自分がやってるハンドサインの曲を作ろうと思ってたら、一時期MU-STARSの藤原(大輔)くんから、1日1曲ぐらいすさまじいペースでトラックが送られてくる時期があったんですよ。その中でちょうどハマりそうな曲が来たから作った曲。リリックは“メリゴ”とも繋がってて、「世の中にはしなくていいこともたくさんあるけど、別にそれをやってもいいんじゃないか?」というのが裏メッセージですね。

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Plastic Treeが語る20年。これまでの歩みを辿る移動中に聴く音楽

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Plastic Tree
今年デビュー20周年を迎えたPlastic Tree。「ヴィジュアル系ロックバンド」にカテゴリされる彼らだが、中でもこの4人組は、UKロックやオルタナティヴロックを下地に、その時期/時代毎に自分たちの興味のあるジャンルを取り込み、インディヴィデュアル(革新的な変化)を繰り返し、独特な音楽観として昇華させてきた。そんな彼らの活動は、ジャンル問わず多大なミュージシャンたちにも影響やシンパシーを与え、それらは9月6日発売の『Plastic Tree Tribute〜Transparent Branches〜』へと結実。 参加アーティスト毎のPlastic Treeへの独自の解釈や愛着を始め、自身の不変的なものや独自性が浮き彫りになっているところも興味深い。今回はそんなPlastic Treeが『移動中に聴くプレイリスト』と共に登場。それらはもちろん、彼らのバックボーンや信念、音楽に対する真摯な姿勢までもが垣間見られる面白い話も訊くことができた。 `

Interview:Plastic Tree

Plastic Tree
L→R :長谷川正(Ba) , 有村竜太朗(Vo) ,佐藤ケンケン(Dr) , ナカヤマアキラ(Gt)

長谷川正 “根本的な音楽に対する姿勢や考え方はずっと変わってないです”

——メジャーデビュー20周年おめでとうございます!まずはこの20年をざっと振り返っていかがですか? 有村竜太朗(以下、有村) あっという間に20年経ったという感じです。 ——この20年間、常にインディヴィデュアルを繰り返してきましたもんね。 長谷川正(以下、長谷川) とは言え、このバンドが当初に目指していた方向性からはあまりブレてないかな。UKロックやオルタナを軸に色々な音楽性を取り込んで今に至ってるんで。常に自分たちの中でこれだって音楽性に従ってやってきた、その根本的な音楽に対する姿勢や考え方はずっと変わってないですから。 ナカヤマアキラ(以下、ナカヤマ) ホント、やりたいことが都度明確で、その時々のベストと思えるものをやり続けてきただけです。まっ、それほど真剣に考えてやってきたわけでもないか(笑)。 佐藤ケンケン(以下、佐藤) 僕もこのバンドに入って(佐藤は2009年に加入)まずは、“色々と自由にやってるな……”と実感しました。おかげさまで自分も入ってからはかなり自由にやらせてもらってます。 ——9月6日は、そんなみなさんに影響を受けたり、インスパイアされたアーティストたちによるトリビュート盤もリリースされますね。 有村 各アーティストが持ち味全開で来てくれたのが嬉しかったです。自分たちの曲ながら、そのアーティストの新曲を聴くように楽しめました。各アーティスト、各々の持ち味を発揮しつつ、メロディラインはわりと原曲をキープしてくれていたので、それも愛着を感じられたし。 長谷川 Plastic Treeのことを知らない人が聴いても楽しめる作品ですよ。各曲の更なる可能性を引き出したり、広げてくれたものばかりだし。原作者冥利に尽きます(笑)。 ナカヤマ 永く続けているとこんなご褒美があるんだ・・・と感激しながら聴き進めましたから。 佐藤 自分たちでも、“次のライブでは、このアレンジで演ってみようかな……”なんて思ったし(笑)。 ——ラストには自身の新曲“ゼロ”も入ってます。 有村 この曲はデビュー10周年の武道館公演の際に無料配布した楽曲で。それを今のメンバー(前回は前ドラマー)でセルフカバーしました。バンドの姿勢やファンや周りのスタッフの方々への感謝の気持ち、それから自分たちへの祝福を込めて作った曲でしたが、ライブでも変化してきた部分も含め、これまでの自分たちと合わせ、上手く作品化できたかなと。

有村竜太朗 “ツアー移動中に雨が降ったりした際にふと聴きたくなる曲”

——ではここからはプレイリストに。まずは有村さんの選曲ポイントを教えて下さい。 有村 移動中に外をぼんやりと眺めながら、気持ちをここではないどこかへと飛ばす際に聴く曲たちです。 ——パワーポップバンドの印象が強い彼らですが、この曲はいささか牧歌性漂う楽曲ですね。 有村 フォークやカントリー調の曲です。僕は彼らのこういった面が好きで。結成直後、まだ車で全国を回っていた頃に、みんなでよく聴いてました。移動中の車窓から流れる景色を見ながら、“移動しているんだなぁ……”とか、“旅をしているんだなぁ……”と、しみじみとした気持ちになれます。 The Lemonheads – “The Outdoor Type” ——ザ・キュアーの中でも女々しさ成分が少なく(笑)、逆に明るさを感じる曲です。 有村 彼らの曲の中でも、わりとこの先に楽しいことが待っていることを予感させるような珍しいタイプの楽曲ですよね。ツアーやライブ先で楽しいことが待っている、それを信じさせ、明るい気持ちにさせてくれた曲でした。 ザ・キュアー – “Friday I’m In Love” ——ソウルフルや汗を感じる曲が選ばれていたのも意外でした。 有村 今回ツアータイトルに関連している曲なので(笑)。元々は子供の頃、桑田佳祐さんのソロのカバーで知りました。ツアー移動中に雨が降ったりした際にふと聴きたくなる曲でもあります。 Creedence Clearwater Revival – “Have You Ever Seen the Rain” Plastic Tree

Plastic Treeのこれまでの歩みを辿る移動中に聴く音楽をチェック!

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text & interview by 池田スカオ和宏 photo by Kohichi Ogasahara

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誰かに会いたくなる。素直な思いが鳴り響くロックバンド“odol”の楽曲を紐解くプレイリスト

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odol
mysoundイチ押しのアーティストにテーマに合わせた楽曲をピックアップしてもらい、その曲にまつわるエピソードから本質を掘り下げていくプレイリスト企画。今回はバンドスタイルでありつつ、自由なアートフォームを持ち、しかもまっすぐ届く歌が持ち味のodolが登場。 バンド結成時からのソングライト・コンビである作曲担当の森山公稀(Pf、Key)と作詞担当のミゾベリョウ(Vo、Gt)が今回選んだプレイリストのテーマは、“1st EP『視線』制作時に聴いていた曲”。先進性とポピュラリティを同時に広げた本作との関連をインタビューで明らかにしていきます。

Interview:odol

odol
L→R:ミゾベリョウ(Vo,Gt), 森山公稀(Pf,Key)

ミゾベ“この曲が一番代表的な曲になるなと思った”

——今回、ますますいわゆるロックバンド的ではないアンサンブルに変化してきましたね。 森山公稀(以下、森山) 他の音楽に触れたりする中で既成の形に深く根付くより、いろんなところを動いていきたいっていう気持ちの方が強いので、そこに挑戦していくような作曲をしようとしているという感じです。 ——リード曲の“GREEN”の内容は、世の中自体は混乱していて、でも自分の大事な人は傷つかないでほしいという、これまでに比べて明確な歌詞で驚きました。 ミゾベリョウ(以下、ミゾベ) この曲が一番代表的な曲になるなと思ったんで、今一番思うことを書こうとして。それで森山にどういったものにしようか? という話をした時に、日本人とか外国人とか関係なく、言葉は日本語だけど誰でも共感できるような曲を作ろうと。そのテーマに沿って自分で考えてたら、ああいう内容だったということですね。 ——誰でも共感できるというのは? ミゾベ “GREEN”で描いたことって、世の中では大変なことが起こっているけど、自分が一番純粋に思えることって、自分たちの見えているものしか本当の意味で見ることができないということで。本当の意味で人の立場になることは絶対できないし、自分は自分だからっていうところが、みんなが直接的に共感できるところじゃないのかな?と思ったんです。 ——今回はこの新作『視線』の制作中に聴いていた曲というテーマでプレイリストを作成していただきましたが、作品を作っている時のモードや曲の書き方にどう影響していたんでしょうか。まずウィーザーはいかがでしょう。 ミゾベ 僕は1曲1曲独立しているって感じじゃなくて、例えばウィーザーのこの曲は、去年『Weezer(ホワイト・アルバム)』が出て、すごく聴いてたってだけなんです(笑)。 Weezer – “L.A. Girlz” ミゾベ “GREEN”を作っている時に、さっき話したテーマにたどり着くためにいろんな届く範囲の広い曲を聴いてみようと思った時に聴いていた曲ですね。 くるり – “言葉はさんかく こころは四角(Single Ver.)” ——ではオアシスの“スタンド・バイ・ミー”はどういうスタンスですか? ミゾベ オアシスもthe pillowsもThe SALOVERSももともと自分がすごく好きだった曲で。今までだったら曲を作ったり歌詞を作ったりする時に、自分が今まで聴いたことのないような曲を聴いて、そこから何かを得ようと思ってたんですけど、今回一番した作業は今まで自分が好きだったものや感動したものをもう一回見返してみて、どこに感動していたのか、どこが一番好きだったのかというところを分析してみて、自分だったらどう表現するか?ということを考えたんです。 OASIS – “スタンド・バイ・ミー” ——“スタンド・バイ・ミー”は改めてどこに感動していたんでしょう。 ミゾベ 演奏やフレーズがどうとかよりも、一番は歌に感動していたのかなと思いました。そして一番自分にとってスタンダードなロックの音色って、この曲で鳴っているバッキングの音 なのかなと感じます。 ——the pillowsに関しては? ミゾベ 彼らは結構な割合の曲がストーリーの主人公になりきって書いた曲だそうです。けれど、この曲は結成当初の自分たちのことを書いた曲らしくて、それがストレートに表現されていて。テクニックの部分じゃなくて自分たちの感情の部分を音にした曲だなというところが一番感じられましたね。 the pillows – “1989” ——The SALOVERSの「フランシスコサンセット」はどんな面に発見が? ミゾベ あまり考えずに書いたというか、詩人としての歌詞だと思うんです。自分の思ったことをただ素直に書いているんだけど、メロディに対する言葉の乗り方やフレーズの選び方が理想的だと思います。 The SALOVERS – “フランシスコサンセット” odol odol

レディオヘッド、YMO、土岐麻子ら odol森山が“1st EP『視線』制作時に聴いていた曲”をチェック!

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text & interview by 石角 友香 photo by 工藤 直人

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吉澤嘉代子に訊く15の質問と1つのお絵かき

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吉澤嘉代子
ヤマハ主催『Music Revolution』でのグランプリ・オーディエンス賞のダブル受賞をきっかけに2014年にメジャーデビューした、シンガーソングライター吉澤嘉代子。 <ROCK IN JAPAN .FES>など国内の大型フェスヘ出演や全国ホールツアーを行うなど精力的に活動する一方で、私立恵比寿中学や、松本隆との共作によりシンガークミコへ楽曲提供も行っている。 最近では、バカリズムが「原作」「脚本」「主演」を務めた『架空OL日記』の主題歌として“月曜日戦争”を書き下ろし、話題に。そして、来たる10月4日(水)にはMETAFIVEのゴンドウトモヒコが表題曲をプロデュースした2ndシングル『残ってる』のリリースが決定している。 今回はそんな吉澤嘉代子に『残ってる』についてはもちろん、好きなスポーツやこの秋でやりたいこと等、様々な15の質問に答えてもらった。最後にはQeticのマスコットキャラクター「あいつ」のイラストも描いてもらったので、ぜひそちらもチェックしてみて欲しい。

吉澤嘉代子に訊く15の質問とお絵描き

①まずは、「今一番会いたい人」と尋ねられた際に最初に思い浮かぶ方はどなたですか? その理由もご自身なりに分析していただけますでしょうか。

人ではないですが、飼っていた犬です。私の宝物だし、いつでもいちばん会いたいです。

②好きなスポーツはありますか?

スポーツ全般苦手ですが、柔道は好きです。子供のころ、夏休みにいとこが遊びにくると、みんなで受身の練習をしていました。

③今日から一ヶ月間仕事休み、と告げられたら何をしますか?

家にいます。

④バカリズムさんが原作のドラマ『架空OL日記』の楽曲を書下ろされましたが、テーマが与えられての楽曲制作と、そうでない作曲の違いはありましたか?

作品を彩る一部になれたらと、曲だけで完結しないように気をつけました。脚本に登場するモチーフと連動させて、ドラマの最終回で歌詞の意味がわかる内容にしました。 吉澤嘉代子「月曜日戦争」MUSIC VIDEO

⑤10月4日(水)リリースの“残ってる”ジャケ写の後ろ姿、とても綺麗で素敵です。「楽曲を聴いた人が主人公になってほしい。その人の恋を投影してもらえたら。」との想いからこのジャケ写にしたそうですが、他のアーティストの作品で、自分自身を投影してしまう楽曲はありますか? もしあればどういった自分を投影するのかも教えていただけますでしょうか。

倉内太さんの「どうしようもなく今」という曲です。初めて聴いたとき、ずっと言葉にできなかったイメージを歌詞にしてもらったような気持ちになりました。
“残ってる”通常盤ジャケ写

⑥“残ってる”は「夏から秋にかけて季節の中にとり残されてしまった、朝帰りの女の子の歌です。」とのことで、切なくも少しドキッとするテーマだと思います。最近起こった切なくもドキッとした体験を教えてくださいませんか?

自転車に乗っていたら、目の前に酔っぱらったカップルがおり、通り過ぎようとすると、彼女の方が私によろけてきてぶつかりそうになってドキッとしました。「危ないですよ!」と文句のひとつも言いたかったですが、小さな声で「おっと」としか言えませんでした。彼女は彼氏に「気をつけなって言ったでしょう?」と優しく諌められていて、なんか切なかったです。 吉澤嘉代子「残ってる」MUSIC VIDEO

⑦カーネーションの“Please Please Please”にコーラスとして、そしてツアーにもゲストとして参加されるそうですね。カーネーションいいですよね。同年代の友人に「カーネーション」の魅力を伝えるとしたら、どんな言葉で説明しますか?

「色気がすごいんだよー!!!」

⑧好きな食べ物と嫌いな食べ物を教えていただけますか?

好きなのは、お鮨。きらいなのはピーマンです。

⑨「秋が楽しみ」とおっしゃっていましたが、この秋でやりたいことはなんですか?

紅葉を見に行って、柿の葉寿司をいただきたいです。

⑩好きな洋服のブランドはありますか?

今作の衣裳で着た「furuta」のお洋服が素敵でした。

⑪最近買った一番高い買い物はなんですか?

ギャルソンの鞄。

⑫好きなお笑い芸人はいますか?

バカリズムさんです。単独公演を見させていただいて、その秀逸さに人間の未知の力を感じました。

⑬1番言われて嬉しい言葉はなんですか?

なんだろう、、「おもしろい」です。

⑭好きな色は何色ですか?

赤・白・ピンクです。子供のころから好き。

⑮憧れの人はいますか?

たくさんいるけれど、もう会えない人なら歌人の笹井宏之さんです。

吉澤嘉代子が描いたQeticマスコットキャラクター「あいつ」

吉澤嘉代子

RELEASE INFORMATION

[amazonjs asin="B074F7W9LK" locale="JP" title="残ってる (通常盤)"] [amazonjs asin="B074F7ZGF6" locale="JP" title="残ってる (初回限定盤)"] 詳細はこちら

EVENT INFORMATION

吉澤嘉代子 2ndシングル「残ってる」発売記念インストアイベント

2017.10.03(火) 19:00  HMV栄イベントスペース  内容:サイン&チェキお渡し会 2017.10.04(水) 19:00  タワーレコード梅田NU茶屋町店 6Fイベントスペース 内容:サイン&チェキお渡し会 2017.10.05(木) 19:00 タワーレコード渋谷店B1F「CUTUP STUDIO」 内容:ミニライブ&サイン会 2017.10.07(土) 20:15  ヴィレッジヴァンガード下北沢店 店内イベントスペース 内容:サイン&チェキお渡し会 詳細はこちら

吉澤嘉代子 「お茶会ツアー2017」

2017.10.23(月) 浜松 窓枠 2017.10.28(土) 札幌 Fiesta 2017.10.29(日) 仙台 retro Backpage 2017.10.31(火) 青森 1/3 2017.11.02(木) 京都 紫明会館 2017.11.05(日) 福岡 住吉能楽殿 2017.11.06(月) 熊本 早川倉庫 2017.11.08(水) 長崎 香港上海銀行 2017.11.12(日) 名古屋 三楽座 2017.11.13(月) 横浜O-SITE 2017.11.17(金) 岡山 MO;GLA 2017.11.18(土) 神戸 月世界 2017.11.20(月) 東京 SHIBUYA PLEASURE PLEASURE 2017.11.21(火) 東京 SHIBUYA PLEASURE PLEASURE ※一般チケット発売:2017.09.23(土) 詳細はこちら
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【インタビュー】“この世に存在していることへの祝福” 作家人生20周年を迎えるD[diː]の表現とは

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D[diː]
作家、イラスレーター、現代アーティスト、そしてラジオパーソナリティーと、様々な分野で活躍するD[diː]の個展<D[di:] solo exhibition 2017/Crystallized Points of View>が「hpgrp GALLERY TOKYO」にて開催されている。 昨年11月に開催された個展<The DOOR 自分回帰/THE LETTER from the future, past, somewhere>に続く本展は、D[diː]考案の、さまざまな版画の技法を駆使し、その上に多用な素材を用いてペインティングを施す“ハーモニックペイント”で描かれた作品や、油絵の具とテンペラ絵の具を使用した作品等、D[diː]が生み出した新しい作品群が展示されている。 今回、個展に込められた思いをはじめ、作品を作り続けることで一番大切にしていることや、自分の作品を通して伝えたいこと等、作家人生20年を迎えた彼女のパーソナリティに迫るメールインタビューを行った。

D[diː](ディー)| Mail Interview

D[diː] ——今回の個展「Crystallized Points of View」についておきかせください。 Crystallizedとは結晶、結晶化といった意味合いが日本語で直訳するとあると思いますが、作品解説にもあったように「様々なタッチで構成する」アプローチをしたかったことからこの個展名をつけられたのでしょうか? Crystallized は、結晶化する、具現化する、結実して現れるという意味があります。私は、いままで、いろいろなタッチで作品を描いてバリエーションに富みすぎて、たまに同一人物とは捉えられないことがあって。 たしかに、タッチが違うものを書く時、また、過去に絵やイラストレーションのほか、小説や漫画とジャンルの違う場でも作品を発表してきたけど、根底に流れるテーマはいつも同じだったんですよね。でも、同じものを言うにしても、視点や角度が違ってたな、と。この名前で活動してきて20年になるけど、この無駄にバリエーションに富んでしまった視点や技法が、長い時間をかけて結晶化した、それが、Crystallized Points of Viewという、今回の、分割した色々な技法で描いた作品を一つに画面構成するというアプローチにいたったってかんじです。 ——昨年行われた個展<The DOOR 自分回帰>。ここでもキャリアの長い作家として自分回帰という言葉をタイトルに強い思いが込められているように感じました。全回の個展から今回の個展までの間、なにか作品づくりにおいて心境の変化や影響を受けたことがあれば教えてください。 自分のやり散らかして来たことを、もっと、一本化して視覚化したかったって感じですかね。または、めんどくさいから、やりたくないなーって思ったことを、ようやく重い腰をあげてやったアプローチとも言えます。正直、一つの作品を分割して、いろいろなタッチで描くのは、一枚の絵をかくよりもだいぶ時間がかかるし、手間もかかるし。でも、思いついたらやらなきゃいけないのが、このアーティストっていう難儀な職業で。 実際に、作品は3つから4つのタッチに分割されてるんですが、その中には油絵で描いているパートもある。もともと私は多摩美の油絵科に行っていたんだけど、大学辞めてから、ほとんど油絵の具を触ってなくて。ていうのも、油絵の具って、乾くのに時間がかかるし絵の具も高いので、避けざるをえなかった。だけど、やっぱり、あの光沢や、マチエルや透明感をいまいちど作品におとしこみたくなって、とか。そう言う意味で、もはや一度自分の中で捨て置いた技法を回復させたという点でも原点回帰てきなところはありますね。 ——今回の作品づくりではステイトメントを先に作り作品づくりに取り掛かったのでしょうか? そうですね。いつもこのステイトメント、どうして今回自分がこの作品を描くに至ったかって言う決意表明を考えるところがスタートです。それができた上だと、作品ひとつひとつのテーマを考える上でも、制作する上でも、ブレがなくなるのです。 アートって、我にかえってしまうと、「コレ意味あるの?」っていう落とし穴に落ちそうになるんですよ。だからね、その穴に落ちないためにも絶対必要だと思ってる。 D[diː] ——今回、スターやお花、水晶など立体の置物と一緒に作品を展示しておりましたが、このような個展での表現も初めての試みですか? そうです。これは、REAL LIFEシリーズといって、実際のモチーフになったものと作品との対話を楽しんでもらうシリーズです。 例えばお皿ひとつとっても、そのシルエットは円ですよね。円と言えば、円周率パイに支配された図形とも言えると思うんですが、この円周率は2016年の時点で22兆4600億桁まだ計算されている。そして、これは、永遠にループすることがない数字で構成されている。 つまり、この数字を暗号と捉えると、すべての歴史、音、言語などを表せると言われている。これって、アカシックレコードにもつながる、いわば、ニルヴァーナ、つまりは宇宙全体のこと、曼荼羅の世界に通じるともいえると思うんですよね。それが、円のなかに集約されている。 だから、私は、円のものを見たとき、それについて考えるとき、いつも、とてもロマンチックな気分になるんです。 そういう図形、今回は、円、五芒星、水晶、そしていつもテーマにしている花、を今一度描きました。 でも、この考え方は、これらの図形だけじゃなくて、万物にあてはまることだと思っていて、文字のシリーズや、狼を描いた作品にもつながることです。 D[diː] ——D[diː]さんといえばやはり、動物の作品を描くイメージが大きいですが、今回は狼。様々なタッチで描かれた狼にどのような想いがあるのでしょうか? 日本の山や森にいた狼たちが、1880年代後期に人間たちの手によって絶滅させられたということを知って、だいぶ衝撃を受けたのが、去年の夏ごろでした。いままで、狼が日本にいたのかどうなのか、ていうか、その存在について考えたことなんてなくて。すでに野良犬ですら日常でみることもなくなったし。 そして、いま、狼がいなくなった日本の山や森が、生態系が崩れて、鹿が増えすぎて森林破壊が進んでとんでもないことになっている。それについてかなりの額の税金が投入されているのにもかかわらず有効な手立てがなく、末期的状態なのにほとんど知られていない。 それに、狼と言えば、怖いとか悪そうってイメージの権化だったと思うんですが、実は、非常に賢くて夫婦仲もよくラブラブで、パックとよばれる家族の単位内では非常に繋がりが強く、仔に対しても愛情深い。それに実は人間に懐くこともわかっています。 日本の神社には、狼が祀られているところも結構あるし、北海道のアイヌの人々は、自分たちが、狼の子孫だと伝えているほど、神聖な動物であることも、あまりしられていないと思う。 自然破壊についての警鐘は、もうずっとずっと言われ続けているけど、正直、何をしたらいいのかわからない、なにから勉強したらいいのかわからない、って思うけど、狼ひとつをとっても、アメリカのイエローストーン国立公園での例をみると、そこから糸口になるんじゃないかな、そして、それをアーティストとして、どうやって伝えていくべきか、そこが、この狼をとりあげたスタート地点です。これからも、描いていきたい動物の一種です。 D[diː] ——自分の作品を通して伝えたいことは? 世の中は、じゅくじゅくしていて、しょうも無いことに溢れている気がしてニヒルに構えてることが、一番傷つかない方法みたいになっている風潮があると思うんだけど、この世界の全ての万物には、曼荼羅が隠れていて、各々にれっきとした意味があって、精霊が宿っている。 つまり、わたしも、あなたも、この世に存在していることに自信を持つべきで、自信がもてる生き方をしたいし、して欲しいなー、そのほうが楽しいじゃん? 楽しいこと嫌いなひといないでしょ? みたいな感じでしょうかね。。。 ——20年の作家人生、作品を作り続けることで一番大切にしていることは何でしょうか? 続けること、それにつきますかね。そのためには、体調管理ですかね。私の作品制作は、作業が細かくて工程も多い、つまり時間がかかるので、長時間制作していると、首肩、目、腕と疲労が溜まります。できるだけメンテナンスしていかないと、続けていけない。 だから、ほぼ毎日ピラティスに通い、食べる物も玄米食と味噌汁をベースにしたり、いかに効率的に脳や身体を使える食事にできるかを本読んだりして勉強しています。あとは、楽しむこと! これ、一番大事かもね。 ——今回の個展<Crystallized Points of View>において、D[diː]さんが一番推したい部分とは(見どころを教えてください)。 ここ最近の個展のときには、自分の手書きの解説文を掲示するようにしています。まず、それを読んでから作品の前に立って、いろいろ感じてもらえたらおもしろいかな、と思います。また、全ての作品は撮影が可能です。LOVEDっていう作品なんかは、「最愛の、親愛なる」って意味の作品なので、仲良しさんとその下に立って写真をとってもらいたいな笑。#cpovdとして、インスタグラムにアップしていますので、皆さんもぜひハッシュタグつきでアップしてください。ほぼ日でチェックしてますんでw ——今後、どのような作品を作っていきたいですか?またチャレンジしてみたいことなどがあれば教えてください。 今回のアプローチを経て、いままで制限していたのもが、どこか吹っ切れた感じがするので、この調子で発展させていきたいなーと思ってます。 今回の展示のまえに、こんつめすぎて、体調悪くまでしてしまったけど、あたらしいアプローチが生まれたという点で、その甲斐があったと思っています。 国外での展示、進出はやはり念頭においています。私の作品がどう捉えられるのか、とても興味があるので。 あと、今年の夏に、珍しいキノコ舞踊団の伊藤千枝さんのワークショップのために、舞台美術を担当したんですが、あれだけ大きいものを作ることってあまりないし、他のアーティストとのコラボレーションってあまりしたことがないので、また機会があればやってみたいなー。 ——D[diː]さんの今後の活動を具体的に教えてください(決まっている予定、またはプランなど)! うーん、いま、個展始まって、開催中で、正直、じゃっかん燃え尽き症候群気味なので、なにも考えたくなーい! けど、水面下でバタバタしてます! まだ公にできねーっす。 ——今回の展示後、作品がみれるチャンスがあればそれも教えてください。 いまはとくに思いつかないなあ。あ、作品じゃないけど、毎週火曜日深夜のJFN系ラジオ、『オンザプラネット』、眠気まなこ擦りながらがんばってるので、聞いてねー!25時から27時までやってますー! ほぼ、食いしん坊な話ばっかの飯テロ番組ですー。 ——ありがとうございます。 D[diː] D[diː] D[diː]

EVENT INFORMATION

「D[di:] solo exhibition 2017/Crystallized Points of View」

2017.09.09(土)- 10.08 (日) START 12:00/END 20:00 hpgrp GALLERY TOKYO ※月曜・最終日曜定休 今展示で陶器を提供してくれた岐阜の3人組「陶器制作集団 3RD CERAMICS」とのコラボレーション風鈴が限定発売されます。 ・お知らせ 2017.09.24(日)に予定されていたトークイベント「オオカミとアーティスト」は中止となりました。 ・D[di:]在廊日時 2017.09.29(金) 17:00〜20:00 D[di:]が在廊し、DJによるサウンドセレクトでお迎え。 ドリンクとフードも用意されています。 2017.09.30(土)、10.01(日) 15:00〜19:00 hpgrp GALLERY TOKYOオフィシャルサイト

photo by ドブミズススル(mammoth)

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東京インディシーンの愛されバンドTENDOUJI!ギリギリの状態でトイレが全て使用中だった時に聴きたい曲とは

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TENDOUJI
mysoundイチ押しのアーティストにテーマに合わせた楽曲をピックアップしてもらい、その曲にまつわるエピソードから本質を掘り下げていくプレイリスト企画。今回はインディシーンの注目の的、TENDOUJIが登場。8月9日にリリースされた『MAD CITY』は彼らにとって、記念すべき1stフルアルバム。アルバムにかける思いを聞きつつ、『ギリギリの状態でトイレ全て使用中だった時に聴きたい曲』のプレイリストについても話を探っていきます。

Interview:TENDOUJI

TENDOUJI
L→R:モリタナオヒコ(Gt,Vo), オオイナオユキ(Dr), ヨシダタカマサ(Ba), アサノケンジ(Gt,Vo)

ヨシダタカマサ “バンドを始めるまで、こんなに真剣になったことなかった”

——タイトルの『MAD CITY』ってどういう意味なんですか? アサノケンジ(以下、アサノ) 僕らは千葉県松戸市出身で、別名“MAD CITY(マッドシティー)”って言われてるんですよ。まあ、治安の悪いところで、ヤンキー漫画の舞台にもなってる場所なので。しかもキ『MAD CITY』って響きがカッコイイじゃないですか。だから、このタイトルにしました。 ——1stフルアルバムが完成して、どんな手ごたえを感じていますか? アサノ 出来ることは全部詰め込んだし、好きな感じも出せているので。あとは本当に売れたら良いなって思います。僕らが高校生の時に聴いたら、絶対にハマってる名盤が出来たな、と。 ——TENDOUJIは地元の友達で結成されたバンドですが、活動を通してメンバーの変化は感じますか? オオイナオユキ(以下、オオイ) プロっぽくなってきたというか、楽しませようと頑張ってると思う瞬間はありますね。 ——どんな時に思いますか? オオイ 「今日、体調良くなさそうだな」とか「ノってないな」って状態でも頑張ってる時。中学の頃には見せなかった表情をしてて、こんな一面があるんだ、と思いました。 モリタナオヒコ(以下、モリタ) 良いこと言うじゃん。 ——バンドを始めたことで、メンバー同士の知らなかった一面が見えてくるのは面白いですね。 アサノ みんな、ちゃんと真面目にやってるなって感じだよね。 モリタ 真面目を恥ずかしがらなくなった。 ヨシダタカマサ(以下、ヨシダ) バンドを始めるまで、こんなに真剣になったことなかったもんね。 ——プレイリストについてもお聞きします。『ギリギリの状態でトイレ全て使用中だった時に聴きたい曲』って、テーマが面白いですね。 アサノ もっと下品なテーマもあったんですけど、これくらいがちょうどいいかなって。 ——この自由な発想がTENDOUJIらしいな、と思いました(笑)。では、アサノさんから聞いていきますね。まずは“Back In Black”。 アサノ ニルヴァーナがめっちゃ好きなんですよ。で、カート・コバーンがこのバンドを聴いているって知って聴くようになりました。 ——トイレの状況に置き換えると、この曲が流れてる時はどんな状況ですか? アサノ ドアを蹴破ってでも“したい”っていう(笑)。 ——あはははは! なるほど。 アサノ その衝撃で漏れてしまうなら本望な感じです。 AC/DC —“Back In Black” ——続いてのブラーはいかがですか? アサノ これはメロディがめちゃくちゃ良いんですよ。癒されるというか、ずっと聴けるなって。イメージとしては中学生です。あの頃ってトイレに行くのが恥ずかしいじゃないですか。お昼ごはんを食べた後の昼休み……みんなに隠れてトイレへ駆け込んだら全て使用中で「・・・嘘だろ」っていう。 ——「お前らも入ってたのか」と(笑)。 アサノ そうですね(笑)。そういう状況で聴きたい1曲ですね。 Blur—“You're So Great(2012 Remastered Version)” ——次はモリタさんのピックアップした曲について、話を聞かせていただきます。 モリタ これは主人公が僕じゃなくて、柴田恭兵なんですけど。バンっ! ってドアを開けたら「やべ! 全部埋まってる」みたいな。 ——なんで、自分じゃなくて柴田恭兵をイメージしたんですか(笑)? アサノ そもそも、ナオ(モリタ)は人前でトイレに行かないんですよ。俺らにバレないように、隠れてこっそり行くタイプで。 ——メンバーは付き合い長いから、気にしなくてもいいじゃないですか。 モリタ 長いですけど、自分を知られるのが恥ずかしいんですよね。ちょっと汚い部分じゃないですか。 ——“人にやさしく”を選曲したのはどうして? モリタ 今はトイレがいっぱいって状況はあんまりない気がしてて。昔のトイレだったら和式で、暑くて「早く済ませたいのに、最悪だぁ〜!」みたいな……なので“人にやさしく”です。つまり、トイレから早く出ようよってことを込めて。トイレの中でゆっくりしてるヤツいるじゃないですか。 ——「そんなに長く用を足す?」って人いますよね。 モリタ そうなんすよ。だから、この曲を選びました。 THE BLUE HEARTS ー“人にやさしく(デジタル・リマスター・バージョン)” モリタ 次はLINDBERGで一番好きな曲なんですけど、これも光景が浮かんじゃったんですよね。登場人物は柴田恭兵なんですけど。 ——さっきも柴田恭兵じゃないですか。 モリタ あはははは! この曲はどの情景にも当てはまるし、どんなシチュエーションでも泣けると思うんですよ。歌詞も今回のテーマと合致してて。歌詞の《もう少し もう少しだけ》がまだ出ないでくれって思いながら漏らしちゃう。そしたら、“君のいちばんにほんとはなりたかった”で締まるのが凄くオシャレじゃないですか?……と、いうことで歌詞が凄く合ってると思ったので、この曲を選ばせてもらいました。 LINDBERG – “君のいちばんに…(Remix)” TENDOUJI

Tempalay、ザ・ビーチ・ボーイズも登場!

続きをmysoundで読む! text&interview by 真貝 Photo by 山口真由子

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